BUGY CRAXONEボーカルは女性版チバユウスケ調のロックシンガー 聴き応えは
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTやThe Birthday等のボーカリストとして
圧倒的な存在感を誇っていたチバユウスケが2023年11月26日に亡くなられました。
チバユウスケファンのショックは大きく、チバ魂を継承している若いアーティストを
求める傾向が日に日に高まってきています。
幸いチバに影響を受けて活動しているミュージシャンは多く、チバの音楽をベースに
自らの音楽に磨きをかけながら音や詞を発信しているバンドは存在しています。
BUGY CRAXONEはチバユウスケの音楽を見事に継承しており、聴き応え十分です。
チバユウスケのイメージからするとバリバリのロッカーばかり想像してしまいがちですが
今回ご紹介させていただくBUGY CRAXONEは一見するとそう見えない、
しかも女性にしてストレートな歌詞をパンクロックに乗せて歌っている
ボーカリストの所属するバンドです。
是非 最後までお付き合いください。
Contents
●BUGY CRAXONEはキャリア十分の本格派
1997年 札幌で結成されたオルタナティブロックバンドです。
1999年 ビクターエンタテインメントよりメジャーデビュー。
2003年 自主レーベル Zub RockA RECORDSを設立します。
2007年 同郷札幌の増子直純(怒髪天ボーカル)主催のレーベル
Northern Blossom Recordsに移籍します。
2017年 インペリアルレコードに移籍しメジャー復帰します。
●BUGY CRAXONEのメンバー
すずきゆきこ(ボーカル、ギター)
及川司(ギター)
旭司(ベース)
ヤマダヨウイチ(ドラムス)
作詞はすずきゆきこ、作曲はすずきゆきこと及川司中心です。
すずきの詞の特徴はやる気スイッチを入れてくれるような前向きな気持ちになれる詞が
多く、変にカッコつけずに素直に感情を表現しているのが魅力だと思います。
私は若い頃何年か札幌に住んでいたことがあるのですが、北海道の方の良い意味での
おおらかな性格や人を信じるところ、世話好きで親切なところ、明るいところ、
素直なところが大好きで、なんでこんなに素敵な人ばかりなのだろうと
不思議に思いながら生活していたものでした。
すずきゆきこの詞には、そんな道産子でしか書けないような感受性が表現されています。
デビュー当初は尖った挑戦的な詞が目立ちましたが、
年々柔らかな表現に変わってきています。
聴いていると元気になれるような歌が多いですね。
●BUGY CRAXONEとチバユウスケのタイアップ曲「人と光」は名曲です
すずきゆきこはインタビューで奥田民生、吉井和哉、浅井健一、
そしてチバユウスケの音楽の影響を受けていると答えています。
BUGY CRAXONEは2002年リリースのサードアルバム「This is NEW SUNRISE」の
中にあるシングル「人と光」でチバユウスケをスペシャルゲストに招いています。
「人と光」はデュエットしているというよりはチバユウスケの叫びに対して
バックコーラス的にすずきゆきこがハモリを入れているような感じで
フィーチャリング チバユウスケを忠実に表現しています。
作詞・作曲ともすずきゆきこなのですがチバユウスケのボーカルが入るとTHEE MICHLLE
GUN ELEPHANTの曲になってしまいますね。
とは言え非常に高度なハーモニーワークですので、
すずきゆきこもさすがだと思います。
ちなみにこの曲は音楽ストリーミングアプリでもBUGYの人気曲トップで表示されます。
●BUGY CRAXONEの魅力は詞とサウンドの融合性
楽曲のクオリティ、ライブパフォーマンスのレベルの高さからすると、
もっと商業的に売れてしかるべきだと思いますが、このジャンルにはハイレベルの本物バンドが
小さなライブハウスで少数のファンに演奏し続けるケースが多々あります。
その意味ではメジャーデビューして大物アーティストとのタイアップまでしているBUGYは
本物揃いの厳しい世界での勝ち組と言えるでしょう。
ロックバンドにとってライブは命綱ですが、新型コロナウィルス渦で禁じられていた声出しが
解禁されたことにより観客を盛り上げる実力のあるバンドのライブは活況を呈します。
BUGYのように観客の心に刺さる歌詞をハイテクニックな演奏によるサウンドに
乗せ申し分ない歌唱力で観客に届けれられるバンドは今後もファンが更に拡大していくでしょう。
すずきゆきこの歌詞にはストレートに感情を表現するものが多く高評価を得ているわけですが、
恋愛関係の歌詞が殆ど無いのも良いですね。
作詞家には詞に行き詰まって恋愛用語を連発する人もけっこういますので。
あの曲もこの曲も同じような詞ってよくありますよね。
逆に言うとすずきゆきこは作詞家としての才能もそれだけ高いということだと思います。
●チバユウスケの音楽は次世代に受け継がれ繋がっていく
好きなミュージシャンが現役で活動していれば新たな楽しみが出てきます。
実際、ビートルズの新曲として「ナウ・アンド・ゼン」が、ストーンズの18年ぶりの
アルバムとして「ハックニー・ダイアモンズ」が2023年に発売され健在ぶりを示しています。
ポールもミックも80歳を越えていますので頭が上がりませんが、
ミュージシャンに定年はありません。
チバユウスケは55歳にしてこの世を去ってしまいましたので残念でしかたありません。
かつて黒人音楽であるブルース、R&B、ロックンロールがその音楽の影響を受けたイギリス
ミュージシャン達によって再評価され世に広められました。
その功績は非常に大きく、イギリスでヒットした黒人音楽がアメリカに逆輸入され、
その結果として黒人の地位が向上したのです。
チバユウスケらも先人達の影響を受けながら音楽を広め、
さらにその影響を受けたミュージシャン達がロックを音楽ファンに届けてくれています。
偉大なミュージシャンが亡くなると追悼から再評価されることも多く、
推し活ブームも相まって一層の効果が予想できます。
その意味でもチバユウスケに影響を受けているミュージシャン達の活動は期待したいです。
BUGY CRAXONEの音楽はこの期待に十分応えてくれるだけの質を持っていると考えています。
すずきゆきこは弾き語りのソロコンサートもやっていますが、BUGYでのバンド活動は
今後ますますレベルアップしていくと思います。
●まとめ
BUGY CRAXONEは本格派の女性ボーカルロックバンドです。
BUGY CRAXONEの曲は元気、やる気を与えてくれる応援ロックです。
BUGY CRAXONE「人と光」はチバユウスケがボーカル参加の名曲です。
BUGY CRAXONEの魅力は詞と音の融合性にあります。
チバユウスケの音楽は継承され次世代へと繋がっていきます。
以上です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。