90年代に製作された西部劇が見たい! おすすめ3作品を一挙に紹介

過去に盛んに製作されていた西部劇には名作と呼ばれる作品が数多く存在します。

今ではすたれてしまったという声が聞かれる西部劇ですが、
90年代に入ってから再び製作されていきました。

白人が正義であり、アメリカ先住民が悪として描かれる従来の西部劇とは異なり、
登場人物の生き方や心情を描き出した作品があります。

1930年代から1960年代にかけて製作されてきた西部劇と
90年代に製作された西部劇との違いを比較しながら鑑賞することもまた楽しみとなるでしょう。


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『ワイアット・ワープ』

1994年のアメリカ映画です。保安官として知られるワイアット・アープの実情に迫っていく重厚な西部劇です。
1946年の映画『荒野の決闘』ではヘンリー・フォンダ、1956年の映画『OK牧場の決斗』では
バート・ランカスターが演じていたワイアット・ワープ役をケビン・コスナーが演じています。

英雄として描かれている過去の作品とは異なり、ワイアット・アープの実情を描き出していきます。

愛する者との別れ、血のつながった兄弟との絆を重要視する不器用さや行き過ぎた正義を貫く姿など、
過去の作品で描かれてきた英雄としての姿ではなく、人生の成功にこだわる人間としての姿を見ることができます。

1992年の映画『ボディガード』では依頼者の命を守るボディガード役を熱演したケビン・コスナーですが、
『ワイアット・アープ』では不器用ながらも懸命に生き抜く保安官役を演じています。

保安官としての姿と銀鉱山の経営者としての姿や恋愛模様も描かれています。

映画のオープニングでケビン・コスナー演じるワイアット・ワープが
コーヒーを飲んでいるシーンがあります。

ひげを蓄え、銃を手にして決闘に向うアープの強い意志を感じました。

2度のアカデミー賞に輝いた名優ジーン・ハックマンが
ワイアット・ワープの父親役を演じています。存在感ある演技は圧巻です。

『許されざる者』

1992年のアメリカ映画です。製作、監督、主演をクリント・イーストウッドが務めました。
アカデミー作品賞と監督賞を獲得した西部劇です。

いぶし銀のモーガン・フリーマン、憎々しい演技が印象的なジーン・ハックマンも出演しています。

ウィリアム・マニーは過去に女性や子供の命を奪ったと言われている無法者です。

妻との出会いを機に心を改め、農夫となっていました。
やがて2人の子供の父親となりましたが、妻を亡くして2人の子供と共に貧しい生活を強いられていました。

そのような時、若い男スコフィールド・キッドから賞金稼ぎの話を持ちかけられます。
貧しい生活から抜け出したいと思ったマニーはかつて捨てたはずの銃を手にするのでした。

クリント・イーストウッドの苦悩に満ちた表情が目に焼き付いています。

人の命を奪った過去を告白するシーンはイーストウッド演じるマニーの苦しみが胸に迫ってきました。
雄大な風景を映した映像と内に秘めたマニーの怒りや悲しみも胸に迫ってきました。

特に降りしきる雨の中でウィリアム・マニーが怒りを爆発させるシーンは圧巻です。
降りしきる雨がマニーの内に秘めた悲しみを表しているように思いました。

初めて鑑賞した時には全く良さがわからない映画でしたが、
改めて見直してみると監督イーストウッドの演出の深さを感じました。

『ジェロニモ』

1993年のアメリカ映画です。監督は1980年の西部劇『ロング・ライダーズ』を手掛けたウォルター・ヒルが務めました。

アカデミー賞受賞者ジーン・ハックマンとマット・デイモン、ロバート・デュバルが出演しています。

1885年、20年近くアメリカ合衆国騎兵隊に抵抗を続けていたアパッチ族の族長ジェロニモは投降し、
保留地で新しい生活を始めていました。

そのような時、騎兵隊の武力行使をきっかけにジェロニモは仲間と共に逃走します。

白人が正義であり、アメリカ先住民が悪という従来の西部劇とは異なり、
先住民側の視点を感じる西部劇です。

アメリカ先住民が住んでいた土地を白人が奪い、先住民を保留地へ移住させたのは白人です。

先住民に残された道は保留地へ移り住むか、
騎兵隊に最後まで抵抗するかのどちらかだけということを教えられました。

ジェロニモを1人の誇り高き勇者として描き出していたことはよかったです。
残念なことはストーリー展開が途中で遅くなってしまうことです。

ストーリーが途中で遅くならないような工夫が欲しかったです。

マット・デイモン、ジーン・ハックマン、ロバート・デュバルというオスカー受賞者が出演しているので、
彼らの演技力を引き出して欲しかったです。

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まとめ

かつて盛んに製作されていた西部劇ですが、今ではすたれてしまったと言われていました。
90年代に入ってからも再び製作され、白人が正義であって、アメリカ先住民が悪という描かれ方がなくなりました。

これまでの西部劇とは異なり、登場人物の心情や生き方、
苦悩や悲しみを描き出していく内容に1930年代から1960年代の西部劇との違いを感じます。

特にケビン・コスナー主演の映画『ワイアット・ワープ』は、
伝説的な人物として描かれていた保安官アープが苦悩や悩みを抱える1人の人間であることを教えられました。

2000年代に入ってから再び西部劇が製作されました。

90年代の西部劇との違いを見つけながら比較して鑑賞することができるでしょう。

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