赤川次郎の小説はどれがおすすめ?2015年に発売されて吉川英治文学賞を受賞した名作について解説!
日本人のミステリー作家に赤川次郎という人がいます。
幼少期から物語を作るのが好きで会社に勤務しながらも小説を書き続け小説家として生活していくまで
有名になった努力家であり、趣味を仕事にして成功しておられる珍しい人だと思います。
とても創作意欲が高い作家で多い時には年に20冊の小説を発表し面白く、
分かりやすい内容の物が多いので若い世代から年配の世代まで幅広い人達を楽しませています。
2015年にも多くの小説が発売されているのですがこの記事では
「第50回吉川英治文学賞」を受賞した『東京零年』についてあらすじと
ここが面白いという見どころについて書きます。
「2015年に発売された赤川次郎の小説で何から読もうか?」
そう迷っている人に特におすすめしたい小説ですので最後までお付き合いいただけると幸いです。
Contents
●2015年発売の赤川次郎『東京零年』あらすじです。
物語は彼女に約束をキャンセルされ、家族にも冷たくされた主人公が駅のホームに
落ちてしまうところから始まります。
幸い主人公は居合わせた女性に助けられます。
偶然出会ったこの2人の父親は検察官とジャーナリストであり、
そしてある事件に関わっていた事を知ります。
父親達の関わった事件の真相を調べるために2人は行動し始めます。
ここまでが2015年発売の赤川次郎『東京零年』あらすじです。
偶然の出会いから若い2人が過去にあいまいにされていた事件の真相を調べ始めるという内容ですが、
事件に2人の父親が深く関わっており一見家族についてという狭い範囲での出来事に見えます。
しかし実際には事件の裏側に強力な権力者が関わっているとても大きな事件である事が分かってきます。
権力によって犠牲になった人間達の怒りや悲しみ、
後悔といった感情が伝わってくる社会派ミステリーです。
●2015年発売の赤川次郎『東京零年』ここが見どころ①
*父親達の不始末を子ども達が調べていく様子が面白いです。
この小説は主人公達2人が過去に父親達の関わった事件について
その真相を明らかにしようと行動します。
彼らは若く大学生と会社員という父親達に比べると社会的に地位が低いですが
そんなハンディキャップをものともせず真相に向かって突き進んでいきます。
その若くエネルギッシュで恐れを知らない様子が読んでいて気持ち良いです。
逆にその若さや社会的な地位の低さから軽んじられて思い通りに行かない事も多く
悔しい思いもするのですがそういった場面も読者が共感できるのでとても面白いです。
●2015年発売の赤川次郎『東京零年』ここが見どころ②
*事件捜査に関係ないシーンでの登場人物のやり取りや心情がリアルで面白いです。
この小説の主題は父親達が関わった事件の真相です。
それゆえに事件捜査についての場面に注目が集まります。
しかしあえてそれ以外の場面や登場人物の心情にも注目して読んで欲しいです。
そこには読者である私達がとても共感できるセリフや感情がたくさんあって
思わず現実かと思うような場面もあります。
例えば私が共感できたのは給料日の話です。
今月は給料日が土日なので金曜日には受け取る事ができるという小さな幸せを
噛みしめている登場人物に私はとても共感しかなり親近感を感じてより本の世界を楽しめました。
このように事件に関係ない部分にも面白い点がたくさんあるので
自分のお気に入りの場面を見つけて欲しいです。
●まとめ
ここまで2015年発売の赤川次郎『東京零年』のあらすじと
ここが面白いという見どころについて書きました。
事件の真相はもちろん、それとは関係ないセリフや登場人物の感情も
しっかりと楽しめる小説ですのでぜひ読んで欲しいです。