赤川次郎のプロメテウスの乙女ってどんな話?そのあらすじと見どころについて解説!
日本人のミステリー作家に赤川次郎という人がいます。
幼少期から物語を作るのが好きで会社に勤務しながらも
小説を書き続け小説家として生活していくまで有名になった努力家であり、
趣味を仕事にして成功しておられる珍しい人だと思います。
とても創作意欲が高い作家で多い時には年に20冊の小説を発表し面白く、
分かりやすい内容の物が多いので若い世代から年配の世代まで幅広い人達を楽しませています。
そんな赤川次郎の作品に『プロメテウスの乙女』という小説があります。
この記事では『プロメテウスの乙女』のあらすじと
ここが面白いという見どころについて書きます。
今まで『プロメテウスの乙女』を読んだことがない人や
すでに読んだことがあるという人にも「読みたい」「もう1度読もう」と思っていただけると
幸いですので最後までお付き合いください。
●赤川次郎『プロメテウスの乙女』のあらすじです。
この小説は西暦19XX年にあったかもしれない仮想の日本が舞台です。
小説の中で日本は自国第1主義を掲げ、保守的で平和主義を捨てています。
海外への武器輸出、国民の思想を統一するために秘密警察による
スパイの検挙など今の中国やロシアと同じ閉鎖的で自由な言動が許されない社会になっていました。
国の圧政を改革したい反対勢力は3人の体内に爆弾を仕込んだ女性を首相官邸に送り込みます。
ここまでが『プロメテウスの乙女』のあらすじです。
この小説が発表されたのは1982年だったので作中の日本の姿は近未来として描かれています。
近未来であるはずなのに戦時中の日本に逆戻りしたような世界観が広がっており40年以上経過した今、
読んでも同じ日本とは思えない別世界のような感覚を味わえる小説です。
全編を通して会話文が多いのでドラマの脚本を読んでいるような感覚で
サクサクと読み進める事ができるし、
ストーリーの展開が早いのでこの先はどうなるのだろう?
と最後までハラハラさせられながら楽しめます。
●赤川次郎『プロメテウスの乙女』の見どころ①
*あってもおかしくない未来の日本が描かれていて楽しみながらも現状について考えさせられます。
この小説で描かれている日本は戦時中に戻ったような様子を見せており
今の自由に情報発信や発言ができる状況とは全く異なっていると感じます。
しかし日本を取り巻く環境は大きく変わってきており決して
ありえない未来が描かれているわけではないとも感じます。
実際にこの小説が書かれた40年後の現在もロシアとウクライナは戦争状態にあり
中東でも常に戦闘の気配が漂っています。
日本は平和主義を掲げていますが周辺国の状況によっては
それを手放すのではないかという事も考えられます。
私は平和ボケと言われてしまうかもしれませんが
今の穏やかな生活を送れる日本の暮らしにとても幸福を感じています。
できる事ならこの小説のような日本にはなって欲しくないと考えていますし、
そうならないために自分に何ができるのだろうかと考えるきっかけになるのでぜひ読んで欲しいです。
●赤川次郎『プロメテウスの乙女』の見どころ②
*厳しい状況でも幸せに楽しく生きていこうとする人々のやり取りが面白いです。
この小説の日本では自由な情報発信や言動は許されず処罰の対象になってしまいます。
そんな息苦しいしどこに敵がいるのか分からないような状況においても
人々はいつも通りの日常や楽しそうにやり取りをしている様子が描かれています。
そういった場面を読んでいると「どんな状況であっても人は楽しく幸せに生きようとできるんだ」と
いう力強さや希望が感じられて現実に疲れてしまった時でも頑張ろうと
いう気持ちにしてくれるのでぜひ読んで欲しいです。
●まとめ
ここまで赤川次郎『プロメテウスの乙女』のあらすじと
ここが面白いという見どころについて書きました。
発売から40年以上経っても物語の世界観を楽しめて
それにこれから世界における日本のあり方について考えられるのでぜひ読んでみて欲しいです。