有名な純文学作家の代表作 ~近代編~

純文学は、ファンタジーやSF、推理小説などのいわゆる大衆文学と呼ばれる
「娯楽性」を重視する小説とは違って

芸術性」を重視し、「文学とは何か?」、
文学の在り方」などをテーマとした作品です。

そのため、「難しそう」「読みにくそう」などといったことを
思い浮かべる人も多いかと思います。

しかし、純文学は、読んでみると意外と読みやすいもの、
面白いものも多々あり、大衆文学と大差ないものも多いです。

そこで今回この記事では、有名な純文学作家の作品の特徴、
代表作について紹介したいと思います。

是非最後までご覧ください。

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●作品の特徴と代表作

*宮沢賢治

代表作
銀河鉄道の夜
よだかの星
注文の多い料理店
春と修羅

作品に童話が多いので、幼少期に読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
自然豊かな地で育ったことを反映してか、「自然」がテーマになっている作品がたくさんあります。

作中に出てくる架空の場所「イーハトーヴ」は、
賢治の心の中にある理想郷を表す言葉で、
宮沢賢治の故郷である岩手県がモチーフとなっています。
 

*太宰治

代表作
人間失格
走るメロス
斜陽
女生徒

明るい雰囲気の作品から暗い雰囲気作品まで、作品の幅が広いのが特徴です。

初期の作品は、暗い雰囲気のものが多いですが、
結婚をきっかけに「富嶽百景」や「走れメロス」などの明るい作品が増えていきます。

戦争後には、「斜陽」や「人間失格」などの滅びの美しさを肯定する作品が描かれました。

このように執筆した時期によって作風が違うので
執筆順に読んでいくというのも良いと思います。

*夏目漱石

代表作
こころ
吾輩は猫である
夢十夜
それから

戦前の日本の流派では、余裕派に属していました。

余裕派とは、現実に対して一定の距離をき、
心の余裕を持って物事を考えようということです。

そのため、第三者目線で現実社会を抗議、批難した作品や、
人間を探求した作品などが多いです。

「こころ」は、国語の教科書にも載っているので読んだことのある方も多いのではないでしょうか。

*梶井基次郎

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代表作
檸檬
城のある町にて
冬の日
Kの昇天

心情描写が多く、感覚的な文章が特徴です。

ですので、他の純文学作品と比べると読みやすく感じるかもしれません。

また、短編が多いのも特徴です。

国語の教科書にも載っている「檸檬」が有名ですが、
一般的にそれ以外はあまり知られていないかもしれません。

ですが、その他の作品も面白いので是非読んでみてください。

*森鷗外

代表作
舞姫
高瀬舟

作家としてだけでなく、翻訳家としても活躍していました。

また、西洋文化を日本に取り入れるなどといったこともしていました。

そのため、鷗外の作品は西洋の雰囲気を感じるものが多いです。

*芥川龍之介

代表作
羅生門
芋粥
蜘蛛の糸
地獄変

初期、中期、後期の三期に分けて考えられることが多いです。

初期は「今昔物語集」や「宇治拾遺物語」などの古典の説話を基にした作品が多いです。

後期になると「一塊の土」や「或阿保の一生」など死を意識した作品が増えてきます。
また、短編集が多いのも特徴です。

これは芥川の性格上、長編を書くのが難しかったためだと言われています。

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●まとめ

今回の記事では、有名な純文学作家の作品の特徴と代表作についてまとめました。

純文学は、大衆文学などの小説に比べ、作者の思想が強く表れている小説であると思います。

特に近代の純文学では、流派がありその当時の社会性についても知ることができます。
ですので、近代について知るために小説を読むというのも良いと思います。

純文学は、読みにくいという印象があるかと思いますが、
短編集もあるのであまり身構えずに気になる作品を是非読んでみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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