月光の誘惑という小説ってどんな話?赤川次郎が書いた感動できる名作です!
日本人のミステリー作家に赤川次郎という人がいます。
幼少期から物語を作るのが好きで会社に勤務しながらも
小説を書き続け小説家として生活していくまで有名になった努力家であり、
趣味を仕事にして成功しておられる珍しい人だと思います。
とても創作意欲が高い作家で多い時には年に20冊の小説を発表し面白く、
分かりやすい内容の物が多いので若い世代から年配の世代まで幅広い人達を
楽しませています。
そんな赤川次郎の作品に『月光の誘惑』という小説があります。
この記事ではその『月光の誘惑』のあらすじとここが面白いという
見どころについて書きます。
今まで『月光の誘惑』を読んだ事がないという人やすでに読んだ事が
あるという人が「読みたい」「もう一度読みたい」と思っていただけると
幸いですので最後までお付き合いください。
●赤川次郎『月光の誘惑』のあらすじです。
物語は主人公の女子高校生が生きる事に絶望して自ら命を絶つために
灯台に来たところから始まります。
彼女がその目的を達しようとする前に同じ場所で赤ん坊を残して
若い母親が自ら命を絶ってしまいました。
主人公はその状況に立ち会った事で残された赤ん坊を育てるという
生きる目的を見出して思いとどまりその日から母親代わりとなりました。
それから15年経ち主人公とこの赤ん坊は母娘として平穏な生活を
送っていました。
しかし父親に病気が見つかったり、母親の隠し事が明らかになったりと
家族の関係を揺るがす事件が立て続けに起きて今まで順調に
進んでいた主人公達母娘の関係にも影響が及んでいきます。
ここまでが赤川次郎『月光の誘惑』のあらすじです。
全編を通して会話文が多いのでドラマの脚本を読んでいるような感覚で
サクサクと読み進める事ができるし、ストーリーの展開が早いので
この先はどうなるのだろう?と最後までハラハラさせられながら楽しめます。
●赤川次郎『月光の誘惑』の見どころ①
*特殊な母娘の関係と実際に血の繋がった家族とそれぞれのやり取りから様々な事を考えさせられます。
この小説では奇妙な縁によって全くの他人が母娘になったという状況が
描かれています。
血の繋がっていなくてもそれまで一緒に過ごしてきた体験を通して
強い絆で結ばれた母娘の関係が描かれていて感動します。
それとは逆に血の繋がっている家族との関係がぎくしゃくして
しまっている場面も描かれています。
これらの場面を見比べていると
「家族や自分にとって本当に大切な物とは何なのか?」
「自分がもし主人公と同じ立場にたったらどんな対応をするだろうか?」
と普通に日常生活していては考えない事について見つめ直せるので
ぜひ読んでみて欲しいです。
●赤川次郎『月光の誘惑』の見どころ②
*秘密を抱えたまま生き続ける事のしんどさを強く感じられます。
この小説では実の親ではない女性が他人の子どもを育て秘密を抱えたまま
長い年月が経ってしまいます。
我が子ではなくても赤ん坊の頃から育ててきた事で母親のような
感情を抱いているものの実際には違うし子どもに対して
嘘をつき続けているという罪悪感も一緒に抱えています。
普通の母娘ではありえない関係であるがゆえの悩みやどうしようもなく
沸き起こってくる感情が主人公の言動や行動から伝わってきます。
そのしんどさを感じながらも強く生きていく母娘の姿にとても感動するので
ぜひ読んでみて欲しいです。
●まとめ
ここまで赤川次郎『月光の誘惑』のあらすじとここが面白いという
見どころについて書きました。
「家族とは何なのか?」「本当に大切なものは何なのか?」
普段は考えない事を想像し見つめ直すきっかけになるのでぜひ読んでみて欲しいです。