小説は何を読もうか?太宰治が書いた人間失格のあらすじと伝えたかった事を書きます!

太宰治の小説に『人間失格』というものがあります。

この小説は太宰治の経歴と同じ部分が多く自伝であると同時に
書き上げた後1ヶ月後に自ら命を絶っているため
遺書という2つの意味が込められているとされています。

この記事では小説『人間失格』のあらすじと
太宰治がこの小説を通して伝えたかった事について私の意見を書かせていただきます。

『人間失格』を読んだ事がないという人もすでに読んだ事があるという人にも
「読みたい」と思ってもらえると幸いですので最後までお付き合いください。


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●太宰治の小説『人間失格』のあらすじです。

物語は主人公が自分の幼少期を振り返るところから始まります。

裕福な家の10人目の子どもに生まれた主人公は
幼い頃から大人びた考え方をする子で
自分はたくさんいる家族の中でおかしな存在だと思っている事と
家族の気持ちが理解できない事に恐怖感を覚えていました。

その恐怖感を克服するために彼がとった行動は
わざとおどけて人を笑わせる事、
そして人のいう事におとなしく従うというものでした。

この2つを実行すると
彼は自分の居場所を見出せたのでこの行動を取り続けました。

その結果彼はとても人に好かれる人気者になりましたが、
人の顔色をうかがうばかりで
自分の意見をいう事のできない主体性のない青年へと成長していきました。

そして高等学校への進学のために上京した主人公は
様々な人と出会い影響を受けその主体性のなさゆえに
落ちぶれた道を歩き始める事になります。

ここまでが『人間失格』のあらすじです。

もともと頭が良く、人に好かれる要素と
技術を持った主人公が様々な人と出会い影響を受け
人生の浮き沈みを経験しながらも
そこから何も得られず結局同じ失敗を繰り返していく様子が描かれています。

全体を通して暗い印象の小説なのですが
戦後の累計売上部数は700万部に近く多くの人の注目を集めています。

その理由について私の意見なのですが
主人公ははっきり言ってどうしようもない人物ですが
人の顔色をうかがい、空気を読む事で居場所を作る生き方に
共感できる日本人が多い事が
この小説が広く読まれる要因ではないかと考えています。

私もこの小説を初めて読んだ時には
主人公に嫌悪感を抱いたものの
その生き方には自分と重なるところを感じて恐怖や興奮など様々な感情が湧いて
身震いしたのを覚えています。

好き嫌いが読者によって大きく分かれるとは思うのですが
衝撃的な小説なのは確かです。

●小説『人間失格』で太宰治が伝えたかった事①

*自分が生きていく中でどんな事を感じていたか、自分がどんな人間か伝えたかったと考えています

『人間失格』で太宰治が伝えたかった事について個人的な意見を書きます。

太宰治は短い生涯の中で多くの小説を残し
何人かの女性と関係を持つ波乱万丈な人生を送ってきました。

口で自分の人生を語るには言いたい事が多すぎるし、
聞き手がいる事を意識して話すと本当の自分を出す事ができないと
感じたのではないかと思います。

自分の人生を客観的に見つめ直し
素直に表現するのに小説という表現はうってつけだったのではないかと思います。

そしてこの小説には彼が本当に知ってほしかった自分の事が素直に書かれており
それを読者に伝えたかったのだと考えています。

●小説『人間失格』で太宰治が伝えたかった事②

*「自分のようになるな」という反面教師としてそれとは逆に「素の自分を受け入れて欲しい」その2つの感情を伝えたかったと考えています。

この小説は主人公の幼少期から青年期までが書かれています。

主人公は作中で本当に波乱万丈な人生を送っていますが
実際の年齢はまだ30歳より手前のところで終わっています。

この事から太宰治は「自分のような人生を送るな。人生はやり直せる」という自身を
反面教師とするメッセージを伝えたかったのではないかと思います。

一方で「私はこのような生き方をせざるを得なかったんだ。分かってもらえないか?」
という共感を求めるメッセージも伝えたかったのではないかと思います。

この反発する2つが1つの小説の中に兼ね備えられているところも
この小説が様々な人に注目される理由なのではないかと考えています。

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●まとめ

ここまで太宰治の小説『人間失格』のあらすじと何を伝えたかったのか?
について書きました。

読む人によって様々な受け取り方のできる奥の深い小説ですのでぜひ読んで欲しいです。

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