ブラッド ピットがチベットに滞在する登山家を演じた映画とは何か?
ブラッド ピットがチベットに滞在する登山家を演じた映画が
1997年に公開された『セブン・イヤーズ・イン・チベット』です。
実在のオーストリア人登山家ハインリヒ・ハラーが自身のチベット滞在を記した
『チベットの七年』を脚色して映画化されました。
実在のオーストリア人登山家ハインリヒ・ハラーを演じたのは
ブラッド ピットで、監督は『薔薇の名前』や『スターリングラード』、
『ノートルダム 炎の大聖堂』などで知られるフランス人の
ジャン=ジャック・アノーが務めました。
登山家ハインリヒ・ハラーとチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との
7年間に及ぶ交流を壮大なスケールで描き上げた実話です。
Contents
●1:ブラッド ピットが演じたハインリヒ・ハラーとは?
ブラッド ピットが映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』で演じていたのは
実在の登山家ハインリヒ・ハラーです。
ハラーは1912年7月6日、オーストリアのケルンテン生まれです。
大学で地理学を専攻し、1938年にアイガー北壁の初登頂を成し遂げました。
この成功によって世界第9位の標高を誇るナンガ・パルバット遠征隊への参加を
認められ、ヒマラヤへと赴きます。
1939年、イギリス領パキスタン帝国、現在のパキスタンでヨーロッパへ
帰還するための船を待っている最中、第二次世界大戦の勃発によって敵国民として
抑留されてしまいます。
ヒマラヤに近い収容所へ移されたことを機に脱走し、チベットへ逃れました。
チベットに7年間滞在して、少年時代のダライ・ラマ14世と交流を持ちました。
1952年、自身のチベット滞在とダライ・ラマ14世との交流を記した
『チベットの七年 ダライ・ラマの宮廷に仕えて』を発刊しました。
1955年には『チベットの七年』というタイトルで日本語に翻訳されて
新潮社から出版されました。
1981年には『チベットの七年 ダライ・ラマの宮殿に仕えて』というタイトルで
白水社から出版され、1997年10月に白水社から新装復刊されました。
1997年11月には『セブン・イヤーズ・イン・チベット チベットの七年』という
タイトルで映画公開に合わせて角川文庫から出版されました。
『チベットの七年』の他にも『白い蜘蛛 アイガーの北壁』、
『アイガー北壁の初登攀』などの著書も著した登山家ハインリヒ・ハラーは
2006年1月7日、93歳で亡くなりました。
逝去に際して、少年時代にハインリヒ・ハラーと交流を持ったダライ・ラマ14世は
哀悼の意を表しました。
●2:『セブン・イヤーズ・イン・チベット』上映のボイコットが起きた
ブラッド ピットが実在の登山家を演じ、少年時代のダライ・ラマ14世との交流を
壮大なスケールで描いた映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の上映に
対してボイコット騒動が起きました。
登山家ハインリヒ・ハラーはナチス親衛隊員であり、最終階級は曹長でした。
ナチス・ドイツが行ったオーストリア併合を支持しており、
独裁者アドルフ・ヒトラー個人に対して好意的な手紙を送っていました。
第二次世界大戦後、不問にされていますが、ナチス・ドイツの戦犯追及者である
サイモン・ビーゼンタールによってハインリヒ・ハラーの過去の経歴が
暴露されました。
その影響によって、ユダヤ系団体から映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
上映のボイコット騒動が起きました。
映画の中で、中国人見解放軍の士官が意図的に無礼で傲慢な人物として
描かれていることを中国政府が非難したことで映画は上映禁止とされました。
映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』で主演を務めた
俳優ブラッド ピットは中国支配地域への立ち入りを禁止されましたが、
2016年11月に映画『マリアンヌ』宣伝のために上海を訪れることが許されました。
映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の撮影が行われたのは
アルゼンチンでしたが、ジャン=ジャック・アノー監督は映画公開から2年後、
2名の撮影班がチベットへ入って撮影を行ったことを明かしました。
中国政府の激しい非難に屈せず、ジャン=ジャック・アノー監督はチベットで
撮影された20分ほどの映像を映画に加えています。
撮影はアルゼンチン、チベットに加えてネパールでも行われました。
●3:監督を務めたジャン=ジャック・アノーとは?
ブラッド ピットがチベットに7年間滞在してダライ・ラマ14世と交流した実在の
オーストリア人登山家を演じた映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』で
監督を務めたのはジャン=ジャック・アノーです。
フランス出身の映画監督で、ソルボンヌ大学を卒業した後、フランスの映画学校
「高等映画学院」へ進みます。
1960年代の後半から1970年代にかけて数多くのコマーシャル制作に携わりました。
1976年、監督デビュー作である『ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー』で
第一次世界大戦当時のアフリカを描き、アカデミー外国語映画賞を受賞しました。
その後も『人類創世』、ショーン・コネリー主演のミステリー『薔薇の名前』、
世界的ベストセラーとなった自伝小説を映画化した『愛人/ラマン』、
ジュード・ロウがソ連の実在の狙撃兵を演じた戦争映画『スターリングラード』、『ノートルダム 炎の大聖堂』などでも監督を務めました。
まとめ
ブラッド ピットがチベットに滞在した実在のオーストリア人登山家
ハインリヒ・ハラーを演じた映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』について
解説してきました。
禁断の地と呼ばれていたチベットに7年間滞在し、少年時代のダライ・ラマ14世と
交流する実在のオーストリア人登山家ハインリヒ・ハラーをブラッド ピットが
感情豊かに演じていました。
チベットに入って撮影を敢行したことがわかり、
映画製作に対する情熱を感じました。
中学時代に映画館で鑑賞したことがあり、壮大なスケールで描かれた物語に
圧倒されました。