ピアノ初心者向けの教本、どんな本を選べば良い?
ピアノを弾けるようになりたい…といっても、
ただやみくもに指を動かせば良い、というわけではありません。
ピアノを弾く為には、正しい姿勢や指の置き方、
正しい指使い(運指)や楽譜の読み方など「弾くための技術」を習得する為の「教本」が必要です。
しかし、一口に「教本」と言っても様々あって、何を選べば良いのか分からない…
特にピアノ初心者の方は迷われると思います。
今回は、ピアノ初心者の方が教本選びで失敗しないように、どんな教本を選べば良いのかポイントを解説していきます。
●教室に通う場合
ピアノ教室へ通う場合は、講師がピアノの基本的な弾き方を教えてくれる為、
それに必要な教本を用意してくれるでしょう。
代表的な基礎練習の教本としては、
「バイエル」「ハノン」「バーナム・ピアノテクニック」といった教本があります。
これらの教本は、音符や強弱記号などの楽譜の読み方、運指などを練習する為に用いられます。
また、「バーナム・ピアノテクニック」の場合は、運指の練習のみならず表現方法を学ぶ事にも使われます。
筆者は幼少~中学生まで個人指導のピアノ教室に通いました。
そこでは子供のバイエル上巻から入り、下巻を卒業してからハノン、という流れでした。
そして、子供向けの練習でしたから、練習曲集などの副教本も講師が準備してくれました。
幼児期は子供向けの大きな音符の簡単な楽曲、小学生くらいから、
筆者の場合は、音楽之友社「ピアノの練習ABC」や、
シンコーミュージック「音楽表現者へのピアノ小曲集(バイエル併用)」が使われました。
また、テクニックの本として音楽之友社「ピアノのテクニック」という本が、
練習曲集では「ブルグミュラー」が、小学校高学年くらい?から使われ始めました。
同級生で違う教室に通っていた子達は、これらの本ではなく、ツェルニーやソナチネを使っていました。
筆者が通うピアノ教室では「バーナム・ピアノテクニック」は使われませんでしたが、
運指の練習でありながら曲ごとにタイトルがあり、
かわいらしい棒人間のイラストが曲ごとに描かれその曲が何を意味しているのかを示し、
特に子供に対して練習意欲を持たせる役割があるそうです。
もちろん、大人が基礎練習を行うにも良い教本です。
こうして基礎練習の本は教室で用意されますが、大人向けのピアノ教室ですと、
副教本は自分で準備する場合もあるようです。
初心者で副教本を自分で準備する…と考えるとハードルが高く感じるかもしれませんが、
もし自由に副教本を選べる教室であれば、自分が弾きたい!
と思っている曲が掲載されている楽曲集を用意するのも良いかもしれません。
ブルグミュラーやツェルニーなど、伝統的に使われている練習曲集も良いですが、
今は、クラシックだけでなく、ディズニーやアニソン、ジブリなど
ポピュラーな音楽を初心者向けにアレンジした楽曲集も多くありますので、こうした楽曲集を活用するのも1つの方法だと思います。
自分が弾きたい楽曲の練習に講師がついてくれて弾けるようになる…ピアノを練習するモチベーションが上がりますね!
●独学で学ぶ場合
独学の場合、正しい演奏姿勢や鍵盤への正しい指の置き方、
適切な力の入れ方から自分で習得しなければなりません。
そうした事も取り入れられた独習者向け教本が必須となります。
ただ、姿勢や指の置き方などは、文章だけの説明では分かりづらいもの。
なので、動画DVDがセットされている物や、イラストや写真で解説している
「見て分かりやすい」独習者向け教本を選ぶと良いでしょう。
ヤマハの「ピアノの教科書」はQRコードを読み込んでスマホで動画を見ながら練習が出来る教本。
また同じくヤマハが出している「はじめから1人で学べる 大人のためのピアノレッスン 上巻」はDVD付きで、ピアノレッスンを受けているように学べる教本です。
そして、音符の読み方、強弱記号など楽譜に書かれている様々な
指示記号の読み方や意味、正しい指使い…と習得していきます。
「正しい指使い」を習得する為には、「指番号」が振ってある教本が最適と言えます。
どの音符にどの指をあてるのか「指番号」(左右共通。1:親指、2:人差し指、3:中指、4:薬指、5:小指)で示している為、
指使いに慣れるまではこうした教本を使って正しい指使いを習得しましょう。
「バーナム・ピアノテクニック」のミニブックや導入書、
「バイエル 上巻」の最初の方には指番号が振ってあります。
こうして基礎的な事を練習しつつ、モチベーションアップの為にも、自分が弾きたい曲の練習をしてみましょう。
初心者向けの本を買うのも良いですし、今は1曲だけダウンロード出来るサイトもありますので、
「本として買うのはちょっと…」という方には最適かもしれません。
ただ、いきなり長い曲や大曲だと逆にモチベーションが下がってしまうかもしれませんので、
自分の実力に応じた、又はそれより少しだけレベルが高そうな曲を選ぶと良いかもしれません。
ちなみに筆者は、ピアノ教室に通いつつ自分で個人的に弾いてみたい曲もあったので、
そうした曲を楽器屋さんで売っている「全音ピアノピース」(1曲ごとに販売されている楽譜)で探して1曲ずつ購入し、
レコードに収録されているピアニストさんの真似をして、よく自宅で弾いていたものです。
ちなみにこの「全音ピアノピース」は、全音のサイトからネットで購入出来ます。
●気を付けたいこと
ピアノを始めたての頃は、「弾きたい曲もあるし、頑張るぞ!」とやる気に満ちているでしょう。
しかし、教室に通うにしろ、独学で学ぶにしろ、単調な基礎練習が続いたり、
弾いてみたいと思った曲が意外と難しくてなかなか弾きこなせずやる気をなくしてしまったり…と、つまずいてしまうポイントは少なからずあります。
ですので、初心者でも無理なく弾きこなせて、耳馴染みの深い曲が多く入っている曲集を1冊持っていると、モチベーション持続・アップに良いかもしれません。
ただし、基礎練習をおざなりにして、弾きたい曲だけを弾く…というスタイルになってしまうと、
他に弾きたい曲が出てきた時に指がうまく動かなかったりなど弊害が出てしまいます。
基礎練習は、ピアノ上級者でも指慣らしに必要な物。初心者にはなおさら必要な練習です。
基礎練習を怠ることなく、弾きたい曲を弾きこなせるようにしていきたいですね。
●まとめ
いかがでしたでしょうか。
教本は沢山ありますが、今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ、自分にあったピアノ初心者向けの教本を選んでみて下さい。