ビートルズ生存メンバーの現在。ストーンズ新譜に参加!
伝説のロックバンドであるビートルズ。
その生存メンバーといえばベース担当のポール・マッカートニーとドラム担当のリンゴ・スターだ。
どちらも80代という年齢になっても精力的に音楽活動を継続している。
近年、ポールはザ・ローリングストーンズ18年ぶりのスタジオアルバム「ハックニー・ダイアモンズ」に参加し
「バイト・マイ・ヘッド・オフ」という楽曲でベースを弾いた事で話題になった。
その経緯と魅力について解説したい。
Contents
⚫︎ストーンズはブルースのカバーバンドと発言?
2021年にポールはザ・ニューヨーカーのインタビュー内で「言うべきか迷うが彼らはブルースのカバーバンドだ。
それはストーンズの本質みたいなものだ」という内容を発言。貶したとされて世間では騒ぎになった。
しかし、これは前後の文脈を無視し一部の内容のみを抜粋され誤解を招いてしまっただけらしい。
ストーンズのメンバーであるギタリストのキース・リチャーズには「僕を信じてくれ」とメッセージを送った。
キースは「ポールは素晴らしい奴だ」と雑誌ローリング・ストーンの中で発言している。
ボーカルのミック・ジャガーはストーンズのライブのMCで
「今日はポールが来ている。あとでブルースのカバーを演奏するときに加わるよ」とユニークに皮肉った。
⚫︎ストーンズの新譜「ハックニー・ダイアモンズ」に参加!
昔を辿れば1963年にジョン・レノンとの共作で「彼氏になりたい」という楽曲を提供。
ストーンズのセカンドシングルとして発売され大ヒット。同年にはビートルズもセルフカバーをした。
また1967年には「この世界に愛を」でレノンと共にバックボーカルを担当した。
許可なく共演する事は所属会社との規約違反となるため、
公には発表されず噂話として広まった。
ストーンズとはずっと交友関係にあったポール。
当時ストーンズとビートルズはライバル関係にあったようにも見られていたが、実はメンバー同士は仲が良かったらしい。
それから半世紀近くを経た現在も音楽業界に生存していて互いを意識し合う関係にある。
今回18年ぶりのストーンズの新譜にもゲスト参加している。
⚫︎参加曲はパンクロック?
ポールは2023年に発売されたストーンズの最新作では「バイト・マイ・ヘッド・オフ」という楽曲に参加。
プロデューサーのアンドリュー・ワットの打診により実現した。
同曲はパンクロック調だったのでミックはこの曲はポールの趣味ではないのでは?と思った。
しかしプロデューサーが進めた事とポール自身が選択したことによりレコーディングが開始された。
2021年には長年に渡りドラムを務めたチャーリー・ワッツが他界。
バンド内に生存するオリジナルメンバーはミックとキースのみとなってしまった。
存続が危ぶまれたが盟友スティーブ・ジョーダンがメンバーとして参加しアルバム制作も続行された。
ビートルズとストーンズ。伝説のロックバンドのメンバーによるスタジオ演奏が聴けるのは奇跡的である。
⚫︎ベースで参加!歪んだ音が凄まじい!
参加楽曲「バイト・マイ・ヘッド・オフ」ではボーカルは担当せず、ベース演奏のみ。
パンクロック調の楽曲にファズ・エフェクトがかかったベース音が素晴らしい効果を発揮している。
この特徴的な歪んだ音色はプロデューサーのアンドリューのアイディア。
ビートルズのメンバーだったポールといえばヘフナーのバイオリン・ベースの使用で有名。
既にたくさんのバイオリン・ベースを所有しているポール。アンドリューはあえて同じ形のベースをプレゼントした。
なぜ新しいベースをくれるのだ?と訝しがるポール。アンドリューは追加のスイッチを押してみてくれとお願いした。
実はこのバイオリンベースにはギターテックにより特別な仕掛けが施されていた。
“Univox Super Fuzz“というエフェクト回路が内蔵してあったのだ。
アンプに差し込んでスイッチを押して驚くポール。
後日そのベースを持ってレコーディングスタジオを訪れた。
音を聞いて狙いに気付いたストーンズのメンバーたちはすぐに実行に移しセッションを開始した。
そうして完成した楽曲はポールらしいグルーヴとエネルギーのあるリフや
フレーズが特徴的なサウンドと相まって素晴らしい演奏になっている。
特にイントロや途中のベースソロはファン必聴だ。
ポールは本当に楽しそうにしていたとミックもコメントしている。
まとめ
伝説のロックバンドであるビートルズ。その生存メンバーであり現役のミュージシャンであるポール・マッカトニーと、
同じく伝説であり今も現役のローリングストーンズ。
音楽史上最高の2つのバンドが半世紀以上の歴史を経て再び交差した奇跡。
大ベテランながら少しも衰えておらずエネルギー溢れる演奏とクリエイティブな音楽は人々を驚かせ感動させた。
この夢の共演が実現した「ハックニー・ダイアモンズ」は2023年の音楽界を代表する出来事でありアルバムだと思う。