【歴史トリビア】えっ!?男性も化粧してたの??平安時代の「流行りの化粧」について!
昔から身だしなみや美しさをより引き出す手法として
化粧は行われてきました。
時代ごとの流行りや状況に合わせて使用するものや
手法を変えて現在も当たり前に行われています。
現代においては、男性の化粧やスキンケアも注目されていますが、
今に始まった事ではありません。
平安時代に化粧は男性も行っていたのです。
今回は、平安時代の流行りの化粧と男性の化粧事情についてご紹介します。
Contents
●平安時代の流行りの化粧について
平安時代は、天皇や貴族を中心とした時代で遣唐使の廃止もあり、
元々の中国から得た文化と日本独特の文化が融合した
華やかな文化が発展した時代です。
絢爛豪華な十二単に代表されるファッションや長い垂髪のヘアスタイル、
女性の化粧に関しても独特の発展を遂げていきます。
*平安時代の化粧について
平安時代の化粧は、
テレビドラマや再現VTRで良く見る「〇〇でおじゃる」と
言っている人をイメージして頂くと、何となく分かってもらえるかと思います。
顔は白粉(おしろい)で真っ白。眉毛はなく、
額に引かれた殿上眉(でんじょうまゆ)のみ。
笑うとお歯黒で口の中は真っ黒。
唇と頬を紅で赤く染めると宮中女子の出来上がりです。
現代的に見れば異様とも言える化粧ですが、
意味やメリットも以外にありました。
白粉を厚く塗る
美人=白い肌という価値観が貴族の中で定着しており、
中国の文化の影響も強かったようです。
また、労働などで日焼けしていない白い肌は高貴な身分の象徴で
あったとも言われています。
現在は美が加わり「美白」と言いますが、
今も昔も白い肌は人気が高いですね。
殿上眉とは
感情が現れやすいパーツである眉を全て抜いて、
高貴な雰囲気を保つ為に額に書くようになったと言われています。
学生時代に眉毛を捕捉し過ぎて、眉毛で顔の雰囲気が変わると
良く先生に怒られましたが、
殿上眉であったらどんな風に言われていたのでしょうか。
反応が気になります。
お歯黒とは
上流階級では成人する際に五倍子粉(ふしのこ)と
お歯黒水を使って歯を黒くするという通過儀礼だったようです。
また、お歯黒にはメリットもあり、
虫歯や歯槽膿漏(しそうのうろう)の予防にも繋がるという報告もあります。
歯を黒く染める事には衝撃を覚えますが、
ある意味男性陣には高齢期まで歯を維持する為におすすめかもしれまんね。
このように薄い口紅や頬紅も含めて平安時代は、
赤、白、黒といった色が好まれ化粧にも使われていたようです。
そして、男性においても化粧のやり方は同じでした。
*平安時代の流行りの化粧を男性も行っていた
平安時代の男性の化粧は、平安時代の後期に行われていたと言われています。
女性と同様に白粉を厚く塗り、
眉も殿上眉でお歯黒をしていました。
身だしなみの一部として、むしろ上流階級の権威を示す為の
一つの表現になっていたようです。
眉においては顔を大きく見せる為の効果であったと言われ、
出来るだけ小顔に見せたい現代とは真逆の発想ですね。
平安時代に生まれたかったです。
*平安時代の武士も化粧をしていた
化粧は、男らしいイメージのある武士においても流行っていました。
平安時代後期は、武家の平氏が栄えた時代です。
武士と言っても当時の平氏は、都で貴族のような生活をしていました。
その為、貴族同様に武士も白粉、殿上眉、お歯黒が3点セットだったようです。
源平合戦の際の平氏の武士を描いた絵が現在も残されていますが、
見事な殿上眉とお歯黒がはっきりと描かれています。
ちなみに同じ武家の源氏は、
ノーメイクのすっぴん男子をキープしていたようです。
●平安時代のその他の流行り
平安時代の化粧については男性・女性問わず同じ流行りを追っていました。
ファッションや化粧などで赤・白・黒と割と
はっきりとした色が好まれた背景には、平安時代特有の文化が影響していました。
平安時代の文化の一つで寝殿造りという屋敷の作りがありました。
寝殿造りは光が入りにくく昼間でも部屋の中が薄暗くなり、
夜は薄明り灯る程度で会った為さらに部屋の中は暗くなっていました。
そうした背景からはっきりとした色が好まれていたのです。
*五感を刺激するお香の流行
平安時代は寝殿造りのうす暗い部屋に加え、
他人に合う時顔を扇で隠すなどして自分の容姿を隠す事も
マナーとなっていました。
その為、個性を出す術としてお香が流行したのです。
薫物(たきもの)と言われ、沈香や白壇といった香本に丁子(ちょうじ)や
麝香(じゃこう)の粉末と蜂蜜や梅酢、炭粉を練り合わせて作ったものを焚いて、香りを楽しんでいたようです。
良い香りを焚き臭覚を刺激して、
平安時代の化粧をした男性と女性が愛の言葉を
囁き合っていたのかもしれませんね。
お洒落な時代です。
●まとめ
平安時代の流行った化粧は、
・白粉、殿上眉、お歯黒、薄い口紅と頬紅が流行していた。
・男性においても平安時代後期に同様に流行っていた。
・ファッションやヘアスタイルと同様に身だしなみの一部で美しさだけでなく権威を示す
ものでもあった。
・その他、お香も流行っていた。
平安時代の化粧や男性と女性の流行りの文化を見ていくと
現代と根本は変わらない気がします。
根本的な所は、平安時代も現代も
「相手に良く思われたい」「キレイな自分でいたい」などで、
自分の表現方法の一部になっている気がします。
現代においても美白など女性の美への関心は高いままです。
また、昨今は男性の美への関心も高まっており、
化粧だけでなくスキンケアなどにも力を入れている男性は年々増加しています。
脱毛サロンなど男性を対象にした業種も増加しています。
だまだ化粧に対する抵抗がある男性も多いと思います。
まずはお歯黒からではなく、
手軽なスキンケアなどから取り組んでみるのも良いのではないでしょうか。