【噂の検証】東京 mer は「原作なし」の完全オリジナル！秀逸すぎる脚本の秘密
zaku0909「TOKYO MER～走る緊急救命室～」は2021年夏のドラマです。
近年の医療ドラマの中でもすばらしいストーリー設定とキャラクターで人気を博し、
第109回ドラマアカデミー賞も受賞した大ヒットドラマです。
さらに主演の鈴木亮平さんは主演男優賞、助演男優賞に賀来賢人さんと助演女優賞に菜々緒さん、
監督賞も4名の制作陣が名を連ねるという大快挙を成し遂げたのです。
医療ドラマといえば「Dr.コトー診療所」「コウノトリ」など、
人気漫画が原作のドラマも多いのですが、
「コードブルー～ドクターヘリ緊急救命～」や「アンナチュラル」など原作のない、
オリジナル作品にもヒット作品がたくさんあります。
東京merもまた原作なしの完全オリジナルドラマです。
いったいどのように作られたドラマなのでしょうか。
●東京merはこうして生まれた
2021年といえば2020年世界中に蔓延しはじめたコロナウィルスの変異株が猛威をふるい、
重篤患者や死者が出てパンデミックとなりました。
医療機関や保健所の激務や緊張感は長期化し、世の中すべてが疲弊していました。
TBSプロデューサー高橋氏によると『あの絶望的な状況を乗り越え、
我々が今日も日常を生きていけるのは医療従事者の皆さんが
その職務と責務を全うしてくださった事も要因のひとつである。
（中略）リスペクトとエールを込めたドラマを作る事で感謝の意を表したい
（引用元「劇場版TOKYO MER ～走る緊急救命室～」プロダクションノートより）』
という思いで企画に至ったとの事です。
東京merの脚本は黒岩勉さんという方です。
「世にも奇妙な物語」で脚本家デビューし、
代表作に「LierGame（原作は漫画）」シリーズや「僕のヤバイ妻」「グランメゾン東京」などがあります（Wikipedia調べ）。
登場キャラクターが立っていて、ハラハラドキドキする展開が得意なイメージの脚本家さんなので、
初めての医療ドラマという事で発表の時からかなり期待がもてました。
●原作がないからこその丁寧さ
東京merの脚本制作には、当然ながら病院や医療機関はじめ
レスキュー隊や消防士、警察機動隊や政府危機管理室など人命救助を行う様々な組織において
監修や資料提供が行われたとの事で、
それぞれの衣装や演技も現場のリアリティーがきちんと反映されている気がします。
現場に立ち会う組織同士は同じ目的にもかかわらず、
自分の役目を果たすために時には対立したり、けん制しあったりします。
実際の救助の現場でもさまざまな指示系統が混在するため、
なかなか救助がスムーズに行えないシーンがありました。
そこには救命救助に限らず、どんな仕事の現場でも起こり得るような
組織ごとの統括・管轄元の違いによる相容れなさやジレンマがあり、
「そんな事言い合ってないで早く助けてあげて！」
と彼らに共鳴し、夢中になってしまうのです。
ビジネスパーソンなら誰にでも起こりうる心の葛藤やくやしさの中、
自分の職務をやりとげたいという気持ちをとても熱く描いています。
また、喜多見と元妻で東京海浜病院の脳外科医の高輪千晶が徐々に雪解けしていく雰囲気や、
音羽と涼香の淡い恋、冬木や蔵前の子育てシーンなどもとってつけたような演出ではなく、
とてもさりげなくハートフルです。
そういったシーンごとの丁寧な描写が
東京人物を魅力的に生き生きさせているのです。
●さいごに
原作作品のないドラマの企画制作において難しいことはやはり0から物語を生み出す事ですよね。
原作がある作品は、原作者がこつこつと時間をかけて生み出した人物や設定が土台となっています。
原作者のファンは「この役者さんはまさにこのキャラクターのイメージにぴったり！」など
ハマった時はうれしくなりますし、ドラマで初めてその作品を知る人は原作を手に取るきっかけとなります。
今回お話した東京merについては原作のないドラマです。
しかし「医療従事者へ感謝とリスペクトを！」という思いのもと、
制作陣や携わった医療関係者他の専門家たちの経験を終結して作られています。
このドラマが現場で頑張っている多くの人たちを励ましてくれていたとしたなら、
東京merの原作とは「すべての働く人たちの生活や思い」なのではないでしょうか。
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