【元トリマー監修】猫がトイレで寝るのは病気が原因??お家の子は大丈夫ですか??
みなさんは猫がトイレで寝る姿を見たことがありますか。
なぜトイレで寝ているんだろう、
そんなにトイレが好きなの?
と思いますよね。
実はこの行動、病気が隠れている可能性もあるんです。
どんな病気が考えられるのか、一つ一つご説明していきます。
あなたの猫ちゃんは大丈夫かチェックしてみてください。
・猫がトイレで寝るのはなんで?
まず、猫がなぜトイレで寝るのかを考えていこうと思います。
猫がトイレで寝ているからといって
一概に病気と決めつけることはできません。
なぜなら、病気ではなくただ単にトイレで寝るのが好きだからという子もいるからです。
とっても変わり者ですよね!
猫砂の匂いが好きだったり、寝心地がよかったり、
狭くて落ち着くからという理由もあるようですね。
では、病気かもしれないサインの見分け方には
どんなものがあるのでしょうか。
・病気のサイン
猫がトイレで寝るという行動の他にも、以下の行動があれば注意が必要です。
⑵トイレの中で唸るような声を発している
⑶トイレ以外のところで排泄する
⑷トイレで何度も排泄の格好をするがなにも出ていない
全てに共通することは「尿路系の病気が隠れている可能性がある」ということです。
尿路系というのは、腎臓、尿管、膀胱、尿道という
おしっこを作って排泄するための臓器を指します。
・尿路系の病気とは?
代表的な尿路系の病気では「膀胱炎」が挙げられます。
人間の病気でも膀胱炎はよく聞きますよね。
猫も同様に膀胱炎になります。膀胱炎にも「細菌性」と「突発性」があります。
「細菌性」とは文字通り、細菌感染が原因で膀胱が炎症を起こします。
「突発性」は聞き慣れない単語かと思いますが、
急に発症するという意味になります。
猫の場合は、この突発性の膀胱炎が多く発生します。
はっきりとした原因はわかっておらず、
一因としてはストレスからくる膀胱炎が多いと考えられています。
「細菌性」「突発性」共に症状は同じです。
先ほどお伝えした《病気のサイン》の一つでも当てはまったら、
まずは膀胱炎を疑ってください。
膀胱炎になった方はわかると思いますが、頻尿になったり、
残尿感が続いたり、排尿時に痛みがあったりします。
猫もこのような経験をしていると思うと一刻も早く治してあげたいですよね。
膀胱炎は一度発症すると、再発のしやすい病気です。
症状が出たら必ず動物病院へ連れていき、
獣医師の指示通りしっかりと最後まで治療をしてあげてください。
尿路系の病気で大変なのが「尿道結石」と「腎臓病」です。
尿路結石は雄がなりやすい病気で、膀胱内でできてしまった結石が尿道へ侵入し
途中で詰まってしまう病気です。
例えるならホースの中で石が詰まって水が流れないという状態です。
実はおしっこが1-2日出ないと命にも関わります。
「何度もトイレに行くのに何も出ていない」
「排尿ポーズをしているのに数滴しかおしっこが出ない」
というサインがあればすぐに動物病院へ。
この詰まっている状態が長く続いてしまうと、
おしっこを作っている「腎臓」にも影響が出てきます。
腎臓は一度病気になると完全に治ることはありません。
なので、日頃からちゃんとおしっこが出ているかも
チェックしてあげてください。
先ほどお伝えした「腎臓病」はおしっこが詰まっていなくてもなる病気でもあります。
何かしらの原因で腎臓の機能に障害が出てしまう病気です。
腎臓に障害が出ると、おしっこを作る機能にも問題が出てきます。
おしっこは体の毒素(老廃物)を出すという役割もあるため
「おしっこが作られない=毒素が体に溜まっていく」と思ってください。
こうなると、どんどん具合が悪くなり、食欲不振や嘔吐、
痩せてくる、脱水症状が出てきます。
脱水症状になるとたくさんお水を飲むのにおしっこが少ない
(または出ていない)という状態になってきます。
腎臓病にも「急性腎臓病」と「慢性腎臓病」があり、
「急性」の場合は最悪2-3日でなくなってしまうこともあります。
腎臓病になると入院や通院で点滴をして体の水分を補い、
体の毒素を出しながら腎臓の機能を助けてあげる治療になります。
腎臓病は完治する病気ではないので、
一生のお付き合いとなります。
・まとめ
猫がトイレで寝るということについて、病気の観点から解説いたしました。
今回は「おしっこ」に視点をおきましたが、
もちろん「うんち」に関わる病気もありますので、
それはまたの機会にお話しいたします。
おしっこなんて毎日するものだし、
そんなに気にしていなかったという方も多かったのではないでしょうか?
しかし、猫の健康チェックにはおしっこが出ているかの確認は
欠かせない要素なんです。
好んでトイレで寝ているだけなら全く問題なのですが、
なんらかの原因でトイレから出れないなんてこともありますので、
常日頃からトイレのチェック(排泄)をし、少しでも異常を感じたら、
早めに動物病院へ行くようにしましょう。