「救急病棟24時」でユースケ・サンタマリアさんは、救命医・澤井を演じた。クールな医局長の描いた未来予想図は?
「救命病棟 24時」は、フジテレビの人気医療ドラマです。
ユースケ・サンタマリアさんが演じるのは救命医・澤井悦司です。
熱い救命医、江口 洋介さんが演じる進藤先生と対立します。
対立の理由は考え方の違い。
誰でも何人でも全力で助けたい進藤先生に対して
澤井先生はホットラインで受け入れる患者の制限をすべきだと考えています。
澤井先生の考えはどんなものでしょう?
Contents
●ドラマの背景
実際の出来事です。
2009年3月末、鳥取県米子市の鳥取大学医学部附属病院の救命救急センターで、
教授と准教授を含めて救急専門医4人が一斉に辞めてしまいました。
彼らは、心身の疲労などを訴え「救急現場の窮状を知ってほしい」という願いで行動されたのだと思います。
「救命病棟 24時」第4シリーズは、この出来事を元に作られたようです。
放送直前のスペシャルドラマでは、
鳥取大で救急センターの立て直しに成功された本間正人医師のインタビューも放送されています。
●第4シリーズのキャッチコピーは、「医療を、救命せよ」テーマは「救命医療の崩壊」
ある日突然、救命医全員が辞めてしまった救命センター。
残ったのは看護師たちだけです。
そこにアフリカから戻った進藤先生が着任します。
消防本部からの救急車専用電話、通称ホットラインで受け入れを頼まれると、
スタッフ不足にも関わらず、全員受け入れます。
その結果、現場は混乱してしまいます。
そこで、ユースケ・サンタマリアさんが演じる澤井医局長が
受け入れを制限するように言います。
しかし、熱い男・進藤医師は納得できません。
当時は、新型コロナ感染が猛威をふるうずっと前です。
医師の働き方より、人生を投げ出してまで立ち向かう熱い救命医に、
心を寄せる人が多かったと思われます。
その状況で、澤井先生を演じるユースケ・サンタマリアさんが、
冷静にしかも情熱をもって、語ってくれます。
鳥取大学付属病院で起こった一斉辞職が特別なことではなく、
多くの医療機関でも起こる可能性のあることだとわかりやすく伝えてくれました。
●澤井先生の考え
医師不足による過重労働はダメだと思っています。
救急車の患者を受け入れる病院がなく患者がたらい回しになるのも医療訴訟、
医療ミスが起こるのも、日本の救急医療の仕組みに原因があると言います。
「もし、救急医療の診療点数が上がれば、
病院は利益のために救急医療に人材を投入する」と考えているのです。
医師を裁判で訴えた患者遺族に対しては、
「お話を聞かせてください」と病院に誘い、現場を見せます。
そこで、患者のたらい回しが起こるほど余裕のない現場を見せます。
やっと受け入れた病院の医師を裁判で訴えるのではなく、
この国の救急医療の仕組みを恨むべきだと伝えます。
その結果、その遺族は告訴を取り下げました。
●澤井先生役ユースケ・サンタマリアさんのしびれる名セリフ
医療ミスとして訴えられている小島先生に
「小島先生こそ救命医療の犠牲者です。使命感の強い意志ほど訴訟リスクは高い」
進藤先生に
「先生のやり方が通じていたのは、運が良かったから。そうじゃありませんか?」
まとめ
新しい法律ができました。
「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」です。
2021年に公布されました。2024年4月から医師の働き方が変わろうとしています。
これは、ユースケ・サンタマリアさんの熱演で多くの人が現状を知ったからかもしれません。
2009年8月に放送が開始され2024年4月から医師の働き方が変わるということです。
15年かかりました。
今こそ、ユースケ・サンタマリアさんにインタビューをしてほしいです。
フジテレビさん、お願いします。
「救急病棟24時」でユースケ・サンタマリアさんは、救命医・澤井を演じました。
クールな医局長の描いた未来予想図は、ゆっくり動き始めたようです。