diorの歴史 日本で愛される高級ファッションブランドの確立

ブランドがいつの時代にも、どの世代からも愛され憧れを
持たれるのは、なぜでしょうか。

デザイン性や質の高さ、職人の技などブランドを
ブランドたらしめるものは多々ありますが、
伝統・歴史といったストーリー性にも大きな要因があるといえます。

伝統と流行を織り混ぜながら進化し続けてきた歴史と物語があるからこそ
ブランドの信頼性や価値を一層、高めているのです。

今回は服飾・香水・コスメ・バッグや皮革製品・ジュエリーなど
多岐にわたり展開するフランスの有名なファッションブランド、

diorの歴史という視点からファッション界に与えた影響と
その魅力をお伝えしていきたいと思います!

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●創始者クリスチャン・ディオール

diorの創始者であるクリスチャン・ディオールは1905年にフランス北部の
ノルマンディー地方に生まれます。

外交官の両親の意向でフランスのパリ政治学院で学びましたが、
本人は芸術に興味があったようで、アーティストの仲間たちと
ギャラリーを解説するなどして友好を深めました。

1946年、クリスチャン・ディオールの才能を評価した実業家の
マルセル・ブサックの援助を受け、フランス パリ モンテニュー通り30番地に
クリスチャン ディオール オートクチュール メゾン」を創設します。

現在香水やコスメなど多岐に渡るブランド展開をしているdiorは、
オートクチュールから歴史が始まっているのですね。

その翌年、パリコレクションで発表したラインは
ニュールックと呼ばれて流行しました。

その後、毎年「コロール(花冠)・ライン」「8(エイト)ライン」など
新しいラインを発表し続け、diorは1950年代のファッションをリードしていきます。

しかしクリスチャン・ディオールはブランドを創立した12年後、
53歳という若さでこの世を去ります。

その後はイヴ・サンローランをはじめとする6人のデザイナーに支えられ、
2016年には初の女性クリエイディブ・ディレクターが就任し、
女性の社会的地位向上をテーマとして現在も新たな流行を作り出しています。

●ニュールックがファッション界に与えた影響


1948年にクリスチャン・ディオールがパリコレで発表したラインは、
ウエストをコルセットで締めた曲線的な優しいラインに、
裾広がりのボリュームのあるスカートを合わせた女性的な
Aラインのシルエットを特徴としていました。

これは第二次世界大戦頃に流行していた、いかり肩に
短いタイト・スカートというミリタリー調の服飾正反対のデザインと言え、
戦時中の耐乏的で制約的なファッションからの解放であり、平和の象徴ともされました。

このように、ニュールックは「戦後」のファッションを覆すような革命と言われ、
大きな流行を作り出しました。

一方でこの女性らしさを強調するdiorのラインは
フランスを代表するデザイナーであるココ・シャネルの「女性の解放」という理念と
相反するものとなり、度々比較されることになります。

ファッションというものは、社会的な背景や他の理念を掲げるブランドなど、
さまざまなものに大きな影響を受けて歴史を紡ぎ、変化していることがよくわかりますね。

●日本における高級ブランドの概念の確立

フランス語で高級な仕立て・縫製という意味であるオートクチュールは、
顧客特注の仕立服のことを指します。

オートクチュールからその歴史が始まったdiorは、1953年、
日本で始めてとなる海外ブランドとの連携を百貨店である大丸と独占契約を結びます。

他の百貨店も同様に、パリの高級ブランドと次々と契約し、
パリのクチュリエたちとの提携することで、洋装の歴史が浅い
当時の日本の技術力の向上にも大きく貢献しました。

このように、1950年代に海外の高級服がオートクチュールとして
日本に流入したことで、今で言う「高級ブランド」の概念が作られました。

diorが日本に高級ブランドの概念を初めて持ってきたとは驚きですね。

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●まとめ

diorは1946年、「クリスチャン ディオール オートクチュール メゾン」の創設から
始まり、翌年の初コレクションで発表したラインはニュールックと呼ばれ、
戦時中という時代に逆行したその特徴は新たな流行を生み出す革新的なものでした。

以降毎年新たなラインを発表し、
1950年代のフランスのファッションをリードしていきました。

また、日本に高級ブランドの概念を確立させ、
日本の洋装技術を向上させていきました。

現在定番となっている全てのファッションにはルーツがあり、
それらは全て社会的な背景と密接に絡み合ったトレンドから始まっています。

こうした歴史や伝統を持つブランドは、現代もなお多くの人々に愛され、
高い価値を持ち続けながら日々進化しているのですね。

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