80年代SF映画ベスト5~あの映画からカルト映画まで~

今回は、1980年代を代表するSF映画ベスト5について様々な情報をご紹介します。

1980年代、それは世界中で特殊メイクが流行し、多くの名作ホラー映画や
SF映画が多く誕生した映画史で観てもかなり特殊な時代でした。

今回はそんな特殊メイクの黄金時代に製作されたSF映画のなかでも、
伝説的な名作から現在は少数のファンに根強く愛されているカルト的作品まで
その多くをご紹介していきたいと思います。

今回、紹介する作品の中で「あの作品がない!」といったような批判などが
存在するかとは思いますが、ご了承のほどお願いします。


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80年代SF映画ベスト1ロボコップ


1987年に製作された「ロボコップは、1980年代を代表するSF映画の一つとして
君臨しています。

本作は元々低予算B級映画でしたが、並み居る作品を打ちのめし
興行収入5300万ドルを超える大ヒットを確立しました。

あらすじは、以下のようになっています。

全米最悪の犯罪都市「デトロイト」、そこはオムニ社と呼ばれる大企業に
市政をまるごと買収されていました。

当然デトロイト市警もオムニ社に買収されていました。

そんなデトロイト市警に一人の男が転勤してきました。

彼はジョン・マーフィー巡査、若く正義感の強いマーフィーは、
さっそく銀行強盗に遭遇、彼らを追いかけますが、なんと強盗団の罠にはまり、
片手を奪われるといったリンチと拷問を受けたあげく惨殺されます。

しかし、彼の死体はその後、オムニ社の「ロボコップ計画」の被験者となり、
彼はサイボーグ警官ロボコップとしてよみがえるのでした。

たちまち、ロボコップは街の人気者になりますが、徐々にマーフィーは以前の
相棒であった同僚の女刑事と遭遇したり、自分の命を奪った強盗団を
みつけたことで、記憶を取り戻していきます。

やがて、記憶を取り戻した彼は強盗団とその背後にいるオムニ社の重役の陰謀に
立ち向かっていくのでした。

本作はオランダの巨匠ポール・バーホーベンによって製作されました。

しかしバーホーベンは「こんな子供だましの映画に俺を使うな!」と激怒、
当初は断ろうとしましたが、妻のマルティーヌ・バーホーベンが脚本を読むと感動、

「あなたこの映画を受けた方がいいわよ」と助言され、改めて読み直すと
そのシナリオに驚愕したことで本作の映画化に関わりました。

バーホーベンらしい毒が随所にみられるものの、同年代のSFアクション映画の
数々を比較しても本作はやはり比べ物にならない色気を持っていました。

その後、続編が製作されて行きますが、この第一作を超えるほどの映画は
できていません。

そこはやはり、バーホーベンがオランダを代表する巨匠であるというところも
あるかもしれません。

バーホーベン曰く「ロボコップは未来社会のイエス・キリスト」と称し、
随所に宗教らしいモチーフも多くされています。

また、主人公のロボコップだけではなく強盗団のリーダーである凶悪無比の
クラレンス・ボディガーの憎々しい演技も素晴らしく、
まさしくバットマンに対するジョーカーのような存在として君臨しています。

ロボコップがキリストであるなら、クラレンスはサタンそのものです。

そんな本作は、現在でも高い人気を誇り、2023年秋には同作を題材にしたゲームも
発売されています。

80年代SF映画ベスト2プレデター


1987年にシュワちゃんこと、
アーノルド・シュワルツェネッガー主演で製作されたSF映画「プレデター」。

本作は、当時脂がのりに乗っていたシュワちゃん主演で製作されたこともあり、
若き頃のシュワちゃんのパワフルなアクションを多く堪能することができます。

本作のあらすじは、シュワちゃん演じるダッチ大佐率いる米軍の特殊部隊が
南米でのミッションに参加します。

このミッションは簡単に終わるものの、その後突然何者かの襲撃により
隊員の一人が命を落とします。

当初は怯えるダッチたちでしたが、次第にこの敵を追いかけていくと、
蛍光色状の体液を流していることを発見。

この敵が宇宙から来た生命体であることがわかります。

次第にダッチ以外の隊員は全滅。

一人だけ残ったダッチは、罠を仕掛け敵である『プレデター』を追い詰め、
一騎討血を始めます。

果たして、勝つのは誰か。

本作は、姿の見えない敵に次々殺されて行くというコンセプトで
描かれていますが、これは当時まで記憶に新しかったベトナム戦争での
米軍兵士が苦戦したベトコンゲリラをある種モチーフとして描かれています。

1954年の「初代ゴジラ」におけるゴジラが原爆東京大空襲といったアメリカの
強大で破壊的な軍事力の象徴であれば、本作に登場する宇宙人プレデターは
何をするかわからない不気味なベトコンゲリラ戦士の象徴であると言っても
過言ではないでしょう。

また本作は宇宙人に対抗する人間キャラも魅力的なキャラが多く、
シュワちゃん扮する主人公のダッチは、寡黙で常に冷静であるものの任務に
対しては忠実な有能なエキスパートです。

このダッチの造形はシュワちゃんの代表作の一つ「コマンドー」を強く
意識していることがわかりますね。

また、それ以外にもダッチの旧友でありながら何かを隠している
CIAのディロンには、「ロッキー」シリーズでスタローン扮するロッキーの
ライバル・親友であるアポロを演じたカール・ウェザースが起用されました。

次に、ダッチ大佐の部下で、狂暴だけど仲間想いの兵士ブレイン役にアメリカの
プロレス団体AWAで活躍し、後に政治家になったプロレスラーの
ジェシー・ベンチュラが起用されました。

本作は今でも強い人気があり、1980年代を代表するSF映画として
その存在感をみせています。

80年代SF映画ベスト3エイリアン2


1986年に公開されたジェームズ・キャメロン監督の「エイリアン2」。
前作はゴシックホラー調でしたが、本作では一風変わり戦争映画となっています。

前作で、何とか生存した主人公リプリー、彼女は親会社であったウェイランド社に
救出されますが、再びウェイランド社によってエイリアンの住んでいる惑星に
送られます。

なんと60年近くも時が過ぎており、報告がされないままエイリアンの住んでいる
惑星に多くの労働者とその家族が入植していたのでした。

リプリーは宇宙に展開しているアメリカ海兵隊とウェイランド社の重役とともに、
惑星に向かいますが、そこはすでに時が遅く虐殺の末に一人の少女を残して、
ほぼ全員が全滅していました。

そして、彼ら海兵隊たちも次々に犠牲となっていきました。

そこにはウェイランド社の邪悪な陰謀があったのでした。

というのが本作のあらすじでした。

本作は先ほどのプレデター同様、「姿の見えない敵に襲われる米軍」という物を
徹底して描き、さらにプレデターとは違い集団で雲霞のように迫ってくるという
部分も見せています。

これは「ベトナム戦争」だけではなく「朝鮮戦争」における人民解放軍などが
そのモチーフとなっていることがわかります。

そんな本作ですが、エンターテイメントとしても面白くラストはなんと
怪獣バトルまであるという至れり尽くせりな内容になっています。

エイリアンシリーズといえば、本作をあげる人も多くおり、
今でも高い人気を博していることがわかります。

80年代SF映画ベスト4ゼイリブ


1988年に製作されたSF映画「ゼイリブ」は、ジョン・カーペンター監督による
カルト的な人気を誇るSF映画となっています。

本作の主人公はなんとホームレスです。
ホームレスのネイダはある日、大都会にやってきます。
そこでは貧富の差が別れ、富裕層もいる一方でホームレスも多くいました。

そんな中、ナダはとあるホームレスの集会と、それを鎮圧する警察の集会を目撃、
ホームレスの集会が、サングラスを置いていったことに気づき、軽い気持ちで
それをつけて、街をうろつきます。

すると、ナダの目には富裕層の人間の正体がみえました。
彼らは何と宇宙人で、地球人は宇宙人にいいように利用されて生きていたのです。

ナダはこの支配を解くために彼らに反抗を決意、友人であった黒人のフランクに
無理矢理サングラスをつけて、仲間に加えます。

二人はエイリアンたちのアジトがTV局にあると気付くと、TV局を襲撃、数多くの
エイリアンを虐殺しながら、彼らの正体を隠す電波がTV塔の上にあることに
気が付きます。

果たして二人は真実を世間に公表できるのでしょうか。

本作は反ユダヤ系やQアノン系といった数多くの陰謀論者に聖典として
崇められていますが、監督のジョン・カーペンターはそういった政治的意図は
本作にはないと説明して、あくまで、企業家や資本主義が力を持ちすぎることに
警告を送りたかった
のだと語ります。

また本作の主人公を務めたロディ・パイパーはアメリカの
プロレス団体WWF(現WWE)に所属していたレスラーということもあり、
本作には10分以上もサングラスをかけるかかけないかで殴り合いを行う
というシーンもありました。

パイパー自身は実はあまり大したことのないミッドカード用のレスラーでしたが、
本作のヒットが原因で一気に人気者になりました。

80年代SF映画ベスト5未来世紀ブラジル


1984年に製作されたSF映画「未来世紀ブラジル」は、
テリー・ギリアム監督によって製作されました。

ギリアム監督が作った本作は、暗黒の官僚主義・管理主義社会に転じた
未来の国を舞台に、主人公の冴えない公務員の男がとある事情から、
政府の陰謀に巻き込まれてしまうことをコミカルにダークに描いた
ブラックコメディとなっています。

主人公のサムは管理主義社会の国家で働く中年の公務員でした、
ある日彼はテロの首謀者と間違えて貧困層の家族の父親が殺された事件の証拠を
上司の命令の元に削除しようとします。

サムはこの仕事の帰り際、この事件の一部始終を目撃した家族の隣人の
女性の抗議を目にします。

その女性に一目ぼれしたサムは、彼女について調べていく内に彼女が
反政府テロ組織と関係のある女性と知り、彼女の心を勝ち取るために様々な
情報を提供しようとします。

しかし、次第にサムは政府機関からテロリストとみなされお尋ね者となります。

最終的にサムは政府に捕まり、ロボトミーを受けて廃人となってしまうのでした。

何と救われないオチの本作。

しかし、本作はテリー・ギリアム監督らしく随所に「夢か現実か」といったような
曖昧な映像が続いています。

そもそも本作自身、ロボトミー手術を受ける事のみが現実で、
それ以外は全て妄想・夢ではないかとも想像できます。

どこから現実でどこから妄想かわからない、そんな曖昧な本作ですが、
カルト的なファンは多く現在でもカルト映画として愛されています。

ちなみに本作は北米公開時はそのダークなオチに映画の配給会社や試写会で
クレームが続出し、強制的にスタジオの手によりハッピーエンドに
書き加えられます
が、ギリアム監督は激怒、後に完全版を出し、
現在では多くの配信サイトやレンタルDVDで普及しているのは
この完全版の方になっています。

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まとめ

今回は、1980年代のSF映画の中でベスト5を決めました。
今回分かったことをまとめると以下のようになります。

・80年代SF映画ベスト1のロボコップは後にゲーム化も多くされた名作
・80年代SF映画ベスト2のプレデターはシュワちゃんの映画最高傑作とも称されている
・80年代SF映画ベスト3のエイリアン2はジェームズ・キャメロンの野心作
・80年代SF映画ベスト4はカルト映画のゼイリブ
・80年代SF映画ベスト5はテリー・ギリアムの出世作

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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