12モンキーズの様々なトリビア 元ネタの解説など!

90年代に製作され、現在でもカルト的人気を集めている
SFサスペンス映画「12モンキーズ」。

本作はブルース・ウィリスやブラッド・ピットなどが出演した事で、大きな話題を集め日本でも大ヒットを記録しました。

そんな「12モンキーズ」ですが、
実は、数々のトリビアが残されています。

果たして、「12モンキーズ」のトリビアとは
一体どんなものなのでしょうか。

また、「12モンキーズ」の元ネタなどについてもご紹介しますので、最後までお楽しみください。

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12モンキーズのトリビア①本作には元ネタがある

12モンキーズは実は複数の作品の影響を強く受けた作品として、
多くの話題を集めています。

まず一つ目は、1962年に製作されたフランス映画
ラ・ジュテ」です。

「ラ・ジュテ」は1960年代に多く行われたフランスのアート映画
「ヌーベルバーグ」の一つであるといわれています。

この「ラ・ジュテ」は、第三次大戦の影響で地下に逃げ延びた
人類の間で「支配者」「奴隷」の二階級に別れて生活している中、

「支配者」がひっ迫したエネルギーや薬品などを求めて、
「奴隷」を過去や未来に送りながらタイムトラベル装置に
連れ込むというデストピアな世界を舞台にした作品となっています。

主人公の男はタイムトラベルを「支配者」に強要されている
「奴隷」で、子供のころにみた空港で撃たれる男と
それを見る美女の光景を強く覚えており、

通常の「奴隷」は死ぬか狂うかの二択しかないタイムトラベルにも
順応することができました。

やがて、彼は過去にタイムトラベルすることで、
とある女性と接触して、愛し合う仲になります。

主人公は今度は未来社会に飛ぶと、
そこで未来人からエネルギーをもらいます。

未来人は高い科学力を持っていたことから、
彼らもタイムトラベルすることが可能でした。

未来人に気に入られた主人公は、
このまま未来社会にいたほうがいいと説得されますが、
女がどうしても忘れられなかった彼は
過去社会に逃げることにします。

主人公は、女に会うために空港にいきますが、
そこには『支配者』の追手がいました。

追手に殺された主人公はその時、
この光景は過去の自分が見ていた回想であったことに
気づき死んでいくのでした。

あらすじも冒頭オチは確かに「ラ・ジュテ」そのものでしたが、
本作は超能力を持った未来人が出てくるなど
「12モンキーズ」とは違う部分も多くあります。

そして、「ラ・ジュテ」と並びもう一つの元ネタではないか
といわれているのが、

1960年代にアメリカで放映されたSFドラマシリーズ
「アウターリミッツ」の「生まれてこなかった男」でした。

本作の内容が以下のようなものでした。

宇宙飛行士のランドンはある日、宇宙を飛行中時空を超えて、
未来の地球にやってきてしまいます。

ランドンは未来社会に生きる超能力が使えるミュータントと遭遇、

ミュータントから
この地球は科学者が散布したウィルスによって滅びる
と宣告され、

ランドンはミュータントの一人であったアンドロとともに、
過去を改変するために時空を逆走して過去の地球にいこうとします。

しかし、突如逆走する際に「時空の歪」と呼ばれる現象に襲わて、
ランドンは突如消滅、アンドロのみが生き残ってしまいます。

ランドンは死にますが、
何とか過去の地球にやってくることには成功。

アンドロは自身の醜い見た目を隠すため超能力で
自分の見た目を変え、人類の破滅を産んでしまう科学者を探し、
その母親となる女性と接触します。

この女性とアンドロは恋に落ちると、
そのまま逃避行を行い宇宙船を使い、未来社会に逃げようとします。

しかし、途中で「時空の歪み」に襲われたアンドロは
その時気が付きました。

世界が滅んだ世界線からきた、
アンドロがいた世界線は消えてしまったのです。

結果的に彼は世界を救うことには成功したものの、
自身の存在そのものすらも消してしまっていた。

アンドロはうめき声をあげ消えていくと、告げます。

「俺は『生まれてこなかった男』になってしまったんだ。」

女性は消えるアンドロを観て悲鳴をあげ、
ただ一人宇宙船に残されていくのでした。

この話を書いたのは後にSF作家として
「世界の中心で愛を叫んだけもの」
などを書く小説家のハーラン・エリスンでした。

エリスンはアメリカSF界の父ともいわれており、
多くの作品を生み、現在でも慕われています。

12モンキーズとは、過去にタイムスリップして女性と
愛し合うものの、その先に破滅が待っていたという部分では
似ています。

まさに、「12モンキーズ」は「ラ・ジュテ」と
「生まれてこなかった男」を複合した作品である
といっても過言ではないでしょう。

12モンキーズのトリビア②監督はゴジラをやるはずだった

12モンキーズの監督、テリー・ギリアムは
1980年代~1990年代のハリウッドやイギリス映画界で活躍した
鬼才であり、「未来世紀ブラジル」や「バロン」、
「フィッシャー・キング」といったような映画を製作しています。

そんなテリー・ギリアムですが、
1998年に公開されたローランド・エメリッヒ監督による
日本のゴジラの映画化作品である「GODZILLA」の監督の
候補者の一人として制作当時は名前がありました。

結局この企画は「スピード」などで有名なヤン・デボン
うつってしまい、テリー・ギリアムはこの企画を
得ることができませんでした。

テリー・ギリアムがなぜ、ハリウッドの大作の
オファーを受けることができたのかというと、

この当時、テリー・ギリアム監督はハリウッドの大物であった
ワインスタイン兄弟と関係が深くあり、
様々な企画を通してもらうように協力をしてもらいました。

あのジブリの宮崎駿氏すらもワインスタイン氏の威光がなければ
世界的地位を確立できなかったといわれていることから、
ワインスタイン氏の影響力が当時は強かったことがうかがえます。

結果的に別の方が監督をすることになりましたが、
もしも仮にローランド・エメリッヒ監督ではなく
テリー・ギリアム監督のゴジラが実現していたとしたら、
どのような内容になっていたのか気になりますね。

12モンキーズのトリビア③ブラピが精神病院に入院した

「12モンキーズ」にはブラッド・ピット扮する興味深いキャラの
ジェフリーが登場します。

現代社会にタイムスリップしたコールがうっかり出会ったのが
このジェフリーで、ジェフリーは精神に異常があるとされ、
精神病院に監禁されていました。

当初ジェフリーは、すべての諸悪の根源であったのではないかと
思われていましたが、次第に探査をしていく内に
ジェフリーは世界の崩壊に何の影響もなかったことが把握。

いわゆるミスリード的なキャラクターであったのです。

本作でこのパラノイアのジェフリーを演じた
ブラッド・ピットはその演技力を高く評価され、
その当時のゴールデングローブ賞助演男優賞を獲得することに
成功しました。

演技の際にブラッド・ピットは実際に役作りのために、
精神病院に入院をして、そこにいる患者の多くから

その言動をコピー、本作のジェフリーというキャラクターの
モチーフにしたといわれています。

この入院はあくまで演劇の研究のためで、
実際にブラッド・ピットの精神がやんでしまったから
というわけではありません。

いずれにせよ、こういった体当たり的な演技もできるから
ブラッド・ピットは才能があるのです。

12モンキーズのトリビア④エンディングに流れる曲は名曲

「12モンキーズ」のエンディングには、
ジャズの巨匠ルイ・アームストロングが歌う
このすばらしき世界」がバックで流れます。

この曲は現代社会にやってきたコールがカーラジオで
うっかり聞いた際にその曲のすばらしさについて感動し、
現代社会への移住を真剣に考えようとします。

実はこの曲は1967年に発表された曲であり、
この曲は日本をはじめ世界中で大ヒットしました。

当時はベトナム戦争で揺れていたアメリカ社会などの影響から、
反戦ソングではないかともいわれています。

近畿を代表する歌手である故・やしきたかじんは、
テレビで目撃したこの曲をバックに流れるベトナム戦争の映像を
みて、大きなトラウマを負ったことをTVで語っていました。

しかしながら、本作を歌った歌手のルイ・アームストロングは
本作について、1970年に発表された再録音レコードの中で
以下のようなイントロをつけています。

「若者がわしに聞いてくるんだ。
『なんでこの素晴らしき世界なんて名前なんだ。この世界には戦争・飢餓・災害・環境汚染と悲惨なことばかりじゃあないか。それでもこの世界は素晴らしいのかい?』

とな。でも、まあ、老いぼれの話を聞いてくれや。
わしは世界そのものはそこまで悪くはないと思うんだ。

だが、人間がそんな世界にしていることが悪いってんだよ。

俺が言いてえのは、世界にもっとチャンスがあるなら、
その素晴らしさにみんな気が作ってことなんだ。

愛だよ、愛。それが秘訣だ。みんながもっと愛し合えばよ、
多くのことが解決する。

そんで世界は素晴らしいものになるのさ。
だからこのジジイは歌うんだ。」

戦争だけではなく、自然災害や差別
あらゆるネガティブな物ばかり見続けては
世界のすばらしさに気が付かないという曲であったのです。

ちなみに、この曲が12モンキーズのエンディングテーマとして
使用されたことには大きなわけがあります。

この曲は無意識的にコール自身が、
病気と差別であふれた閉塞的な未来社会ではなく
現代社会を好むことになったのは、そこには自由があったから、

また彼を愛してくれるヒロインがいたから、
そして幼少期に家族と過ごした思い出の場所であるから
ということになります。

不器用で多くをしゃべらないコールにとって、
この曲は彼の心の中に隠された愛や未練を表現していたのでした。

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まとめ

今回は、12モンキーズにまつわる複数のトリビアについてご紹介しました。
今回わかった情報をまとめると以下のようになりました。

・12モンキーズには「ラ・ジュテ」と「生まれてこなかった男」が元ネタにある。
・12モンキーズの監督であるテリー・ギリアム監督はハリウッド版「ゴジラ」をやるはずだった。
・12モンキーズでブラッド・ピットは精神病の男を演じるにあたり、精神病院に入院して演技の勉強をした。
・12モンキーズのエンディング曲「この素晴らしき世界」はジャズ史に残る最高傑作のひとつ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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