歴史の70年サイクルとは? 社会を支配する制度や価値観は真逆な変化を繰り返す!

歴史は繰り返す」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。

これはローマの歴史家クルチュウス=ルーフスの言葉で、
過去に起こったことは、同じようにその後の時代にも繰り返し起こるという意味で、
ことわざとしても使われます。

身近に言えば一個人にも言えることで、
人は同じ失敗を重ねながら少しずつ前に進んでいきますよね。

さて、この繰り返される歴史ですが、周期性を持っているということは、
多様な軸や視点から様々な人物によって提唱・考察されています。

そのサイクルは近代史から見て30年・40年ごとに変化しているとも、
文明史から見て400年ごとに転換期を迎えているともいわれています。

今回は近代日本では、社会の中心軸が大きく真逆に進むという歴史を
70年周期で繰り返している、という歴史の70年サイクルについて、
過去の2回の転換期から現代に予想される社会変容をまとめたいと思います。

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●第一転換期 明治維新(1875年頃)


近代日本における1回目の歴史の70年のサイクルの転換期は明治維新と言われています。

1600年から続いた江戸幕府は1867年、政権を朝廷に返す大政奉還を行い、
新幕府と旧幕府軍の争いである戊辰戦争を経て江戸幕府が滅亡しました。

1868年、新政府が誕生し、近代国家になるため明治維新と呼ばれる
多くの改革を行ないます。

新政府は、版籍奉還によって、藩の土地と民衆を政府に返すように命じ、
中央集権国家を目指しました。

また、地方制度を見直しのため廃藩置県を行ない、
各県に県知事を任命して治めさせました。

また士農工商といった身分制度を廃止し、四民平等を掲げました。

明治政府は富国強兵のため学制(学校制度による教育の義務)、
兵制(兵役の義務)、税制(土地に対する納税の義務)を行いました。

このように江戸幕府の滅亡から明治政府が誕生したことにより、
近代化に向けて封建社会から民主主義へ、武家社会から平民主義へ、
地方分権から中央集権国家へと社会の中心軸が大きく真逆に触れたと言えるでしょう。

●第二転換期 大戦の終了(1945年頃)


近代日本における2回目の70年のサイクルの転換期は大戦の終了です。

ヨーロッパ、アジア、太平洋でくり広げられた同盟国と連合国の戦争は
次第に連合国側が優勢となり、広島・長崎へ原爆が投下され、
ポツダム宣言により1945年8月15日に日本は降伏を決め、第二次世界大戦は終了しました。

敗戦国となった日本は、植民地を失い、アメリカを主とする連合国軍の占領下となり、
連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が置かれました。

GHQは日本の非軍事化と民主化を進め、戦後改革を行ないました。

民主化を進めるために国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つを
基本原理とする日本国憲法を制定しました。

また、経済面では、日本経済の実権をにぎっていた財閥を解体し、
労働者を保護する労働組合法や労働基準法を制定されました。

このように、世界大戦とその終戦を経て、植民地主義や軍国主義としてきた大日本帝国は
消滅し、財閥が解体と労働基準法により資本主義が発達し、
民主主義的・平和主義へと時代の転換点を迎えました。

●第三転換期 (2015年頃)


敗戦を経験した日本は経済的な豊かさを追求し続け、
経済大国として高度経済成長を遂げてきました。

そしてバブル経済崩壊後、リーマンショックなどの低迷期を経て、
さらに10年が経ったというのが戦後70年となる超低金利時代の現代に
3回目の歴史のサイクルを迎えます。

資本主義を基盤とした経済至上主義の大量生産・大量消費の時代は崩壊し、
経済的な豊かさが幸福と結びつくという価値観が変容してきています

これまでの2回の70年のサイクルで消滅した社会を支配した絶対的な存在は、
江戸時代の封建社会の武士やお殿様、大戦時の大日本帝国の軍国主義の軍人でした。

次のこの現代に消滅するであろうものは低金利時代の経済至上主義の
資本家であろうということが予想されます

これらの消失から次に生まれる社会の基本となるものは、
労働者と使用者という上下関係ではなく、対等な関係でビジネスが結びつき、
ひとりひとりがよりよく働く「働き方改革」によって
多様性のある経済社会が基盤になるのではないかと言われています。

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●まとめ

近代国家の日本における社会制度の変化について、いかがでしたでしょうか。

江戸幕府の滅亡から新政府により、武士が中心の封建社会から
四民平等の民主主義が掲げられ、廃藩置県により中央集権国家となりました。

世界大戦での敗戦を経て、植民地主義の大日本帝国は消滅し、
日本はGHQの非軍事化や日本国憲法による民主化によって
軍国主義から平和主義へと変わりました。

このように、社会を支配していたこれまでの仕組みは歴史の中で
大きな転換点を迎えては破壊され、正反対の新たに制度や価値観を創造してきました。

この破壊と創造の周期は明治維新からみて70年サイクルで訪れており、
戦後70年となる現代、労使関係の経済至上主義は崩壊し、
パートナーシップによる対等な経済活動と働き方改革による
多様性のある経済社会が予想されるでしょう。

ぜひこの歴史から次の70年後の社会の変化も予想したいですね。

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