映画の評価は「文句なしの傑作!」 サスペンスの決定版『逃亡者』を徹底解剖!

ニューヨークタイムズから「文句なしの傑作!」と評価を受けた
逃亡者』はハリソン・フォードが主演を務めた1993年公開のサスペンス映画です。

映画『逃亡者』で、ハリソン・フォード演じる外科医キンブルを執拗に
追跡する連邦保安官補ジェラードを演じたトミー・リー・ジョーンズは
アカデミー助演男優賞を受賞しました。

バスの落下事故、列車事故、ダムへのフリーフォールと迫力満点のシーンに加え、
緊迫感あふれる演出とハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズによる
完璧な演技も見逃すことができないです。

妻殺害の真犯人を捜し出す著名な外科医キンブル、
キンブルを追う連邦保安官補ジェラードが繰り広げる決死の逃亡と
追跡劇がスリリングに展開していきます。


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●1:映画『逃亡者』の気になるストーリーは?

シカゴ記念病院に務める著名な外科医リチャード・キンブルは緊急手術を終えて
自宅に帰宅したところ、妻ヘレンが何者かによって殺害されていました。

警察署で事情聴取を受けたキンブルは「片腕の男」と格闘し、
妻ヘレンはその男に殺されたと主張します。

しかし、ヘレンが警察へ通報した時の通話記録からリチャードは
妻殺害の犯人として逮捕されてしまうのです。

起訴されたキンブルは裁判の結果、非情にも薬物注射による
死刑判決を下されてしまいます。

収監先へバスで護送される途中で他の囚人が事件を起こし、
それに乗じてキンブルは脱走します。

愛する妻ヘレンを殺害した真犯人を見つけるために決死の逃亡を開始する
キンブルにサミュエル・ジェラード連邦保安官補の執拗な追跡が
迫ってくるのでした。

●2:人気テレビドラマを映画にリメイク

映画『逃亡者』は人気テレビドラマの映画化作品です。

テレビ版『逃亡者』は1963年から1967年までアメリカで放送され、
最終回の視聴率は50パーセントを記録しました。

4シーズン30話ずつ、合計120話で構成されているテレビドラマで、
妻殺害の罪を着せられた医師リチャード・キンブルが警察の追跡を
くぐり抜けながら妻を殺害した真犯人を捜し出す内容です。

病人や怪我をした人がいる場合には医師として治療を施したり、
単純労働に従事したりする姿が描かれています。

一方の映画版ではハリソン・フォード演じる外科医キンブルが
決死の逃亡を続けながら妻殺害の真犯人を捜し出す姿がスリリングに
描かれています。

決死の逃亡を続ける姿だけではなく、片腕の男に関する情報を得るために訪れた
病院で少年の命が助かるように医師として手を差し伸べる姿は胸を打ちます。

テレビドラマ『逃亡者』はアメリカ国内だけではなく日本でも放送されました。

1964年5月16日から1967年9月2日まで放送されて人気となり、
最終話が放送された際には街から人が消えたと言われています。

テレビ版『逃亡者』は1954年7月4日にアメリカ・オハイオ州クリーブランドで
実際に発生した「サム・シェパード事件」が基になっています。

医師サミュエル・シェパードが妻マリリンを殺害した容疑で警察に逮捕され、
裁判で終身刑の判決を受けます。

シェパードの父親は病死、母親は事件のショックを受けて拳銃で自ら命を
絶ってしまいます。

医師が妻を殺害したという事件はマスメディアで大きく取り上げられ、
書籍化されたことでテレビドラマにも関心が向けられ、
驚異的な視聴率を叩き出しました。

1966年に再審が行われた結果、サミュエル・シェパードに無罪判決が下され、
刑務所から釈放されました。

釈放されたサミュエル・シェパードは医師として再び働き始めますが、
周囲からは疑いの目を向けられていたために患者が訪れることはありませんでした。

医師として生活ができないことからサミュエル・シェパードはアルコールと
薬物に溺れ、金銭苦からプロレスラーに転身しますが、
1970年4月6日に肝不全によって46歳で亡くなりました。

事件に対する高い関心から高い視聴率を記録したテレビドラマ『逃亡者』ですが、
サミュエル・シェパードが無罪判決を受けたことを理由に国民の関心は
瞬く間に薄れていき、ドラマは放送打ち切りが決定しました。

サミュエル・シェパード事件の真犯人として、シェパード宅の清掃を行っていた
リチャード・エバーリングという名の男が浮上してきました。

シェパードの独り息子で、偏見にさらされながら伯父に育てられた
サム・リースは事件の証拠に対し、
当時は存在していなかったDNA鑑定を求めました。

証拠に残されたDNAがエバーリング本人と一致し、エバーリング本人は
「自分がサミュエル・シェパード事件の真犯人」、と語っていたと言われています。

サム・リースは父親の無実を証明するために裁判を起こしましたが、
新たな証拠が出なかったことで真相は未だ謎に包まれています。

●3:映画『逃亡者』の舞台である大都市シカゴ

映画『逃亡者』の舞台である大都市シカゴはアメリカ中西部イリノイ州に
位置しています。

ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ人口を持つアメリカ3大都市のひとつであり、
「風の街」と呼ばれています。

映画『逃亡者』の舞台となっているだけではなく、
実在のギャングであるアル・カポネと財務省特別捜査官の戦いを描いた映画
『アンタッチャブル』、消防士となった兄弟の確執と絆を描いた映画
『バックドラフト』の舞台にもなっています。

トム・ハンクスとポール・ニューマンという2大オスカー俳優が共演した感動作
『ロード・トゥ・パーディション』にもシカゴが登場しています。

正義と悪の定義を根本から覆した映画『ダークナイト』の撮影もシカゴで行われ、
シカゴ商品取引所のビルがスクリーンに映し出されています。

映画『逃亡者』の他にもシカゴが舞台になっている映画を
探してみてはいかがでしょうか。

●4:オスカー女優ジュリアン・ムーアが医師役で出演している

ハリソン・フォードが主演を務めた映画『逃亡者』にオスカー女優
ジュリアン・ムーアが医師アン・イーストマン役として出演しています。

ハリソン・フォード演じる逃走中の外科医キンブルが清掃員に扮し、
「片腕の男」の情報を求めて訪れた病院に勤務する医師をジュリアン・ムーアが
演じています。

ジュリアン・ムーアはアメリカ・ノースカロライナ州出身で、
2014年公開の映画『アリスのままで』で若年性アルツハイマー病に冒された
言語学者を演じ、第87回アカデミー賞主演女優賞を受賞しました。

『逃亡者』の他にも『暗殺者』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、
『ことの終わり』、『シッピング・ニュース』、『エデンより彼方に』、
『めぐりあう時間たち』、『シングルマン』などの映画にも出演しています。

2014年公開の映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』でカンヌ国際映画祭女優賞、
2002年公開の映画『エデンより彼方に』でベネツィア国際映画祭女優賞、
2003年公開の映画『めぐりあう時間たち』でベルリン国際映画祭銀熊賞
(女優賞)を受賞し、世界3大映画際全の女優賞を制覇しました。

映画『逃亡者』ではハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズと共演する
シーンがありますが、有名俳優相手に堂々たる演技を披露していて
オスカー女優の威厳を感じさせられます。

●5:シカゴ出身の映画監督がメガホンを握った

映画『逃亡者』で監督を務めたのはアンドリュー・デイビスで、
映画『逃亡者』の舞台であるアメリカ・イリノイ州シカゴ出身です。

イリノイ大学を卒業後にカメラマンとして映画業界へ入り、
1978年にミュージカル映画で初めて映画監督としてメガホンを握りました。

1985年に監督を務めた映画『野獣捜査線』でアクション映画を手掛け、
1988年にはスティーブン・セガールの主演作にしてデビュー作でもある
『刑事ニコ/法の死角』で監督を務め、ヒットを記録しました。

1989年にはトミー・リー・ジョーンズ、ジーン・ハックマンが主演を務めた
映画『ザ・パッケージ/暴かれた陰謀』でサスペンス映画を手掛けました。

スティーブン・セガールとトミー・リー・ジョーンズと再びタッグを組んだ
1992年の映画『沈黙の戦艦』が「海上版ダイ・ハード」として評価され、
ヒットを記録し、翌年1993年には出身地であるシカゴを舞台にした映画
『逃亡者』で監督を務めました。

圧巻の列車脱線事故とダムへのフリーフォールシーンに加え、
追う者と追われる者との間に生まれる緊張感に満ちたサスペンスを盛り込んだ
映画『逃亡者』はニューヨークタイムズから「文句なしの傑作!」という
高い評価を得ました。

映画『ザ・パッケージ/暴かれた陰謀』と『沈黙の戦艦』に続いてアンドリュー・デイビス監督はトミー・リー・ジョーンズを映画『逃亡者』に起用しました。

映画『逃亡者』で決死の逃亡を続ける著名な外科医を執拗に追跡するサミュエル・ジェラード連邦保安官補を演じたトミー・リー・ジョーンズにアカデミー助演男優賞受賞に導きました。

キアヌ・リーブスが『スピード』に続いて命懸けのアクションを披露した
サスペンス・アクション『チェーン・リアクション』、

アーノルド・シュワルツェネッガー主演を務めた『コラテラル・ダメージ』、
アメリカ沿岸警備隊を題材にした『守護神』などでも監督を務めています。

●6:アカデミー賞作品賞にノミネートされた

エンジン全開、ハラハラ、ドキドキのストーリー展開が魅力のサスペンス映画
『逃亡者』は「文句なしの傑作!」と評価され、
第66回アカデミー賞で作品賞にノミネートされました。

1990年公開の映画『ゴースト/ニューヨークの幻』でアカデミー助演女優賞を
受賞したウーピー・ゴールドバーグが司会を務めた第66回アカデミー賞で
『逃亡者』の他に作品賞にノミネートされた映画は『シンドラーのリスト』、
『ピアノ・レッスン』、『日の名残り』、『父の祈りを』です。

口が利けない女性がピアノを介して恋に身を焦がす姿を描いた文学的な香りを
持つ『ピアノ・レッスン』、仕事に忠実な執事と彼が愛した1人の女性との
繊細な関係を重厚な演出で描いた『日の名残り』がノミネートされていました。

また、残虐なナチスドイツの虐殺からユダヤ人1200人を救い出した実業家を描いた
実録映画『シンドラーのリスト』と実際に発生した冤罪事件を題材にした
『父の祈りを』という実話を基にした作品もノミネートされていました。

映画『逃亡者』は作品賞にノミネートされた4作品の中ではアクションと
サスペンスを織り交ぜた唯一の娯楽作という印象がありました。

自身もユダヤ人の血を引くスティーブン・スピルバーグが監督を務めた映画
『シンドラーのリスト』がアカデミー作品賞を受賞し、
スピルバーグ自身は作品賞に加えて監督賞も受賞しました。

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まとめ

映画の評価は「文句なしの傑作!」であるハリソン・フォード主演の
サスペンス・アクションの決定版『逃亡者』について解説してきました。

第66回アカデミー賞で作品賞と助演男優賞にノミネートされ、
連邦保安官補を演じたトミー・リー・ジョーンズが助演男優賞するという
快挙を成し遂げました。

妻殺害の無実の罪を着せられた著名な外科医が護送中の事故に乗じて脱走し、
決死の逃亡を繰り広げながら真犯人を捜し出していくスリリングな
ストーリー展開に手に汗を握ります。

ハリソン・フォード演じる外科医キンブルとトミー・リー・ジョーンズ演じる
連邦保安官補ジェラードの間に生まれる追う者と追われる者との緊張感で
オープニングからエンディングまであっという間に鑑賞できます。

映画の基になったテレビドラマも鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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