太宰治の女性徒ってどんな小説?あらすじと見どころについて解説!

日本の有名な小説家の1人に太宰治という人がいます。

有名な作品に『人間失格』『走れメロス』『斜陽』などがあり38年という短い生涯の中で多くの小説を生み出しています。長編小説の他にも有名な短編小説の中に『女性徒』という話があります。

この記事ではこの『女性徒』のあらすじとここが面白いという見どころについて書きます。

これまで『女性徒』は読んだ事がないという人やすでに読んでいる
という人が「読んでみたい」「もう1度読もう」そう思っていただけると
幸いですので最後までお付き合いください。

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●太宰治の短編小説『女性徒』のあらすじです。

この小説は14歳~17歳の女性が日常生活で感じた事を日記形式で
書いたものです。

朝起きた時に鏡で自分の顔を見る時の憂鬱や両親に対する愛憎が
合わさった気持ちなど複雑で繊細な思春期の少女が感じた事が書かれています。

また通学中のシーンや学校の授業、放課後に友達と寄り道した事など
ごく当たり前の日常生活が描かれています。

●太宰治の短編小説『女性徒』のここが面白い①

*思春期らしい繊細で激しい感情の動きがリアルに描かれていて面白いです。

この小説では女性徒がごく普通の日常生活を送っている様子と
その時々に感じた事が書かれています。

こうして聞くとただの日記のようで面白くなさそうに聞こえるかも
しれないです。

しかしこの小説では女性徒の内心がユーモラスに描かれていて面白いし、
とても丁寧に見ている景色や感情が描写されているので物語の世界に
どっぷりと入れて面白いです。

例えば他者を攻撃的に見てしまう感情とそんな自分を客観的に見つめなおして
自己嫌悪したり、こういう人間になりたいという願望を持ったりするシーンが
あります。

主人公の過激な思考やそこから冷静な感情へと移り変わる様子が
とても丁寧に描かれています。

そのため主人公と読者自身に一体感が生まれやすく物語の世界に
どっぷりと入り込める感覚が味わえてとても面白いです。

私が特に面白いしリアルだと感じた感情表現が
「友人は私の事を親友だと思っているが私はそれほど
仲が良いと思ってはいない」というシーンを読んだ時です。

「こういう気持ち分かるなぁ」と思いつつも
「嫌われるから絶対に本人にも他の友人にも知られたくないだろうなぁ」と
感じて主人公と自分が秘密を共有している感覚が味わえました。

この感覚は小説で読んでいるからこそ味わえたものだと思うので
ぜひ皆様にも読んでいただきたいです。

●太宰治の短編小説『女性徒』のここが面白い②

*全世代の女性が共感したり、懐かしんだりできるところが魅力的です。

この小説は今から80年程前に書かれているので描かれている景色には
共感できないかもしれません。

しかしその中で主人公が感じている気持ちは今の女性にも
通じるところがあるし共感できるのではないかと考えています。

例えば通学中に見かけた化粧の濃い年上の女性を醜いと嫌悪しつつも周りから
見れば自分も醜いかもしれないと考えてしまったり、
友人との距離感やお互いの気持ちに温度差を感じていたりしています。

こういった気持ちは現在を生きている女性も考えたり、感じたり、
悩んだりしているのではないでしょうか?

この小説で描かれている心理は人間の根本的なものだと思うので
80年という時間差や今、女性徒である若い人が共感し、
昔そうだった年配の人が懐かしく感じられると思います。

そんな様々な壁を越えて楽しめる小説ですのでぜひ読んで欲しいです。

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●まとめ

ここまで太宰治の短編小説『女性徒』のあらすじとここが
面白いという見どころについて書きました。

ありきたりな日常の風景ですがとても丁寧に描写されているので
どんな状況なのかイメージしやすく、
また主人公におおいに共感できて楽しめる小説ですのでぜひ読んで欲しいです。

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