太宰治が書いたカチカチ山ってどんな話?そのあらすじと見どころや教訓について解説!

日本の有名な小説家の1人に太宰治という人がいます。

有名な作品に『人間失格』『走れメロス』『斜陽』などがあり
38年という短い生涯の中で多くの小説を生み出しています。

そんな太宰治が書いた小説の中に誰もが知っているおとぎ話を
リメイクしたものがあるのを知っていますか?

その小説は『お伽草紙』という短編集です。

この『お伽草紙』では『浦島太郎』や『舌切り雀』など4つのおとぎ話を
リメイクした短編が収録されています。

この記事ではこの4編の中から『カチカチ山』のあらすじと見どころ、
そしておとぎ話らしくこの話を通して太宰治が伝えたかった
教訓について書きます。

今まで太宰治の『カチカチ山』を読んだ事がないという人やすでに
読んだ事があるという人が「読んでみたい」「もう一度読みたい」と
思っていただけると幸いですので最後までお付き合いください。

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●太宰治が書いた『カチカチ山』のあらすじです。

物語は山でお爺さんが狸を捕まえて家まで持ち帰ったところから始まります。
2人は狸鍋にしようと準備をしていましたがお婆さんが1人になったところで
狸は彼女を騙します。

そしてその結果お婆さんは命を落としてしまいます。

山に逃げ帰った狸は前から恋をしていた兎に自分がいかにうまくお婆さんを
騙して逃げてきたかという自慢話をします。

しかし兎はこの老夫婦に可愛がられていたので狸の話を聞いて
「あなたは私の敵だ」とはっきりと決別します。

このような言葉を浴びせられても兎の事が好きな狸は兎の仕返しでさえも
自分を好きになってもらえるチャンスと考えてアプローチしていきます。

そして狸は皆様が子どもの頃に聞いた話と同様に手ひどい目にあわされます。

ここまでが太宰治の『カチカチ山』のあらすじです。狸が兎に対して
片思いをしていてその気持ちをいいようにもてあそびながら
兎が見事に仕返しをする様子は懐かしくも感じられますが
斬新な発想にも感じられます。

●太宰治が書いた『カチカチ山』のここが面白い

*おとぎ話の『カチカチ山』と同じような展開なのに全く違った見方ができて面白いです。

おとぎ話では悪さした狸を兎が退治するという話の流れになっています。
太宰治の『カチカチ山』もこの流れは同じなのですが
狸に同情してしまうような書かれ方がされていて同じ事実を伝えていても
全く違った見方ができるのがとても面白いです。

それを可能にしているのは狸が兎に片思いをしているという要素が
追加されているからです。

この要素が加わる事で狸の行動は兎に対する愛情表現になるのですが
どれほど頑張っても報われない状況には同情してしまいます。

このように悪者であったはずの狸に同情しここまでの仕打ちを
受けなくてもいいのではないか

という気持ちにさせられて同じ事実が語られているのに
おとぎ話とは違った見え方になるのが面白いです。

●太宰治が『カチカチ山』を通して伝えたかった事は何か?

この『カチカチ山』を通して太宰治が伝えたかった教訓は具体的にいうと
年上の男性が若い女性に恋をする時には注意しなければいけないという事です。

「恋愛は惚れた方が負け」という言葉もありますが
実際に惚れた方は弱みを握られているのと同じようなものだと考えています。

太宰治は女性関係が派手で自分が女性を振り回す人間だったと思うのですが
そんな慣れた人でも「女性に惚れる時には気を付けなければいけない」と
伝えているのですからとても重みがある教訓に感じられます。

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●まとめ

ここまで太宰治が書いた『カチカチ山』のあらすじとここが面白いという
見どころについて書きました。

大まかな流れが同じでも少し追加の設定を加えたり、
変化を加える事で昔から聞いてきたおとぎ話とは全く違った見方ができて
面白いのでぜひ読んで欲しいです。

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