ブルース ウィリスが主演を務めた映画『ジャッカル』について徹底解説

ブルース ウィリスが主演を務めた映画が
1997年に公開された『ジャッカル』です。

ジャッカルという呼び名だけ知られる正体不明の暗殺者が
チェチェン・マフィアのボスからアメリカ要人の依頼を高額の報酬で依頼されます。

FBIはロシア内務省と合同でジャッカルによる要人暗殺を阻止するために、
元IRAのスナイパーでアメリカの刑務所に服役しているデクラン・マルクイーンに
減刑と交換で協力を依頼するのでした。

『ボーイズ・ライフ』、『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』などを手掛けた
スコットランド出身のマイケル・ケイトン=ジョーンズが監督を務め、
ブルース ウィリスが正体不明の暗殺者ジャッカルを冷酷に演じた
サスペンス・アクションです。

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●1:映画『ジャッカル』のストーリー

1997年、モスクワ。
ロシア内務省(MVD)とアメリカ連邦捜査局(FBI)の合同捜査チームは
チェチェン・マフィアのメンバーであるガッツィー・ムラド逮捕のために
バーへ突入します。

容疑者ガッツィーが隙を見てナイフで反撃しましたが、
反撃に出たガッツィーをMVDのバレンチーナ・コスロバ少佐が
格闘の末に射殺しました。

チェチェン・マフィアのボスであるテレク・ムラドは
弟ガッツィーを殺されたことに激しい怒りを覚えてMVDとFBIに報復を決意し、
7000万ドルという高額の報酬を約束し、
正体不明の暗殺者ジャッカルにアメリカ要人の暗殺を依頼します。

チェチェン・マフィアのボスであるテレクの逮捕も狙うFBIは、
捜査の過程で捕らえたテレク一味の男が持っていたカバンから
ジャッカルがFBI長官ドナルド・ブラウンの資料を発見します。

ジャッカルがFBI長官の命を狙っていることを知ったカーター・プレストン

FBI副長官は元IRAスナイパーであり、
武器密輸の罪でアメリカの刑務所に服役しているデクラン・ジョセフ・マルクイーンに
捜査への協力を依頼します。

減刑と引き換えに捜査協力を決めたデクランはジャッカルの顔を知る数少ない人物で、
バスク独立運動に関わったイザベラ・ザンコーナの居場所を知っていました。

FBIとMVDはデクランと共に捜査を続け、ジャッカルが偽造パスポートと
変装を駆使してカナダに入国したことを突き止めますが、
ジャッカルは捜査をかわしながら暗殺の準備を進めていくのでした。

●2:息詰まる暗殺者と元IRAスナイパーの攻防

ブルース ウィリス主演の映画『ジャッカル』は、素性が謎に包まれている
暗殺者ジャッカルと元IRAスナイパーのデクランとの息詰まる攻防が描かれています。

暗殺の準備を着々と進めていくジャッカルとジャッカルによる要人暗殺を
阻止しようとするFBI、MVD、デクランの姿がそれぞれ描かれています。

ジャッカルが捕まりそうで捕まらないという展開が緊張感を生み出し、
最後まで飽きさせない編集は見事です。

サスペンスに加えてアクションとロマンスも盛り込まれている娯楽に富んだ作品です。

ブルース ウィリスが演じる冷酷な暗殺者ジャッカルが用いる変装
パスポート偽造、暗殺に用いる武器調達がテンポ良く描かれています。

モスクワ、ヘルシンキ、ロンドン、カナダ、アメリカと『ジャッカル』の
ストーリーは世界各地で展開していき、映画を見ている側は登場人物と共に
ブルース ウィリス演じる暗殺者ジャッカルを追跡している気持ちにさせられます

●3:ベストセラー小説を映画化した作品の翻案

ブルース ウィリスが正体不明の暗殺者を演じた
サスペンス・アクション映画『ジャッカル』は1973年公開の映画
ジャッカルの日』の翻案です。

翻案とは、過去に製作された映画や小説のストーリーを保ったままにして
新たな変更を加えて作品を製作することです。

1973年公開の映画『ジャッカルの日』はイギリス人作家フレデリック・フォーサイス
デビューであり、ベストセラーとなった小説『ジャッカルの日』が原作となっています。

フランスのシャルル・ド・ゴール大統領暗殺を企てる正体不明の
暗殺者ジャッカルとジャッカルによる大統領暗殺を阻止しようとする
フランス警察の息詰まる攻防がドキュメンタリータッチで描かれています。

『ジャッカルの日』で暗殺者ジャッカルを演じていたのはイギリス人俳優
エドワード・フォックスで、『ジャッカルの日』が公開されるまでは無名の俳優でした。

無名の俳優が演じることにより、ジャッカルという暗殺者が
謎に包まれている存在であることがより強くなっているように思わせられます。

『ジャッカルの日』の小説は緊迫感にあふれていて、
読み始めるとページをめくる手が止まらなくなりました。

映画『ジャッカルの日』は原作を忠実に映画化した作品と言われていますが、
個人的には小説の方が映画よりも好きです。

活字を読みながら自分自身のジャッカル像を作り上げていく楽しみがあるからです。

1997年公開の映画『ジャッカル』では有名俳優であるブルース ウィリスが
正体不明の暗殺者を演じています。

いくつもの変装を使い分けながら暗殺の準備を着実に進めていく様子が描かれています。

ドキュメンタリータッチの『ジャッカルの日』と娯楽性に富んでいる
『ジャッカル』を鑑賞し、2作品の違いを比較してみてはいかがでしょうか。

●4:出演している2人のアカデミー賞受賞俳優

ブルース ウィリスが正体不明の暗殺者を演じた映画『ジャッカル』には
2人のアカデミー賞受賞俳優が出演しています。

1人目はカーター・プレストンFBI副長官を演じていたシドニー・ポワチエです。

アメリカ・フロリダ州マイアミ生まれで、
両親はバハマでトマト栽培に取り組んでいました。

年齢を詐称してアメリカ軍に入隊し、除隊後に俳優を志します。
1945年頃に映画デビューし、1946年には黒人俳優だけの舞台で
ブロードウェイに初めて出演し、1955年公開の映画『暴力教室』の生徒役で注目されます。

1963年公開の映画『野のユリ』でアリゾナの砂漠に教会の建設を手伝う青年を演じ、
黒人俳優として初めてアカデミー主演男優賞を受賞しました。

トニー・カーティスと共演してアカデミー主演男優賞にノミネートされた
1958年の映画『手錠のまゝの脱獄』、人種差別をむき出しにする警察署長を演じた
ロッド・スタイガーがアカデミー主演男優賞を受賞した1967年の映画
『夜の大捜査線』に出演しています。

キャサリン・ヘプバーンが2度目のアカデミー主演女優賞を受賞した1967年の映画
『招かれざる客』、1988年の映画『影なき男』、
ロバート・レッドフォード主演を務めた1992年の映画『スニーカーズ』などにも
出演しています。

『ジャッカル』に出演している2人目のオスカー俳優は
FBI捜査官ウィザースプーンを演じていたJ・K・シモンズです。

アメリカ・ミシガン州デトロイト生まれです。
トビー・マグワイヤが主人公を演じた『スパイダーマン』、『スパイダーマン2』、
『スパイダーマン3』で演じた新聞社の重役を演じたことで知られています。

2014年の映画『セッション』で厳格な音楽教師を演じ、
鬼気迫る演技でアカデミー助演男優賞を受賞しました。

他にもベン・アフレック主演のアクション映画『ザ・コンサルタント』、
2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件を題材にしたサスペンス映画
『パトリオット・デイ』などに出演しています。

ジョージ・クルーニーがリストラ宣告人を演じた『マイレージ、マイライフ』、
ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』、大統領候補となった政治家のスキャンダルを
題材にした『フロントランナー』などにも出演しています。

●5:映画『ジャッカル』でブルース ウィリスが演じた暗殺者とは?

映画『ジャッカル』でブルース ウィリスが演じていたのは高額の報酬と引き換えに
暗殺を実行する正体不明の暗殺者ジャッカルです。

報酬は前金で半額、残りを暗殺実行後に受け取ることを要求し、
電話やファクスによる連絡をしないように依頼者に伝えます。

内戦下にあるエルサルバドルで軍事訓練を受けたことがあり、性格は氷のようです。

偽造パスポートを用意した妊婦に対しては安産になるように言葉を掛け、
請求額よりも多い謝礼金を渡すなど気遣いを見せることがあります。

巧妙な変装と高い情報収集能力を持ち、FBIさえも知らない情報を
把握する能力があります。

報酬の支払いは香港にある銀行口座を経由して受け取るなどFBIだけでなく
CIAさえもジャッカルの素性をつかめていません。

イギリス人作家フレデリック・フォーサイスのデビュー小説で、
ベストセラーを記録した『ジャッカルの日』に初めて登場します。

イギリス人の暗殺者であり、国際刑事警察機構も正体をつかめていないため、
素性は謎に包まれています。

フランス語を流暢に話し、ドミニカ共和国大統領の暗殺に関与している
と言われていますが、証拠を残さないことから詳細は不明です。

報酬を前払いと後払いで要求し、暗殺の標的の情報を本や新聞を使って
徹底的に調べ上げ、さらに暗殺を実行する場所や逃走経路を入念に調べ上げます。

感情を顔に出すことはない冷酷な人物であり、変装のために死亡者の名前を利用して
身分証明書を偽造して牧師や大学生、軍人と姿を変えていきます。

『ジャッカルの日』の原作者であるイギリス人作家フレデリック・フォーサイスは
あるインタビューで「ジャッカルの正体は?」と聞かれましたが、
ジャッカルの正体は自分の頭の中にある」と答え、
決して暗殺者ジャッカルの正体を明かしていません。

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まとめ

ブルース ウィリスが正体不明の暗殺者を演じた映画『ジャッカル』について
解説してきました。

ブルース ウィリスが演じた素性の知れない冷酷な暗殺者ジャッカルは
高額の報酬と引き換えに暗殺を実行する人物で、高い情報収集能力を持っています。

FBIさえもつかめない情報を収集する能力があり、
巧妙な変装を用いて捜査の網の目をくぐり抜け、暗殺の標的に近付いていきます。

ブルース ウィリス演じるジャッカルが捕まりそうでありながら
捕まらないという演出が否応なしに緊張感を高めていきます。

サスペンスだけではなくアクションとロマンスも盛り込まれた
娯楽性に富んだ映画『ジャッカル』を思う存分に楽しんでみてはいかかでしょうか。

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