ブラッド ピット主演の映画『セブン』とは? 気になる内容と見所を解説

ブラッド ピットが主演を務めた『セブン』とは、
1995年公開のアメリカ映画です。

キリスト教が示す7つの大罪になぞらえた猟奇的な殺人事件が発生し、
定年退職間近のベテラン刑事と若くて血気盛んな刑事が捜査を進めていきます。

映画全体を覆う重苦しさ、降りしきる雨が感じさせる気だるさと
陰鬱な空気が生み出す独特の緊張感に引き寄せられていきます。

『ソーシャル・ネットワーク』、『ゲーム』などの鬼才デビッド・フィンチャーが
監督を務め、ブラッド ピットの他にモーガン・フリーマン
グウィネス・パルトロウケビン・スペイシーが出演しています。

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●1:数字の「7」に関連付けられた映画

ブラッド ピットが主演を務めた映画『セブン』は数字の「7」に
関連付けられた映画です。

1つ目は、映画『セブン』のストーリーが一週間、つまり7日間で
展開していくことです。月曜日、火曜日、水曜日のように、
どの曜日で映画のストーリーが進んでいるのか示されています。

2つ目は、モーガン・フリーマン演じるベテラン刑事ウィリアム・サマセットは
定年退職まで7日間という設定です。

30年近く刑事を務めてきたサマセットは、仕事の中であまりにも多くのことを
見過ぎてきたと感じており、住む町から離れて田舎へ移り住みたいと考えています。

ブラッド ピット演じる若くて血気盛んな刑事デビッド・ミルズに対して
冷めた眼差しを向けていますが、新しい町で刑事として務めていくことの
むなしさを訴えかけていたのでしょう。

3つ目は、『セブン』は猟奇的な殺人事件を捜査する2人の刑事を描いた
サスペンス・スリラーで、その猟奇的な殺人事件はキリスト教が示す
7つの大罪をなぞっていることです。

7つの大罪とは、暴食、憤怒、嫉妬、肉欲、怠惰、高慢、強欲のことで、
この大罪をなぞった猟奇的な殺人事件が発生し、

その事件をブラッド ピット演じる若手刑事ミルズとモーガン・フリーマン演じる
定年退職間近のベテラン刑事サマセットが捜査していきます。

4つ目は、ブラッド ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロウ、
ケビン・スペイシーのアカデミー賞受賞回数の合計が7であることです。

ブラッド ピットはマーティン・スコセッシが監督を務めた2006年の映画
『ディパーテッド』を製作し、第79回アカデミー作品賞を受賞しました。

2013年の映画『それでも夜は明ける』でも製作を務め、
第86回アカデミー作品賞を受賞しました。

2019年の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』では
レオナルド・ディカプリオ演じるテレビ俳優の付人兼スタントマンを演じて、
アカデミー助演男優賞を受賞しました。

モーガン・フリーマンはクリント・イーストウッドが製作、監督、主演を務めた
2004年の映画『ミリオンダラー・ベイビー』で、ボクシングジムの管理人を演じて
アカデミー助演男優賞を受賞しました。

ケビン・スペイシーは1995年のサスペンス映画『ユージュアル・サスペクツ』で
アカデミー助演男優賞を受賞しました。

1999年の映画『アメリカン・ビューティー』では、娘の同級生に恋をする父親役を
演じ、アカデミー主演男優賞を受賞しました。

グウィネス・パルトロウは1998年の映画『恋に落ちたシェイクスピア』で
芝居が好きな上流階級の令嬢を演じてアカデミー主演女優賞を受賞しました。

ブラッド ピットがアカデミー賞の受賞回数が3回、モーガン・フリーマンが1回、
ケビン・スペイシーが2回、グウィネス・パルトロウが1回なので、
4人の出演者のアカデミー賞受賞回数の合計は7回となります。

●2:デビッド・フィンチャーとは?

デビッド・フィンチャーはブラッド ピット主演の映画『セブン』で
メガホンを握った映画監督です。

アメリカ・コロラド州デンバー出身で、アニメーターとして勤務した後、
映像制作会社を設立し、マドンナ、ジョージ・マイケル、エアロスミス、
ローリング・ストーンズら有名歌手のミュージック・ビデオを手掛けました。

1992年に『エイリアン3』で映画監督デビュー果たしますが、
撮影中から数多くの問題に見舞われました。

公開された作品は批評家から酷評され、興行的にも失敗したことにより、

フィンチャー監督は
「新たに映画をつくるくらいなら、大腸癌で死んだ方がマシだ」、と言い、
1年半もの間に送られてきた脚本を全く読まなかったそうです。

フィンチャー監督は当初、映画会社ニューラインシネマから『セブン』の脚本を
渡されて読んだ時、よくある刑事の話だと言って、
途中で読むことをやめたそうです。

それでも読んで欲しいと言われて読み進めていくと、
警察署に殺人犯が自首してくるところまで読んだ時、
『セブン』を撮りたいと思ったそうです。

この映画のヒットによってフィンチャーは再び監督として復活を遂げ、
その後は『ゲーム』、『ソーシャル・ネットワーク』、
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、『ゴーン・ガール』、
『ファイト・クラブ』などの作品を世に送り出していきました。

●3:対照的な2人の刑事の描写

ブラッド ピットが主演を務めた映画『セブン』は、2人の刑事がキリスト教の
7つの大罪をなぞった猟奇的な殺人事件を捜査していく姿を描いた
サスペンス・スリラーです。

ブラッド ピットが演じているのはデビッド・ミルズという名前の刑事です。

グウィネス・パルトロウ演じる妻トレイシーと2人暮らしをしています。

若くて血気盛んな刑事で、新しく引っ越してきた町で刑事として
活躍したいと思っています。

すぐに熱くなったり、カッとなったりする一面があり、
子供のような印象があります。

モーガン・フリーマンが演じているのは刑事ウィリアム・サマセットです。
30年以上刑事を務めたベテランで、あと7日で定年退職を迎えます。

ブラッド ピット演じる刑事デビッド・ミルズとは対照的にいつも冷静で
感情的になることはありません。

刑事を長い間務めてきたことから、町を離れて田舎へ移り住もうと考えています。

どこか社会に対する嫌悪感があり、ミルズに向ける眼差しや言葉には
冷たさが感じられます。

ですが、猟奇的な殺人事件の捜査の助けになればと、図書館に行ってミルトンの
『失楽園』やダンテの『神曲』などの古典をミルズに読むように勧めるなど、
相手を気遣う一面もあるようです。

●4:映画『セブン』の見所とは?

ブラッド ピットが主演を務めた映画『セブン』の見所は中毒になってしまう
演出です。

映画全体を覆う重苦しい空気降りしきる雨が映画を観る者の
気持ちを沈ませます。

気だるく憂うつな気持ちにさせられ、
気が付けば映画の中に引き込まれていきます。

キリスト教が示す7つの大罪をなぞった連続殺人事件を追う2人の刑事と
共に映画観る者もいつの間にか自分が殺人事件を捜査しているかのような
錯覚を覚えます。

犯人はなぜ猟奇的な殺人事件を起こすのか。

理由なき殺人事件を追うことに何か意味があるのか。

キリスト教の7つ大罪は成立するのか。

それとも食い止めることができるのか。

予想もできないストーリー展開と衝撃のラストは今も鮮明に覚えています。

サスペンスとして手に汗握る緊張感や不安を味わい、
スリラーとしてゾッとするような恐怖を味わい、
不気味な殺人犯の姿に戦慄を覚える。

一度だけではなく2度、3度と繰り返し鑑賞していくごとに、
音楽の使い方、出演者の演技、撮影方法に視点を据えて鑑賞すると、
また新たな発見がありそうです。

事件現場に残された証拠から犯人像を推測していく面白さもあります。

犯人は男か女か。若い人なのか年配の人なのか。
計画的な犯行なのか。犯人の性格はどのようなものか。

サスペンスとスリラーとしての側面だけではなく、
ブラッド ピット主演の映画『セブン』はミステリーとしての側面も持っています。

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まとめ

ブラッド ピットが主演を務めた映画『セブン』について解説してきましたが、
サスペンスとしてもスリラーとしても見所があります。

アカデミー賞を受賞した俳優と女優の演技を見ることができること、
デビッド・フィンチャー監督による卓越した映像、音楽の使い方、
中毒性ある空気感やむなしさもまた映画の魅力です。

ブラッド ピット演じる刑事ミルズ、グウィネス・パルトロウ演じる
トレイシーがモーガン・フリーマン演じる刑事サマセットと夕食を共にする
シーンがあり、重苦しい空気が一瞬だけで緩みます。

対照的な食事のシーンが『セブン』全体を覆う
重苦しい空気を際立たせています。

映画の小説版があり、登場人物の背景を知ることができますので、
興味がある人は読んでみるといいでしょう。

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