ブラッド ピットとハリソン フォードが共演した映画『デビル』とは？
zaku0909ブラッド ピットとハリソン フォードというハリウッドの
2大俳優が共演した映画が1997年に公開された『デビル』です。
純朴な青年ローリー・ディバニーは、ニューヨークにある勤厳実直な
アイルランド系警察官トム・オミーラの家に下宿をしますが、
マグワイヤーはコードネーム「エンジェル」と呼ばれるIRAのテロリスト、
フランシス・マグワイヤーだったのです。
悲しい運命に導かれるようにして、
オミーラとマグワイヤーは対決の時を迎えるのでした。
純朴な青年フランシス・マグワイヤーをブラッド ピットが演じ、
警察官トム・オミーラを自身もアイルランド系であるハリソン フォードが
演じています。
『大統領の陰謀』、『推定無罪』、『ペリカン文書』などで知られるアラン・Ｊ・パクラが監督を務めました。
●1：日常生活を描くことで対決シーンがより際立つ
ブラッド ピットとハリソン フォードが共演した映画『デビル』は、
ピット演じる青年ローリー・ディバニーとハリソン フォード演じる
警察官トム・オミーラの日常生活が丁寧に描かれていきます。
映画の冒頭では北アイルランド・ベルファストで繰り広げられる市街戦が
描かれ、アクション映画かと思ってしまいます。
映画の舞台が北アイルランドからニューヨークへと移ってからは、
ローリーとトムの日常生活に加えて温かい食事のシーンも描かれていて、
平穏な毎日のありがたさが伝わってきました。
日常生活を丁寧に描いていくことによって、
後半で描かれるローリーとオミーラの対決がより緊張感に
満ちたものになっています。
第70回アカデミー歌曲賞と作曲賞を受賞したジェームズ・ホーナーが
手掛けた哀愁ただよう音楽もまた、
アメリカから遠く離れたアイルランドを想わせ、
胸の奥にいつまでも残り続けます。
●2：警察官にはアイルランド系移民が多い
殉職した警察官の葬儀でアイルランドの民族衣装に身を包んだ人が
バグパイプを演奏している映画のシーンを目にしたことがあるでしょう。
警察官にはアイルランド系移民が多く、葬儀では民族衣装に身を包んだ人が
バグパイプを演奏しているのです。
1845年から1850年に発生した「ジャガイモ飢饉」によって
アイルランド人はアメリカへ移住しました。
移住した当時に就くことができた職業は警察官であり、
他には軍人や消防士という警察官と同じ命の危険が伴う職業でした。
アングロ・サクソン系よりも後にアメリカへ渡ったこと、
誠実で勇敢であるというアイルランド系移民の民族性に合っていたことが
警察官や消防士、軍人にアイルランド系移民が多い理由です。
映画『デビル』でハリソン フォードが演じていた警察官の苗字は
「オミーラ」で、アイルランド系の苗字です。
映画『風と共に去りぬ』の主人公ビビアン・リーが演じていた
スカーレット・オハラの父親はジェラルド・オハラで、アイルランド系移民です。
映画『バックドラフト』でカート・ラッセルとウィリアム・ボールドウィンが
演じていた消防士兄弟の苗字は「マカフレイ」で、
これもアイルランド系の苗字です。
映画『アンタッチャブル』でショーン・コネリーが演じていた初老の警察官は
ジミー・マローンで、「マローン」もアイルランド系の苗字です。
政治の世界では、第35代アメリカ大統領を務めた
ジョン・フィッツジェラルド・ケネディがいますが、
彼もアイルランド系移民です。
映画の世界では、『男の敵』、『怒りの葡萄』、『わが谷は緑なりき』、
『静かなる男』でアカデミー監督賞を受賞したジョン・フォード、モナコ公国の
公妃となったオスカー女優グレース・ケリーもアイルランド系移民です。
●3：アラン・J・パクラ監督最後の作品
ブラッド ピットとハリソン フォードが共演した映画『デビル』で
監督を務めたのはアラン・Ｊ・パクラです。
1962年の映画『アラバマ物語』で製作を務め、弁護士役を演じた
グレゴリー・ペックをアカデミー主演男優賞受賞に導きました。
以降も『マンハッタン物語』、『ハイウェイ』、『サンセット物語』などでも
製作を務め、1969年に映画『くちづけ』で監督デビューしました。
1971年の映画『コールガール』を監督し、ジェーン・フォンダに
アカデミー主演女優賞をもたらしました。
1976年の映画『大統領の陰謀』では、ワシントン・ポストの編集主幹を演じた
ジェイソン・ロバーズにアカデミー助演男優賞、
1982年の映画『ソフィーの選択』では、メリル・ストリープに
アカデミー主演女優賞をもたらしました。
1974年の映画『パララックス・ビュー』では、『レッズ』で
アカデミー監督賞を受賞したウォーレン・ベイティを主演に起用し、
1990年の映画『推定無罪』ではハリソン フォードを
地方検事補役に起用しました。
ジョン・グリシャムによるベストセラー小説を映画化した1993年の
サスペンス・スリラー『ペリカン文書』では、
アカデミー賞受賞者のジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンを
共演させています。
『アラバマ物語』ではアカデミー作品賞、『大統領の陰謀』では
アカデミー監督賞にノミネートされ、
『ソフィーの選択』ではアカデミー脚色賞にノミネートされました。
1998年11月19日、ニューヨーク州ロングアイランドの高速道路で
交通事故により70歳で亡くなりました。
まとめ
ブラッド ピットとハリソン フォードが共演した映画『デビル』について
解説してきました。
日常生活を丁寧に描いていくことによって、
IRAのテロリストであるローリーと真面目な警察官オミーラとの対決が
より一層際立っていました。
温かい食事のシーンも描かれていて、
平穏な毎日を送れることのありがたさを感じました。
ハリソン フォードはアイルランド系の警察官を演じていました。
23年間、真面目に働き、賄賂を受け取ることもない誠実な警察官役は
ハリソン フォードに適役でした。
ブラッド ピットは純朴な青年ローリー・ディバニーことIRAのテロリスト、
マグワイヤーを演じていました。美しい青年の仮面の裏に隠れていた
テロリストの顔が見えた瞬間の目の演技がとても印象的でした。
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