チバユウスケがROSSO時代に残した伝説の名曲をあらためて聴きたい!
2023年11月26日THE MICHELLE GUN ELEPHANT、ROSSO、The Birthday等のボーカル、
作詞家として活動していたチバユウスケが食道がんにより55歳で
亡くなられました。
チバユウスケというとエンゼルス時代の大谷翔平の登場曲にも起用された映画
SLUM DUNKのオープニング曲や
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT時代の曲を思い浮かべる人が多いと思いますが、
なんといってもチバの真骨頂はROSSOの曲にあると思っています。
この記事ではチバユウスケがMICHELLEとBirthdayとの間で活動したROSSO時代を
考察し紹介していきたいと思います。
是非最後までお付き合いください。
●チバユウスケの経歴
1968年7月10日生 2023年11月26日没
幼少時代にウ“ァイオリン教室で音感を習得し高校でパンクロックバンドを結成。
明治学院大学時代に学内サークル内でTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT結成。
1996年メジャーデビューし、MICHELLEの活動と並行してROSSOを結成します。
チバはROSSOをソロプロジェクト的に2001年に照井利幸と結成しましたが
メインはMICHELLEであったため2002年に一時的に活動を休止します。
2003年にMICHELLEを解散した後、
イマイアキノブ、佐藤稔を加えROSSOを再開します。
2006年までROSSOで活動しますが、
チバ本人が解散したわけじゃないと言ってはいるものの
2006年6月に活動休止したままの状態で他のバンド活動を始めます。
元MICHELLEのクワハラカズユキらとThe Birthdayを結成しましたが
ROSSO時代のようなチバ独特のヘビーな激しさが徐々に薄らぎ、
年齢や体調の影響もあると思いますが
歌い方が柔らかくなってきたように感じられます。
バンドでは殆どの楽曲で作詞を担当しています。
詞を先に作ることはあまり無く、曲先行で詞を書くようです。
作曲もしますが、メンバー全員の音楽センスを合算してリズム、
メロディを作り上げる考え方でこれがうまくいって名曲になっていますね。
今のようにサブスク時代ではなく
私も休日は一日中スペースシャワーTVを観ていましたが、
60年代のイギリスロックを彷彿とさせるチバの歌声は画面を通じて
ロックファンを魅了したものでした。
日本の音楽界でも多くのミュージシャンが強く影響を受けました。
●チバユウスケのキャラクター
生活習慣がローリングストーンズのキース・リチャーズや
ロン・ウッドのように乱れておりましたので風貌も若い頃と年を取った後で
ずいぶん変わりましたがカッコ良いですよね。
一見すると昭和のカリスマ的スターだった松田優作のような雰囲気を醸し出しています。
ただコワモテの外見とは違って気さくで優しい性格であると
多くのミュージシャンは話しています。
近未来的なSFが好きで、レコード収集家でもありますが、
優れたミュージシャンはたくさんの音楽をやはり聴いていますね。
ザ・フーやストーンズが好きだと話していますが、
サウンドを聴くと影響を受けているのがよくわかります。
メジャーデビュー前には普通のバンドと同じく集客に苦労した経験があるせいか
売れてきて大きな会場に人を呼べるレベルになっても
地方のライブハウスで演奏活動を続ける姿勢は素晴らしいと思います。
音楽ファンとしてはドーム等の大会場と小さなライブハウスとでは
音響も迫力も雲泥の差があるので、
小規模のライブハウスで演奏を観聴きするほうが自分としては好きです。
音にこだわりステージ会場を決めるミュージシャンと
効率や収益優先で大きな会場でしか演奏しないミュージシャンがいますよね。
もっともドームや武道館で演奏するのはプライドも関係するのでしょう。
大会場といえばチバユウスケがフジロックフェスティバル出場の際、
携帯電話を持たない主義が災いし、
迷子になって連絡がつかず大騒ぎになったというエピソードは笑えます。
●ROSSOこそチバユウスケの全盛期
音楽に勝ち負けは無く、人それぞれの感性により好き嫌いが決まるというのが
私の持論ですのでミュージシャンの誰かと誰かを比較して優劣をつけるのは嫌いです。
ただ同じミュージシャンの曲であっても他のメンバーとの相性によって
曲が大きく変わったり、リリース時期により売れたり売れなかったりします。
音楽の世界はどんなに優れた才能を持って最高の演奏をしても
必ずしも売れるとはかぎりませんし。
その時代ごとの環境やプロデュースの仕方、
運などにより本来大ヒットするはずの曲が音楽通だけに気に入られ
消えていったケースは山ほどあります。
ROSSOはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとThe Birthdayとの間の時期に
チバユウスケが従来のJポップ的要素をどんどん取り除き、
よりロック的にプログレ的に急激に傾斜して、
それがROSSOの他メンバーと融合し名曲が完成したのだと思います。
チバユウスケが年齢的にも33歳から38歳という脂の乗り切った時期で
パワーも溢れていたと思われます。
ただメンバーが掛け持ちでバンドをやっていたり
期間限定的な位置づけであったことから商業的な戦略の仕方によっては
本来はもっと世により広まっていたはずの曲ばかりなのではないでしょうか。
ちなみにROSSOとはイタリア語で赤という意味です。
●2023年に亡くなられた音楽家
2023年は多くの大物音楽家が旅立っていきました。
YMOの高橋幸宏と坂本龍一が相次ぎ亡くなったのをはじめ、3大ギタリストの一人
ジェフ・ベック、ジャズサックスのウェイン・ショーター、歌手のトニー・ベネット、
作曲家のバート・バカラック、また鮎川誠、谷村新司、KAN、もんたよしのりや
他にも日本や海外音楽界の重鎮が多数亡くなっています。
その中の一人がチバユウスケであり、追悼の意味も込めて再びチバユウスケが
脚光を浴びる可能性は高いと思います。
同時に新たにチバユウスケを聴き始める若いロックファンも
多数出てくるのではないかと思っています。
●ROSSOの曲を聴きましょう!
ROSSOは2001年末に結成され2002年ファーストアルバム「BIRD」をリリース。
再結成後の2004年ダブル・シングル「1000のタンバリン」「アウトサイダー」に続き
セカンドアルバム「DIRTY KARAT」をリリースします。
2005年にシングル「バニラ」2006年サードアルバム
「Emissions」リリース後活動休止となります。
ファーストアルバムに収録されている「シャロン」はいまだに
大人気でカラオケランキングでもROSSOの曲の中で最もファンに歌われている曲です。
第1期と第2期ではサウンドの違いがあり、
それは聴く人それぞれの好みだと思います。
とりあえずYouTubeでROSSOのMVやライブ映像をご覧になってみてはいかがでしょう。
きっと当時の思い出や感覚がアルバムやビデオを見るように
蘇ってくるのではないでしょうか。
またまだ聴いたことが無い方でこの記事を読んで興味を持たれた方も
是非聴いてみてください。新しい発見があるかもしれません。
●まとめ
チバユウスケは音楽も生き様もロックであり、
ミュージシャンや音楽業界に大きな影響を与えた存在です。
チバユウスケは多くのバンドを渡り歩いてきましたが、
全盛期はROSSO時代だと筆者は考えています。
今後、チバユウスケは再ブレイクする可能性もあり
実際音楽の質はかなり高いのでROSSOの曲を聴くことをお勧めしたいです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。