ダイビングのバディ・システムって何?一人ダイバーでもバディと潜る方法
「バディ・システム」とは、「バディ」と呼ばれる相手と2人1組になって潜るダイビングの仕組みです。
「バディ・システム」は安全なダイビングの基本であり、世界的に共通のルールとなっています。
しかし、
「どうしてダイビングは1人で潜ってはいけないの?」
「バディがいないとダイビングはできないの?」
と、疑問を持つ人もいるかもしれません。
そこで今回は、ダイビングの「バディ・システム」について。
1人ダイバーでも「バディ」と潜れる方法もていねいに解説します。
Contents
●ダイビングのバディ・システムとは
ダイビングには、「バディ・システム」というルールがあり、1人で潜ることができません。
「バディ・システム」とは、必ず2人1組で潜りましょうという、ダイビングの決まり事です。
一緒に潜る相手のことを、「バディ」と呼びます。
ここで、海で泳いだり素潜りしたりするのは1人でも自由にできるのに、
どうしてダイビングは1人で潜ってはいけないのか。
疑問を持つ人もいると思います。
「バディ・システム」は、安全なダイビングに欠かせないルールです。
なぜなら、ダイビング中に万が一のトラブルがあったときに、お互い助け合える相手が必要だからです。
例えば、水中で器材が壊れたり、タンクの空気がなくなったりした場合。
1人で潜っていたら、水面に浮上する以外に対応ができません。
しかし、深い場所から急浮上するのは、潜水病のリスクがかなり高く、危険です。
そんなとき、「バディ」がいれば、助けてもらえます。
壊れた器材の代わりに一緒に泳いでくれたり、
空気がなくなったタンクの代わりに自分のタンクの空気を使わせてくれたりするのです。
このように安全に潜るには「バディ・システム」が重要で、
日本だけでなく世界でも共通のルールとなっています。
●バディ・システムで大事なのは相手の観察
実際、「バディ・システム」では何をするのでしょうか。
それは、潜る前と水中での相手の観察です。
「バディ・システム」ではまず、潜る前に「バディ・チェック」を行います。
「バディ・チェック」とは、きちんと潜れる準備ができているか、
器材の状態などをお互いに確認することです。
潜る前に慌てて、器材を忘れたりタンクを開け忘れたりするミスを防げます。
仕事での「ダブルチェック」と同じようなものです。
「バディ・チェック」の詳しいやり方は、
ライセンス講習のときに教えてもらえます。
また、「バディ・システム」は水中でも大切です。
何か異変がないか、お互いを小まめに確認することで、
安心してダイビングができます。
トラブルがあったときにすぐに対応できるように、
「バディ」同士はすぐ近くにいることが大切です。
このように、「バディ・システム」が安全なダイビングに欠かせないと聞くと、
二人一組でないとダイビングができないように思う人もいるかもしれません。
しかし、身近に相手がいなくても「バディ」を組む方法があります。
●一人ダイバーでもバディを組むには
一人ダイバーでも「バディ・システム」で潜る方法があります。
それは、ダイビングショップを利用することです。
ダイビングショップには、他のダイバーも集まります。
当日ショップのスタッフが参加者を見て、一人ダイバー同士で「バディ」を組ませてくれるのです。
人数が奇数の時は3人で「バディ」になったり、
スタッフが「バディ」になったりすることもあります。
ただ、一人参加なので「バディ」なし、とはならないので安心です。
初めての人との「バディ」は心配かもしれませんが、すぐに慣れます。
他の参加者と「バディ」になることで、話したり情報交換したりと、仲良くなるきっかけができます。
私がよく利用するショップは、ダイビングのスタイルが近い人を「バディ」にするやり方です。
私は小さい生き物の撮影が好きで、そんな似た者同士で「バディ」になります。
すると、お互いに撮影しやすいようにライトを照らしあうなど、
海の中で協力して写真を撮れるのです。
初めての「バディ」でも一緒に作業をすると、気持ちも近くなったように感じ、
その後の会話もはずむことが多いです。
このように「バディ・システム」は、
一人で参加する人でもダイビングをさらに楽しむ手助けになるのも魅力だと、私は考えます。
●バディ・システムで安心安全なダイビングを
ダイビングをしているとノンダイバーの人から、
「危なくないの?」とよく聞かれます。実際に器材をつかって海の中で呼吸をしているので、どうしても100%安全とはなりません。
しかし、「バディ・システム」を守れば、一人きりより安全に潜れます。
また、ダイビングショップに申し込めば、
一人でも「バディ」を組めて、潜る楽しみも広がります。
ダイビングのライセンスは、自分一人だけで潜れるようになるためのものではないのです。
「バディ・システム」をしっかり守って、海の中を安全に思いきり楽しんでもらえたらと願います。