スパイ映画の中から2000年代に公開されたおすすめ作品をピックアップ

スパイ映画は2000年代にも公開されています。

スパイ映画といえば、派手なアクション、身を焦がすような美女とのロマンス、
強烈な個性を持つ悪役が登場する「007シリーズ」が有名で、

スパイ映画と聞けば誰もがイギリス人スパイの
ジェームズ・ボンドが主人公である「007シリーズ」を思い浮べます。

派手なアクション、美女とのロマンス、
一度は訪れてみたい異国の地が登場する作品とはひと味もふた味も違う

スパイ映画の中から2000年代に公開された作品の中から3本紹介していきます。

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●ハリウッドの2大スターが共演するサスペンス・ドラマ

ハリウッドの2大スターであるロバート・レッドフォードと
ブラッド・ピットが共演し、2001年に公開された映画が『スパイ・ゲーム』です。

1992年の映画『リバー・ランズ・スルー・イット』ではレッドフォードが監督、
ピットが俳優という立場でしたが、『スパイ・ゲーム』では俳優同士の顔合わせが実現しました。

30年間の長きにわたってスパイ活動の最前線に立ち続けてきた
伝説の工作員ネイサン・ミュアーは引退の時を迎えようとしていました。

そのような時、若き工作員トム・ビショップが中国当局に
拘束されたという報せをミュアーは知ります。

ミュアーは戦争下のベトナムでビショップと出会い、
ビショップにスパイとしての素質を見出したミュアーは
手塩にかけてビショップをスパイとして育て上げてきました。

自らの部下であるビショップがアメリカの国益のために
CIA上層部の判断で見殺しにされることを知った時、
ミュアーはビショップのためにある救出作戦を実行に移していきます。

CIA本部内にある会議室とベトナム、
ドイツ、レバノンを舞台に緊迫感あふれるストーリーが展開され、
いかなる犠牲を払おうとも任務を遂行するスパイ活動の非情さが伝わってきます。

レッドフォード演じる伝説の工作員ネイサン・ミュアーが、
ブラッド・ピット演じる若き工作員トム・ビショップに関する情報を
小出しにしながらCIA上層部と繰り広げる駆け引きが見事です。

自分の駒を動かすと相手の駒がどのように動くのか、
チェス盤の上で繰り広げられる頭脳戦に引き込まれたような感覚になっていきます。

映画の前半と後半とで意味が変わってくるセリフの裏を読む面白さ、
語られる言葉が真実なのか、顔に出ている表情が芝居なのかどうかを探る面白さも加わり、
いつしか映画の中で繰り広げられる駆け引きの場にいるような気持ちになります。

映画の中で、レッドフォード演じる伝説の工作員ミュアーが、
ピット演じる若き工作員ビショップに

5分以内にアパートのバルコニーに立つように」、
と指示するシーンがあります。

この訓練はフランス国外で機密情報の収集や
工作活動を行うフランス対外治安総局「DGSE」の訓練でも行われているそうです

この訓練の目的とは実際にアパートのバルコニーに立つことに成功することではなく、
突発的な事態に対応する能力を身につけるためだそうです。

実生活でも師弟関係にあるというロバート・レッドフォードと
ブラッド・ピットの息の合った演技とトニー・スコット監督による
短いカット割りを駆使したスピード感ある演出が見事です。

●アメリカにスカウトされたひとりの若者を描く重厚なドラマ

2度のアカデミー賞に輝く名優ロバート・デ・ニーロが
監督を務めた『グッド・シェパード』は2006年に公開された重厚なスパイ映画です。

マット・デイモンがアメリカ中央情報局CIA創設に
全てを捧げる男エドワード・ウィルソンが演じています。

アメリカに亡命したキューバ人に軍事訓練を受けさせ、
隣国キューバの指導者フィデル・カストロ政権を図った「ピッグス湾事件」は無残な失敗に終わります。

CIA内部からの情報漏洩が作戦失敗の原因と考えた
エドワード・ウィルソンは原因究明に動き出していきます。

アカデミー賞を受賞した経歴を持つマット・デイモンの他に、
アンジェリーナ・ジョリー、ジョー・ペシ、エディ・レッドメイン、
ティモシー・ハットン、監督を務めたロバート・デ・ニーロ、ウィリアム・ハートも出演しています。

華やかなイメージを持つスパイ活動のイメージを一気に覆し、
スパイ活動の実情を手堅い演出静かな語り口で描き出す監督ロバート・デ・ニーロの
手腕にはただ驚かされ、映画が持つあまりにも重厚な雰囲気に鑑賞後は言葉が出てこなくなりました。

上映時間を感じさせない演出、組織と家族の間で揺れ動く主人公と
移り変わる時代を表現した脚本も見事です。

●気弱なパナマの仕立屋がついた小さな嘘が引き起こす驚くべき事態

5代目ジェームズ・ボンド役を演じたアイルランド人俳優ピアース・ブロスナンが、
ボンドとは対照的な堕落したイギリス人諜報部員を演じたスパイ映画が
2001年に公開された『テイラー・オブ・パナマ』です。

原作はスパイ小説の大家ジョン・ル・カレのベストセラー小説『パナマの仕立屋』です。

ギャンブルと女性問題が原因で身を崩した
イギリス人諜報部員アンドリュー・オズナードはパナマへ左遷されます。

現地の政治情勢を探るという任務を遂行するため、
オズナードはパナマで仕立屋を営む気弱な男ハリー・ペンデルに目をつけます。

パナマ政府要人御用達の仕立屋を営むペンデルですが、
彼は保険金目当てで放火の罪を犯し、服役していた過去がありました。

前科者であることと多額の負債を抱えていることから
オズナードに目をつけられたペンデルは図らずもスパイ活動に巻き込まれていきます。

ピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンドとは
正反対の堕落したイギリス人スパイを演じているスパイ映画です。

派手なアクションはありませんが、
ジェフリー・ラッシュ演じる前科者で気弱な仕立屋ハリー・ペンデルが
口にしたささいな嘘が大きくなり、アメリカ軍を動かす事態に発展する内容には驚かされます。

原作はスパイ小説の大家ジョン・ル・カレのベストセラー小説『パナマの仕立屋』です。

クセのある独特の英文で読むことに苦労しましたが、
なぜか繰り返し読みたくなってしまいます。

映画は限られた予算で製作された印象が強いですが、
パナマの歴史を垣間見ることができました。

スパイ映画ファンなら思わずニヤリとしてしまう
俳優の名前がセリフに登場しています。

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まとめ

2000年代に公開されたスパイ映画の中から
おすすめの作品を3本紹介してきました。

派手なアクションや美しい女性とのロマンスに身を焦がすスパイが登場する「007シリーズ」とは異なり、
あくまでもスパイ活動の実態を描き出す作品も鑑賞してみました。

特に『グッド・シェパード』は静かなストーリー展開でありながらも、
中だるみすることなくオープニングからエンディングまで飽きることなく鑑賞できました。

映画『スパイ・ゲーム』は会議室という密室と
スパイ活動の最前線を行き来させる展開と
ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットの息の合った演技を楽しみました。

ベストセラー小説を映画化した『テイラー・オブ・パナマ』は、
ピアース・ブロスナンが堕落したイギリス人スパイを演じ、ジェームズ・ボンドとはまた違う魅力がありました。

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