クリント・イーストウッド出演の刑事映画ベスト3

今回は、アメリカを代表する俳優クリント・イーストウッド主演で製作された映画の中でも、
最も評価の高い刑事映画について、様々な作品をご紹介します。

かつて、イーストウッドといえば、数多くのファンが日本でもいましたが、
現在では年々ファンの高齢化などもあり、詳しくない方も多くいるかもしれませんので、
イーストウッド自身のご紹介もさせていただきます。

この記事をみれば、アメリカ映画史を代表するアイコンともいえるイーストウッド主演の映画について、
またはイーストウッド自身についても知ることができますので、最後までお楽しみください。

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クリント・イーストウッドのプロフィール

クリント・イーストウッドは、1930年5月31日に生まれたなんと93歳です。

イーストウッドはサンフランシスコの比較的裕福な家庭で生まれたといわれていますが、
一説には彼の父親は探偵やセールスマンといった職を転々する生活をしていたともいわれています。

そんな中イーストウッドは青年期に、映画監督のジョン・フォードとハワード・ホークスに出会い、
高い影響を受けます。

とはいえ、アメリカ陸軍で勤務していたイーストウッドは、陸軍でしばらく勤務。

その後、陸軍を除隊すると、ユニバーサル映画に多く出演するようになります。

彼が青年期を過ごした1950年代は日本の「ゴジラ」を筆頭にした怪獣映画のブームが
世界中で起きており、ユニバーサルも多くの怪獣映画を製作していました。

そんな中、彼は怪獣映画「半魚人の逆襲」で端役として映画デビューをかざりました。

その翌年は同じく怪獣映画「世紀の怪物/タランチュラの襲撃」に出演、
この映画の中では怪獣タランチュラに最後のとどめをさす米空軍パイロットとして出演しました。

そんな中、彼が出演した1959年のテレビシリーズ「ローハイド」でとうとう主演を飾ります。

しかし、当時保守的だったアメリカの西部劇映画には呼ばれず1964年には
イタリアの映画監督セルジオ・レオーネの「荒野の用心棒」に出演。

これ以降は、イタリアで製作されたマカロニウエスタンの作品「夕陽のガンマン
続・夕陽のガンマン」に出演します。

そして、1960年代も後半になると、ハリウッドにも再び呼ばれるようになり、
奴らを高く吊るせ!」や「荒鷲の要塞」などといったハリウッドの映画に
多く出演するようになりました。

その後、1970年代にうつると、西部劇は衰退するものの、
1971年に出演した「ダーティハリー」を革切りに、刑事映画などに多く出演し、
新しい位置を確立します。

さらに、俳優業だけでなく監督業としても、1971年にサスペンス映画「恐怖のメロディ」で
監督デビューを果たします。

やがて、1970年代~1980年代にかけては新しく始まったハリウッドの復興に大きく貢献。

さらに1990年代には自身が監督した映画「許されざるもの」が
第65回アカデミー賞の作品賞を獲得したことで、名監督としての地位も獲得しました。

現在では監督業を主に中心に行い「リチャード・ジュエル」や
「グラントリノ」「ミスティックリバー」といった作品を製作しています。

1位:刑事映画の革命的傑作「ダーティハリー」


そんな、クリント・イーストウッドの刑事映画の中で最高傑作といえば「ダーティハリー」でしょう。

1971年に製作された本作は、1960年代以降西部劇の没落により衰退傾向にあったハリウッドに新風を
開け、新しいエンターテイメント作品のジャンルとして、刑事映画を生み出すことに成功しました、

本作の舞台は、サンフランシスコで、華やかな街であると同様に
救いのない犯罪が多く行われていました。

主人公のハリーはそんなサンフランシスコ市警で働く刑事で、
朝食を食べながら目の前でおきていた銀行強盗を始末するなど、
街の汚れ仕事を引き受けていました。

そんなハリーは、突如サンフランシスコでおきた連続殺人事件の捜査を担当します。

この連続殺人事件は凶悪な殺人鬼「スコルピオ」によって行われていました。

やがて、スコルピオは罪もない少女を凌辱して殺害するという最低最悪の悪事を強行、
冷静沈着なハリーも激怒し、スコルピオを捕まえることに成功、
その際にリンチを行いスコルピオを負傷に追い込みました。

スコルピオはその際に受けた傷をマスコミに公表、ハリーを逆に訴えます。

さらに無罪放免となったスコルピオは娑婆の世界に出てきて、スクールバスを乗っ取り
再び欲望に包まれた大量虐殺を慣行しようとするのですが、その彼の前にハリーが現れました。

ハリーとスコルピオ、現代社会に生まれてはいけない宿敵の殺し合いがはじまったのでした。

本作に登場する悪役スコルピオはその狂った言動から、
映画史における究極の悪役として現在でも語り継がれています。

確かにスコルピオはいかれているのですが、実は彼を追い詰めるハリーもある意味では
同じ穴のムジナで、狂人ともいえる存在でした。

本作の主人公ハリーは現在に迷い込んできた西部劇のガンマンそのもので、
犯罪者は即殺し正義の鉄槌を叩きこみます。

ハリーは悲しいことに生まれてくる時代を間違えてしまった、
現代に転生した西部劇のガンマンなのです。

当然ですが、現実の警察や刑事がこのようなことをすると、問題が多くあります。

最終的に、そのしがらみがハリーを縛り付けることになります。

実はハリーとスコルピオは合わせ鏡の存在で、
正義を建前に殺人を重ねるハリーと欲望のままに殺戮を重ねるスコルピオはまさに
同族嫌悪的な存在となっています。

この関係はバットマンとジョーカーにも似ています。

本作は世界中で大ヒットし、数多くの亜流作を数多く生み出しました。

しかし、同様に「ダーティハリー症候群」といわれるように、
実際の刑事・警察が犯罪者をうっかり殺してしまう事例が多く確認されるようになりました。

現実社会にも影響を大きく与えた刑事映画の傑作、それが本作「ダーティハリー」となるわけです。

2位:暴走した正義に天誅「ダーティハリー2」


1973年に製作された「ダーティハリー2」は、狂った悪と対峙する狂った正義としての
ハリーの側面は控えめになり、狂った正義である自警団と対峙するハリーの姿が描かれています。

前作と変わらない持ち前の正義感で刑事として活躍していたハリーでしたが、
そんな中マフィアのボスやマフィアの関係者が次々に殺されるという事件に遭遇します。

この事件を捜査していたハリーは、次第にサンフランシスコ市警のグループが率いていた暗殺団が、
この事件の犯人であることを知ります。

さらにこの暗殺団は、同じ刑事仲間もターゲットにしており、
ハリーの友人知人が事件を目撃してしまったがために殺されていたことを知ります。

暗殺団のメンバーはハリーも仲間にならないかと誘いますが、
ハリーは罪もない警官すらも殺す彼らを敵視し、両者は対峙することに。

やがて、ハリーは自分同様の「狂った正義」である暗殺団グループと最後の決戦を行います。

本作は、前作世界的大ヒットで増えてしまった「ダーティハリー症候群」への
ある意味自戒・自己反省的な作品といえます。

ハリーが前作以上に、自分によく似た悪役と対峙することで、
彼の中では許していいことと許してはいけないことがあることを明確にわかれていることを示しました。

3位:脇役もうまかった「パーフェクトワールド」


1993年制作の映画「パーフェクトワールド」は、クリント・イーストウッド監督による
ヒューマンドラマとなっています。

イーストウッドは本作では脇役の刑事役に徹し、主人公はケビン・コスナーに譲っています。

本作のあらすじは、長い間刑務所のなかにいたチンピラが、逃亡先にいた少年を人質にして
そのまま逃避行を重ねていく内に少年とチンピラの間で友情が生まれるというシンプルな
シナリオとなっています。

イーストウッドが本作で演じるのは、主人公であるチンピラを追いかける警察署長役で、
ある意味ではダーティハリーが出世した姿にもだぶっています。

本作でイーストウッドが演じる警察署長は、イーストウッドが長年演じていたダーティハリーと異なり、
犯罪者にも慈悲をあたえ、容赦なく殺そうとするFBIに敵意をみせるような、
良識的な一面を多く持ち合わせています。

また、主人公のチンピラが過去に親に虐待されていた過去を知ると、同情したり、
ハリーほど狂っていません。

ある意味では、ダーティハリーが年を取り、
丸くなった姿としてみると味わい深いものがありますね。

あくまで、主人公たちを追い詰める追跡者側のキャラですが、
そこにはハリーには失われた良識があるキャラとして生み出され、定着することに成功しました。

本作の後味は極めて悪く、陰惨なシナリオとなっています。

しかし、実はイーストウッドの監督作品はこのように
微妙な終わり方をする映画が多くあります。

本作はその代表例といえるでしょう。

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まとめ

今回は、クリント・イーストウッドの出演した刑事映画ベスト4ということで様々な情報をご紹介しました。

・クリント・イーストウッドは、イタリアのマカロニウエスタンなどで活躍した事でハリウッドで「逆輸入」されスターになった俳優
・クリント・イーストウッドの「ダーティハリー」は狂った刑事と狂った殺人鬼の殺し合いを描いた傑作刑事映画
・クリント・イーストウッドの「ダーティハリー2」は狂った刑事同士の殺し合いを描いた映画
・クリント・イーストウッドの「パーフェクトワールド」は、主役ではなく主人公を追い詰める刑事役を演じていた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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