【意外と知らない】芥川賞、直木賞の違いとは?わかりやすく解説!
テレビなどでよく耳にする芥川賞と直木賞。
両者の違いを実は知らないって方、結構多いのではないでしょうか。
両者の違いを知ることで、いつもの読書をより楽しめるようになります。
芥川賞、直木賞の大きな違いはずばり、対象ジャンルの違いです。
以下にて、わかりやすく説明します。
最後までお付き合いいただけますと幸いです。
Contents
●芥川賞、直木賞の基本情報
芥川賞と直木賞は、日本の代表的な文学賞です。
両者とも1935年に創設されました。「文藝春秋」の社長であった菊池寛が、
「文藝春秋」の発展に大きく貢献した芥川龍之介、直木三十五を記念して創ったと言われています。
選考会は、毎年7月(上半期)と1月(下半期)の年2回です。(芥川賞、直木賞どちらも同じ)
●芥川賞、直木賞の違い
芥川賞、直木賞の大きな違いは対象ジャンルの違いです。
・芥川賞の対象ジャンルは、「純文学」
・直木賞の対象ジャンルは、「大衆文学」となっています。
では、「純文学」と「大衆文学」とはそれぞれどんな文学ジャンルなのでしょうか。
以下にてわかりやすくお伝えいたします。
●純文学とは
純文学とは一般的に「文学性、芸術性に重きを置いた作品」と言われています。
ストーリー展開よりも、文学とは何かといった文学性を大切にしていたり、
人間の本質や心を解き明かしたり、そういった作品が多いです。
そのため、ストーリー展開がわかりにくく、
難解だと言われてしまうことも多いです。
ですが、作者の文学に対する熱い想いを感じることができたり、
洗練された美しい文章に触れることができるのが純文学の魅力です。
純文学に触れることで、自分の中の文学性が大きく広がることは間違いないです。
現代の純文学作家は、羽田圭介さん、村田沙耶香さん、又吉直樹さん、
平野啓一郎さん、川上未映子さんなどがいます。
●大衆文学とは
一方、大衆文学とは「娯楽性に重きを置いた作品」です。
ストーリー展開がわかりやすく、かつ面白く、誰にでも楽しめる作品が多いです。
読みやすい作品が多いため、普段、あまり読書をしない方でも楽しめると思います。
読書の楽しさを知るのにはぴったりのジャンルです。
現代の大衆文学作家は、米澤穂信さん、恩田陸さん、辻村深月さん、
東野圭吾さん、池井戸潤さんなどがいます。
●おすすめ作品
ここでは、歴代の受賞作品の中から個人的におすすめしたい本をわかりやすく紹介します。
*コンビニ人間/村田沙耶香(芥川賞受賞作品)
コンビニ人間は第155回(2016年)に芥川賞を受賞しました。
現在は、翻訳され世界中で読まれている作品となっています。
主人公はコンビニの店員。大学卒業後18年間、ずっとコンビニのアルバイト店員です。
そのため、周りの人から心配され、普通ではないと思われてしまいます。
主人公からの目線で、普通とは何かを模索する作品です。
この作品の大きな魅力は、村田沙耶香さんの独特な世界観が惜しみなく広がっているところです。
コンビニという身近で、狭いテーマの中で、新たな世界の見方を提示してくれます。
それだけでなく、現代における社会問題を含んでいたり、人の深層心理をつついていたりと、
読んでいてドキッとする場面も多いです。
純文学の良さも十分にありながら、とても身近で読みやすい作品です。
*容疑者Xの献身/東野圭吾(直木賞受賞作品)
容疑者Xの献身は第134回(2004年)に直木賞を受賞しました。
後に映画化もされ、人々に広く愛されている作品です。
東野圭吾さんは、日本を代表するミステリー作家です。
容疑者Xの献身についても、秀逸なトリックが使われており、ミステリーとして十分楽しめる作品です。
しかし、それだけでとどまらないのがこの作品の魅力です。
ミステリー作品であると同時に、愛がテーマとなっている作品です。
人の葛藤や感情の動きが繊細に描かれていて、読者の心も揺さぶられます。
直木賞受賞作品ではありますが、純文学のような要素もあり、奥深い作品だと思います。
●まとめ
以上、芥川賞と直木賞の違いについてわかりやすく説明させていただきました。
どちらが良いという訳ではなく、それぞれに良さがあります。
これを機に、歴代の受賞作品を読んでみてはいかがでしょうか。
きっと、新たな発見ができ、読書の楽しみがひろがるはずです。