【噂の真相】貴志祐介の傑作のひとつ『悪の教典』。続編が書かれるという噂は本当?

ホラー、SF、ミステリと幅広い分野で傑作と言われる小説を書いている貴志祐介

アニメ化、実写化された作品も多くありますが、
今回取り上げる『悪の教典』も漫画映画化されています。

映画は2012年に公開され、初日二日で動員21万人以上。

映画顧客動員ランキングで、初登場第2位という記録を残しています。

監督は、バイオレンス映画といえばまず思い浮かぶ三池崇史

主演は伊藤英明。生徒役として二階堂ふみはじめ
林遣都、伊藤沙莉、松岡茉優ら今や若手ホープの役者が配されているのです。

読むより観ました!という方も多いのでは。

『悪の教典』は山田風太郎賞を受賞し、直木三十五賞、吉川英治文学新人賞候補となっていて、
文学作品としても高く評価された作品。

けれど『悪の教典』はバイオレンス・ホラーサスペンス

人間の心の奥底に隠されている狂暴な衝動を、えぐるように描いた傑作といえるでしょう。

そんな貴志祐介の『悪の教典』。

「続編」の噂も気になるところ、
どんな小説か語ってみたいと思います。

どうぞお付き合いください!


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●貴志祐介の『悪の教典』、その主人公とは?


全く貴志祐介の『悪の教典』を知らない方もいらっしゃるでしょうから、
ざっと登場人物を紹介しますね。

主人公は蓮実聖司。

高校の英語教師で、爽やかな外見と滑らかな弁舌で、
親衛隊がいるくらい生徒に人気があります。

生徒指導にも進んで関わり、
問題児を積極的に預かるなど教育熱心ないい教師。

と思いきや、少しずつ言動や行動に異様なものが見えてくるんですね。

蓮実には実は感情がないのです。

共感出来ないので人の痛みも想像できない。

そんな自分に気づいた賢い蓮実は、心理学の専門書を読み込み、
感情のパターンをどんどん収集して正しい反応を学んでゆくのです。

彼が作りたいのは自分の王国

美しい女性を集め、自分の思ったように組織を動かせる場。

それを今勤務している高校で実現しようと、
教師を、生徒をうまく取り込もうとします。

しかしその障害になると感じたものは、
ためらいなく殺害して排除する恐ろしい人間だったのです。

●貴志祐介の『悪の教典』、登場人物たち


蓮実の異常さにいち早く気付くのが、
担任しているクラスの生徒・片桐怜花。

勘が鋭く、この人は危険と信号が点滅するのです。

怜花がそう感じるのは蓮実だけでなく、あと3人の教師からも不穏なものを感じるのですから、
この学校相当ヤバいですよね。

その中には、乱暴で、平気で生徒を脅す教師や、
自分が消した遺体を床下に埋めている教師もいて
徐々にバイオレンス色が強まってきます。

蓮実のとりことなった生徒・安原美彌、
蓮実の仕掛けた罠にはまって退学させられた蓼沼将大、気づきすぎて排除された早水圭介、
その他担任している生徒たち。

生徒と関係を持つ養護教員や、事なかれ主義の教頭、
同性愛者の教師など数十名の登場人物。

誰が誰やらとこんがらがりそうですが、そこは達者な書き手貴志祐介。

こんな多くの登場人物達でも、一人一人丹念に丁寧に描写され、
関係性に悩むことなくスイスイ読めますよ。

●監督・三池崇史がほれ込んだ貴志祐介の『悪の教典』

賢い蓮実は、自分が怪しまれないよう考え抜いて凶行に及んできますが、
それでも怪しむ生徒が出てきて、ついに蓮実はクラス全員を消すことにします。

そして始まる、サイコパスの本性が露になる衝撃のシーン。

怖いのは、蓮実が何を思いながら、
次々と生徒たちを消していくのかが丁寧に綴られていること。

貴志祐介自身にもこんな無機質な、
残忍な思いがあるのかと疑りたくなるほどリアルに描写され、
ずっと背筋が寒い思いで読んでいました。

しかし正直言うと、ある意味爽快…。

『この人さえいなければ…』と思ったことが
誰にも一度くらいあるのでは?

排除の仕方は究極の方法ですが、
読みながらストレスが解消されている気分になるのも否定できませんでした

サイコパス蓮実の奴隷になったとまで言ったのは、
映画『悪の教典』を監督した三池崇史。

蓮実の殺人は、自分の居場所を確保するため。

殺人が目的の連続殺人犯ではないと喝破し、
蓮実のダークな魅力にすっかり魅入られ続編への意欲を語っています。

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まとめ

『悪の教典』は、逮捕されたものの
心神喪失を装う蓮実が極刑を免れるのでは、という恐ろしい予想を残して終わっています。

決着がついていないような終わり方で、
続編が書かれる可能性は十分あると思われます。

三池監督からも続編希望の熱烈ラブコールがあり、
貴志祐介自身も続編を書きたいと語っているとか。

「すでに次のゲームは始まっている」と、生き残った生徒が感じている通り、
今頃そのゲームが続編として書かれているかも。

壮大なバイオレンス・エンターテイメント、『悪の教典』。

変わらない日常にモヤっとしているなら、ぜひ一読を。
あなたの霧を晴らす一撃をきっとくれるはず。

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

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