池井戸潤の「ルーズヴェルト・ゲーム」が心のモヤモヤを晴らす理由
職場の人間関係などに疲れてしまったとき、
少し違う世界に身を置きたいと思うことがあるかもしれません。
そんな時、一人で簡単に違う世界に没入できるのが読書です。
会社員生活に疲れて果てた人たちを勇気づける作品をここでは紹介しましょう。
半沢直樹シリーズで有名な池井戸潤の書いたルーズヴェルト・ゲームです。
お目当ての本を見つける。
満足のいく読書になるかどうか、一番重要なのはどんな作品を読むかです。
作品ありきでこの趣味の時間を豊かにできるかどうかが決まるといって過言ではないでしょう。
私のような30代半ばの男性が、女子中学生の淡い恋愛小説を読んでもなかなか共感することは難しいかもしれません。
自分が共感できそうな物語、
面白いと評価を受けている作品を探すことが第一歩としては無難です。
読書の好きな人は、本屋を巡る時間自体も楽しむ人が多いように思います。
当てもなく売り場を巡っているようでいて、
書店員さんのポップや、雑誌に載っている書評。
Amazonのランキングなど様々な情報を取っ掛かりにして作品を探します。
ですが、万人に勧められる作品というのも世の中にはあるのです。
堺雅人主演で有名なドラマ、半沢直樹シリーズの原作者、池井戸潤をご存じでしょうか。
池井戸作品の多くは会社員なら誰でもこういうことあるよなという、
会社員のやるせなさが下敷きとなっています。
上司からの理不尽な要求と、逆らうものには出向で翻弄される半沢の姿はまさしくその象徴でしょう。
そして、この作品にはそうした会社員たちの
ムカムカを晴らしてくれる爽快感ある展開があります。
色々あるけど、胸糞な展開にはならない、よかったなという落ちが待っている、
人に安心して勧められる所以がここにあります。
もちろん、半沢のように上司の不手際や不祥事を追及して土下座させる、
そんなことは会社員には起こりえません。
多分コンプライアンス的にもあってはならないことのはずです。
こうした現実には起こりえない展開が起こってしまうことが
魅力の一つかもしれません。
中小企業野球部を舞台にした物語
さて、本日紹介する池井戸潤のルーズヴェルト・ゲームも、
そうした会社員をスカッとさせてくれる作品の一つです。
気になるのはこの題名ってどんな意味があるのかということですよね。
アメリカ大統領を連想する方もいるでしょう。
私も政治的なドラマを描いた作品なのかしらと思いました。
作品を読み進めていくとわかりますが、
アメリカ大統領であるフランクリン・ルーズヴェルトが、
1番おもろい野球のスコアは8対7なんだといったのが由来とのこと。
どちらかが圧倒的に勝利するワンサイドゲームではなく、1対0というような投手戦でもない、
互いのチームの打者が打ち合い、点差をひっくり返すような展開のある試合ということですね。
甲子園などを見ていると、
試合展開が進むごとにこのチームが勝つんだろうなという雰囲気が出てきます。
でも、どこかの段階でちょっとした守備のファインプレー、根性の走りで一塁に出た打者、
個人のちょとしたプレーが試合の雰囲気を変え、
やがては点差をひっくり返す大逆転劇につながるということがあります。
この大逆転が池井戸潤のルーズヴェルト・ゲームでもあるわけです。
お話の大筋はこのようなものです
ある経営がうまくいっていない中小企業。そしてその会社の野球部が舞台。
この企業、野球部は様々な問題を抱えています。
経営不振に喘ぐ中小企業の社長、そして新任の野球部監督がどう組織を変えていくのか。
そしてライバル企業等の汚い手に打ち勝つのかというのが
池井戸潤のルーズヴェルト・ゲームの見所なのです。
まとめ
いきなり読書はなかなか、という方は先にドラマを見るという手もあります。
池井戸潤のルーズヴェルト・ゲームはTBSでドラマ化されており、唐沢寿明さんが主演しています。
ドラマで大筋をつかんだうえで、本を読みストーリーに浸る。
これも楽しみ方の一つになるのかもしれません。