レオナルド ディカプリオ主演映画『ディパーテッド』について徹底解説
レオナルド ディカプリオが主演を務めた『ディパーテッド』は
2006年に公開されたアメリカ映画です。
マフィアへの極秘潜入捜査を命じられた若き警察官
ビリー・コスティガンとボストン警察に潜入したマフィアに
育てられた警察官コリン・サリバンの姿が描かれます。
『タクシードライバー』で知られるマーティン・スコセッシが監督を
務め、第79回アカデミー監督賞を受賞し、
製作を務めた俳優ブラッド・ピットはアカデミー作品賞を
受賞しました。
アカデミー作品賞、監督賞の他に脚色賞と
編集賞も受賞しました。
レオナルド ディカプリオが主演を務めた映画
『ディパーテッド』について徹底解説していきます。
●1:『ディパーテッド』のストーリーは?
犯罪と貧困が渦巻くアメリカ・マサチューセッツ州ボストン南部。
ビリー・コスティガンは犯罪者の家系に生まれ育ち、
過去から訣別することを夢見て警察官を志します。
ボストン南部を牛耳るマフィアのボス、
フランク・コステロに育てられた青年コリン・サリバンは
富と権力を夢見て警察官を目指しました。
お互いの正体を知らないまま2人の男たちは
それぞれの道を歩き始めます。
ビリーは自らが犯罪者へ身を落とし、
コステロの犯罪組織へ極秘潜入捜査を命じられます。
コリンは育ての親であるコステロのためにマフィア撲滅作戦の
最前線に立ちながら警察の捜査情報をコステロに提供していきます。
正体を知られたら命を奪われてしまうという危険と隣り合わせの
状況の中、警察内部とマフィア内部で内通者探しが始まります。
死と隣り合わせの瀬戸際で展開する緊迫感に満ちたストーリーが
展開されていくクライム・サスペンス映画です。
公開時に映画館で鑑賞しました。マフィアに潜入した警察官と
警察へ潜入したマフィアに育てられた青年を描くという内容に
惹かれました。
2回も映画館で鑑賞しましたが、レオナルド ディカプリオと
マット・デイモンが演じた人物の心の内を知ることができれば
と思いました。
ハリウッドで人気を誇るレオナルド ディカプリオとマット・デイモンが
主演を務めているだけに面白い映画だと期待をしていただけに、
少しだけ物足りなさを感じました。
●2:外国映画のリメイクでアカデミー作品賞を受賞した
レオナルド ディカプリオが主演を務めたクライム・サスペンス映画
『ディパーテッド』は2002年に公開された香港映画
『インファナル・アフェア』のリメイク作品です。
『ディパーテッド』は外国映画のリメイク作品として
初めてアカデミー賞で作品賞を受賞しました。
香港映画『インファナル・アフェア』はマフィアに潜入する
捜査官ヤンをトニー・レオンが演じ、警察に潜入するマフィアの
男ラウをアンディ・ラウが演じています。
マフィアに潜入した警察官ヤンとマフィアを裏切って
善良な人間になろうとするラウの姿が対照的に描かれていきます。
『インファナル・アフェア』はその後シリーズ化され、
2003年に2作目『インファナル・アフェア 無間序曲』と
3作目『インファナル・アフェアIII 終極無間』が公開されています。
リメイク作品であるレオナルド ディカプリオ主演の映画
『ディパーテッド』には有名俳優が出演する予定でした。
レオナルド ディカプリオ演じる刑事ビリーにマフィアへの潜入捜査を
命じるクイーナン警部役にはオスカー俳優ロバート・デ・ニーロが
候補になっていましたが、
『グッド・シェパード』を監督するために辞退しました。
精神科医マドリン役にオスカー女優ケイト・ウィンスレットと
オスカー女優ヒラリー・スワンクが候補になっていましたが、
『クライシス・オブ・アメリカ』や『オータム・イン・ニューヨーク』
などに出演していたベラ・ファーミガが起用されました。
ブラッド・ピットは主演を務める予定でしたが、
主役を演じるには年齢差が生じてしまうことから製作を務めました。
映画『ディパーテッド』で主演を務めたレオナルド ディカプリオは
ロバート・デ・ニーロ監督作『グッド・シェパード』の
主人公役を演じることに興味を持っていたことから
依頼を受けましたが、『ディパーテッド』の撮影に入っていたために
マット・デイモンに主人公役が渡りました。
●3:「無冠の名監督」と呼ばれた監督がアカデミー監督賞を受賞
レオナルド ディカプリオが主演を務めた映画『ディパーテッド』で
監督を務めたのはマーティン・スコセッシです。
アメリカ・ニューヨーク州出身で、
幼い頃から映画に親しんでいました。
ニューヨーク大学映画学部に在籍し、
短編映画を監督していました。
ハーベイ・カイテルを主演に起用した1969年の初の長編映画
『ドアをノックするのは誰?』を監督して注目され、
1972年に『明日に処刑を...』でも監督を務めました。
1973年にロバート・デ・ニーロが出演した映画
『ミーン・ストリート』を監督し、
1976年の映画『タクシードライバー』で
カンヌ国際映画祭の最高賞である「パルム・ドール」を獲得します。
ライザ・ミネリとロバート・デ・ニーロが出演した1977年の
ミュージカル映画『ニューヨーク・ニューヨーク』が批評的にも
興行的にも失敗してしまいますが、
実在のボクサーを描いた1980年の映画『レイジング・ブル』で
アカデミー監督賞にノミネートされ、実在のボクサーを
徹底的なまでの役作りで演じたロバート・デ・ニーロに
アカデミー主演男優賞をもたらしました。
実在のギャングを描いた1990年の映画『グッドフェローズ』では
ジョー・ペシにアカデミー助演男優賞をもたらし、
2004年の映画『アビエイター』ではケイト・ブランシェットに
アカデミー助演女優賞をもたらしました。
1980年の映画『レイジング・ブル』でアカデミー監督賞に
ノミネートされますが、『レッズ』を手掛けた
俳優ウォーレン・ベイティがアカデミー監督賞を受賞しました。
1990年の映画『グッドフェローズ』でもアカデミー監督賞に
ノミネートされますが、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』を
手掛けた俳優ケビン・コスナーがアカデミー監督賞を受賞しています。
2004年にレオナルド ディカプリオを主演に起用した映画
『アビエイター』でアカデミー監督賞にノミネートされた際には、
『ミリオンダラー・ベイビー』を手掛けた俳優
クリント・イーストウッドが史上最年長の73歳で
アカデミー監督賞を受賞しました。
評価の高い作品を監督しているにもかかわらず、
アカデミー賞受賞には縁がないという「無冠の名監督」でしたが、
2006年の映画『ディパーテッド』でアカデミー監督賞と
作品賞を受賞しました。
『ヒューゴの不思議な発明』、イギリスの名優
ダニエル・デイ=ルイスを起用した
『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』、『最後の誘惑』、
『クンドゥン』、『カジノ』、『アイリッシュマン』なども
監督しています。
まとめ
レオナルド ディカプリオが主演を務めた映画
『ディパーテッド』について解説してきました。
『ディパーテッド』は香港映画『インファナル・アフェア』の
リメイク作品であることがわかりました。
外国映画のリメイク作品として初めてアカデミー作品賞を受賞した
作品である『ディパーテッド』には
ロバート・デ・ニーロ、ブラッド・ピット、ヒラリー・スワンク、
ケイト・ウィンスレットというアカデミー賞受賞者が
出演する予定であったこともわかりました。
レオナルド ディカプリオをマット・デイモンという共に
アカデミー賞を獲得している俳優が出演していて、
2人が共演するシーンがあるのかどうか気になります。
オリジナル作品である『インファナル・アフェア』と
リメイク作品である『ディパーテッド』との違いを比較しながら
鑑賞してみてはどうでしょうか。