トム クルーズが出演した『マグノリア』とは? 彼の役柄と共に解説
トム クルーズが出演した『マグノリア』は1999年に公開されたアメリカ映画です。
監督は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『ファントム・スレッド』、
『リコリス・ピザ』などを手掛けたポール・トーマス・アンダーソンが務めました。
映画の舞台はアメリカのロサンゼルスで、最期の時を迎えようとする
テレビの大物プロデューサーと彼が昔捨てた息子、
プロデューサーの若い妻、看護師、テレビのクイズ番組の司会者など、
一見すると全くつながりがないように思える12人の男女を描く群像劇です。
第72回アカデミー賞で脚本賞、歌曲賞、助演男優賞の3部門にノミネートされました。
●1:トム クルーズが『マグノリア』で演じた役とは?
トム クルーズが映画『マグノリア』で演じたのは、
自己啓発セミナーでモテない男たちに女性の口説き方を教えている
フランク・T・J・マッキーという名前の男です。
そのセミナーは「女を誘惑してねじ伏せろ」というテーマです。
下品な言葉を次から次へと口にしながらも教祖とあがめられる役です。
ステージの上を右に左にと動き回り、セミナー参加者から拍手されています。
困難を乗り越えるアメリカ海軍のエリートパイロット、
クライアントに尽くすスポーツエージェント、反戦運動に取り組むアメリカ海兵隊員、
法律事務所の不正を知る弁護士と、過去に演じてきた役柄は正反対です。
トム クルーズは『マグノリア』では主役という位置づけではないです。
12人の群像劇に登場する人物のひとりですが、
トム クルーズが主役と思ってしまいます。
トム クルーズは映画『マグノリア』でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。
●2:監督はポール・トーマス・アンダーソンが務めた
トム クルーズが出演した映画『マグノリア』で監督を務めたのは
ポール・トーマス・アンダーソンです。
1996年に映画『ハードエイト』で長編監督としてデビューしました。
1997年には『ブギーナイツ』が公開され、
アカデミー脚本賞にノミネートされたことで映画監督としての地位を
確かなものにしました。
1999年にはトム クルーズら有名スターを起用した群像劇『マグノリア』を監督し、
第50回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞し、高い評価を得ます。
2002年の映画『パンチドランク・ラブ』ではアダム・サンドラーを主演に起用し、
悲壮感漂う男を演じさせ、強烈で一風変わった世界観が好評を得て、
カンヌ国際映画祭監督賞を受賞しました。
2007年の映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』では
ベルリン国際映画祭監督賞を受賞しました。
イギリスの名優ダニエル・デイ=ルイスが非道な石油王を怪演した
この映画でデイ=ルイスをアカデミー主演男優賞受賞に導きました。
2012年の映画『ザ・マスター』では、新興宗教の教祖とそのカリスマ性に
引き寄せられていく男を描いて第69回ベネツィア国際映画祭監督賞を受賞しました。
カンヌ、ベルリン、ベネツィアと世界三大映画祭全てで監督賞を受賞した監督です。
2017年の映画『ファントム・スレッド』では、
2017年の映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来
2度目となるダニエル・デイ=ルイスとタッグを組みました。
ダニエル・デイ=ルイスはファッションデザイナーを演じて
アカデミー主演男優賞にノミネートされました。
レズリー・マンビルがアカデミー助演女優賞に、ジョニー・グリーンウッドは
アカデミー作曲賞に、ポール・トーマス・アンダーソンは
アカデミー監督賞にノミネートされました。
マーク・ブリッジスはアカデミー衣装デザイン賞にノミネートされ、受賞を果たしました。
●3:アカデミー受賞者が出演している
トム クルーズが出演する映画『マグノリア』には
アカデミー賞を受賞した俳優も出演しています。
末期癌で療養している元番組プロデューサーを1976年の映画『大統領の陰謀』と
1977年の映画『ジュリア』でアカデミー助演男優賞を2年連続で受賞した
ジェイソン・ロバーズが演じています。
最初にアカデミー助演男優賞を受賞した映画『大統領の陰謀』では、
ワシントン・ポスト紙の実在の編集主幹ベン・ブラッドリーを演じていました。
ロバート・レッドフォードが演じる実在の記者ボブ・ウッドワードと
ダスティン・ホフマンが演じる実在の記者カール・バーンスタインを叱咤激励する姿が
印象的です。
2度目のアカデミー助演男優賞に輝いた映画『ジュリア』では
アメリカの推理小説家ダシール・ハメットを演じています。
ハメットは『マルタの鷹』の作者として有名です。
ジェイソン・ロバーズ演じる元番組プロデューサーの後妻を
ジュリアン・ムーアが演じています。
1993年のサスペンス映画『逃亡者』では医師役を演じ、
ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズと共演しています。
『英国王のスピーチ』でアカデミー主演男優賞を受賞したコリン・ファースと共演した
『シングルマン』、黒人の庭師と親しくなる主婦を演じた『エデンより彼方へ』、
バージニア・ウルフの小説『ダロウェイ夫人』を愛読する主婦を演じた
『めぐりあう時間たち』などの映画に出演しています。
若年性アルツハイマーに冒される言語学者を演じた2014年の映画
『アリスのままで』でアカデミー主演男優賞を受賞しました。
サスペンスの巨匠カーティス・ハンソン監督による映画『ゆりかごを揺らす手』、
ヒットメーカーにして2度のアカデミー監督賞を受賞した
スティーブン・スピルバーグ監督による
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』などにも出演しています。
ジェイソン・ロバーズ演じる元番組プロデューサーに付き添っている
看護師役を演じているのはフィリップ・シーモア・ホフマンです。
『マグノリア』に続いてポール・トーマス・アンダーソンが監督を務めた映画
『ザ・マスター』、『パンチドランク・ラブ』、『ブギーナイツ』にも出演しています。
『ティファニーで朝食を』で知られる作家トルーマン・カポーティを演じた
2005年の映画『カポーティ』でアカデミー主演男優賞を受賞しました。
作家カポーティがノンフィクション小説『冷血』を書き上げていく過程を描いています。
カポーティ本人だと思ってしまうほどの話し方、
しぐさ、声の高さを完璧に身につけたなりきりぶりには脱帽です。
2006年の映画『ミッションインポッシブル3』では
トム クルーズと共演し、ブラックマーケットの商人を演じていました。
『カポーティ』のベネット・ミラーが監督を務め、
ブラッド・ピットが主演した野球映画『マネーボール』、
アンソニー・ミンゲラが監督を務めた南北戦争を題材にした映画『コールドマウンテン』、
俳優ジョージ・クルーニーが監督を務めた政治ドラマ
『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』、
スパイ小説で知られるイギリス人作家ジョン・ル・カレのベストセラーを映画化した
『誰よりも狙われた男』にも出演しています。
まとめ
トム クルーズが出演した『マグノリア』について解説してきましたが、
トム クルーズの他にもアカデミー賞受賞者が3人も出演している豪華な映画です。
監督は世界三大映画祭であるベルリン、カンヌ、
ベネツィア国際映画祭で監督賞を手にしたポール・トーマス・アンダーソンです。
一見すると何のつながりも関係もないように見える男女12人の姿を描いた
『マグノリア』をどのように演出したのか気になっています。
名優ダニエル・デイ=ルイスが出演した映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と
『ファントム・スレッド』は鑑賞しましたが、『マグノリア』も鑑賞したくなりました。