ダイビングを一人で潜るには何が必要?
誰にも邪魔されずに海の底を自在に楽しみたいけど、
ダイビングするには誰かと潜らないとダメ?
日本でそんな場所あるの?
準備は何が必要?
そんな疑問はあると思いますが、
意外にも日本でそれをできる場所は意外と多くあります。
ただし空気の無い水の中、しっかりと準備をしていかないと危険な事態に陥ってしまうことも。
しっかりと事前知識と準備を身に着けてから楽しみましょう。
Contents
ダイビングを一人で潜るということ
ダイビングを一人で潜ることをソロダイビングと言い、
バディダイビング(セルフダイビング)を一人で行うことを指します。
基本的に特定のライセンス保持者が許可された場所で、
必要な装備を持っていれば誰でもできます。
ただし、積極的にソロダイビングを推奨しているショップや機関は少ないです。
それだけ一人で潜るということに対するリスクの大きさが分かっていただけると思います。
それでも好きな場所で時間一杯を好きな海中の写真を撮る。
誰にも邪魔をされずに魚と戯れる。
それに魅力を感じる人が多いのでしょう。
一人で潜るために必要なライセンスは?
ダイビングに必要なライセンスの正式名称は「Cカード」と言い、
Cはcertification(認定)の略となります。
ライセンスと呼ばれることが多いですが国家資格などではなく、
民間の指導団体が発行するものになります。
混同されることがありますが、国家資格の「潜水士」とは別のものになります。
Cカードですが、車の免許証のように特定の発行場所があるわけではなく(車の免許証は各都道府県の公安委員会が発行)、
ライセンス発行を行う団体は日本だけでなく、世界中に複数あり、その中からダイバー本人が自分で選んでライセンスを取得することになります。
そして無事発行されても、いきなりすべての海に潜れるわけではありませんのでご注意ください。
Cカード協議会によればCカード所有者が初めに潜れる場所は
「水深18mまでの範囲で、なおかつ減圧停止をする必要のない範囲」
「頭上に障害物が無く直接水面まで出られる環境」
とされており、そこから追加トレーニングを行うことで、
さらに深い海や様々な場所に潜ることが可能となります。
一人で潜るメリット
自由に深く潜ることができる。
バディを組んでも潜ることはできますが、相手との技量が合わないと厳しく、
かつ見たいものが違う場合、なかなか自分の見たいものにすべての時間を使うのは難しいですよね。
そんなときに一人で気のすむまで堪能できるのが最大のメリット。
ライセンス取得直後では潜れる場所も限られますが、
18mという深さはガイド付きで行う数mのダイビングとはまるで別物。
海面近くでは見られなかった様々な海の生き物やサンゴなどを観察できるうえに、海の色もより深い青へ。
その濃紺な空間は数多のダイバーを見惚れさせてしまう程。
また海底に行くほどきつくなる水圧や、冷たくなる水温も周りを観察するには問題ないレベルなので、
総じて一人の世界を楽しむことができるでしょう。
また一人でほぼすべてを行うため、かかる費用がタンク代+船台のみとなる場合が多く、
低価格で行うことが可能となります。
海は自然の大部分を占めるものなので、同じ景色は二度としてなく、
潜るたびに違う顔をダイバーに見せてくれます。
そこに引き込まれてしまうと同じ場所であっても何度も潜ってみたくなるもの。
そうするとどうしてもお金がかかってしまいます。
その時にいつでも低価格で潜れることは最大のメリットと言えるでしょう。
一人で潜るデメリット
危険が伴う
。
メリットの大きさに対して同じぐらいデメリットが大きいのもソロダイビングの特徴と言えるでしょう。
積極的に進めないどころか、基本的にバディを組んで潜水するのが普通と言われるぐらい危険が伴うからです。
潜る場所にもよりますが、もしもレギュレーターの不具合やタンクそのものに異常があった場合でも
バディがいればボンベを共有してすぐさま戻ることができます。
しかしもしも足が何かに絡まってしまったら?
潮目が変わって流されてしまったら?
そんな時でも自分でなんとかしなくてはいけません。
相手は自然です。人間では想定できない変化を起こす時もあるでしょう。
地上にいても50cm程度の津波で人は立っていられないとされています。
それが全身となれば抗うことが厳しいのは想像に難くないでしょう。
また流されて定置網に引っかかってしまった時に冷静に紐を切ることができますか?
もし絡まった部位が手の届かない場所なら?
そういう事態も想定して行わなければなりません。
定置網に引っかかってしまうのは珍しくない事故なのです。
こういった最悪の状態の予想も含めて綿密に計画を練らなければならず、
ダイビングを手軽に行えなくなるというが最大のデメリットでしょう。
最後に
一人で潜る時はなるべく予備の空気源を持つなど充分なリスク管理と計画をもって、
自身の能力を超えた潜水は行わないようにしましょう。
また、新たな地域でダイビングするためには、
その地域のプロからアドバイスを受けたり、ルールを守るようにしてください。
最後に重ねていいますが、ソロダイビングはとてもリスクが高いダイビングです。
当然責任も大きく自分の命だけでなく家族や地域、
ほかのダイバーの迷惑になることも承知したうえで行ってください。
誰もいない濃紺の海底はとても静かでまるでこの世のものではない景色を見せてくれるでしょう。
それはまるで涅槃のように静かにあなたを包むかもしれません。
でもそれは生きて見るから美しいのであり、本当の涅槃に行ってはいけません。
生きているからこそ、景色は美しいのです。