ダイビングのボンベってどんなもの?大容量を使うデメリットも紹介
ダイビングのボンベは、呼吸するために必要な空気を水中に持ち込むための、
「金属の入れ物」です。日本では「10リットル」の容量がよく使われています。
ダイビング中にボンベの空気が早く減ってしまう場合、
「容量が大きいボンベを使いたい」と考える人もいるかと思います。
しかし、ボンベの容量は、大きくてもデメリットがあるので注意が必要です。
そこで今回は、ダイビングのボンベについて。
「材質」や「サイズ」の違いと、容量の大きいボンベのデメリットを、詳しく解説します。
Contents
●ダイビングのボンベとは
ダイビングのボンベは、潜るために必要な空気を水中に持っていくための「入れ物」です。
ダイビング用語では、「タンク」と呼びます。海外では、「シリンダー」とも言うみたいです。
ボンベには、空気を圧縮して詰め込みます。なぜなら、ダイビングでは何十分も水中で活動するからです。
その間もずっと呼吸できるように、たくさんの空気を水中に持っていく必要があるのです。
ボンベの中には、金属が錆びないように「乾燥した空気」が入っています。
ボンベは、「外からの水圧」「中からの圧縮した空気の圧力」に耐えられるように、
丈夫な金属で作られています。
地上では重く感じますが、水中に入れば水の浮力でほとんど重さを感じません。
そのため、「か弱い女性」や「年配の人」でも、ボンベの重さを気にせずダイビングできるのです。
●ダイビングボンベの材質は2種類
ダイビングボンベの材質は、「スチール」と「アルミニウム」の2種類あります。
材質によるボンベの大きな違いは、浮力です。
スチールは、水中で浮力がマイナスなので、常に沈みます。
それに対し、アルミはダイビングの後半になって中の空気が減ると、浮力がプラスになり浮いてくるのです。
ボンベが浮いてきても潜り続けられるように、
アルミはスチールよりも「1-2キロ」ほどウエイトを増やす必要があります。
スチールとアルミは、どちらが良い悪いはないですが、私はスチールの方が好きです。
なぜなら、サイズが小さめなので海の中でじゃまにならず、
浮いてこないのでウエイトが軽くて腰に優しいからです。
私のように、人によってはボンベの材質の「好き嫌い」があります。
ただし、普通はダイビングショップでどちらか片方の種類を用意しているので、自分の好みでは選べません。
●ダイビングボンベの容量は大きいほうがいいの?
ダイビングのボンベは、「材質の違い」のほかに、「容量の違い」もあります。
容量とは、ボンベに入る「空気の量」のことです。
ボンベの容量には、6リットル、8リットル、10リットル、12リットル、14リットルがあり、
日本国内では「10リットル」が一般的です。
通常は「10リットル」を使うけど、
空気が早く減る人(エアの消費が早いという)のために「12リットル」をいくつか用意しているショップもあります。
ボンベの容量が大きい方が、水中に長く潜っていられます。
なぜなら、中に入っている空気の量が多いので、
長い時間呼吸ができるからです。ただし、ボンベのサイズも大きくなります。
ダイビングを始めたばかりだと、「エアの消費の早さ」を悩む人も多いです。
そういう人は、なるべく容量が大きいボンベを借りたいと考えるかもしれません。
しかし、容量が大きいボンベにも「デメリット」があります。
それは、
・浮力の影響を受けやすい
この2つです。
*ボンベが大きいと動きにくい
水の中では、浮力がつくのでボンベの重さは気にならなくなります。
しかし、ボンベの容量が大きくなるほど、サイズも大きくなります。
ボンベのサイズが大きいと、狭いところを通りにくかったり、
船のロープなどに引っ掛かりやすくなったりと、水中で動きにくくなってしまうのです。
*大きいボンベは浮力の影響を受けやすい
アルミニウムのボンベは、中の空気が減ると浮きやすくなります。
なぜなら、空気が減っていくほど浮力がプラスになっていくからです。
一方、スチールは、常に浮力がマイナスなので、この現象はおきません。
アルミは、ボンベの容量が大きいほど、中の空気が減ってきたときに浮きやすくなります。
ボンベが上に引っ張られる感覚なので、潜りにくかったり写真を撮りにくかったりします。
さらに、ボンベが浮いてくると、
「中性浮力の調整」のためにBCの空気を出し入れも多くなり、呼吸以外でもたくさん空気を使ってしまうのです。
●ボンベの容量よりもエア持ちと楽しむ気持ちが大事
「エアの消費が早い人」が、容量の大きいボンベを使いたい気持ちはよく分かります。
私も昔はエアの消費がかなり早く、他のダイバーと同じ時間を潜れませんでした。
もっと長く潜りたくて、ダイビングショップで教わった「エアの消費が長持ちするコツ」を続けたところ、
100本を超えた頃から、気にならなくなりました。
このように、「エアの消費」は、努力すれば少なくできます。
ただ、「エア」ばかりを気にしてダイビングを楽しめないようでは、逆にもったいないです。
なぜなら、神経質になると呼吸が増えて、
余計に「エア」も消費してしまうからです。
まずは「楽しむ」のを優先して、余裕がでてきたら少し工夫して潜ってみてはいかがでし