【スノボのアイロンは必要?】歴10年超のボーダーが自身の経験からアイロンの必要性について解説。
スノーボードにアイロンは必要です。
正確には、
「アイロンをしなくても問題ではないけど、滑走性能を維持するためには必要」
ということになります。
特に3月中旬〜下旬からの春シーズンでは必須のお手入れと言えます。
春は雪が溶けてきて水を含んだコンディションになるとともに、
シーズン中の汚れや黄砂なども影響して、スノーボードはかなり滑りが悪くなります。
今回の記事では、「アイロンをしないと起こる弊」、
「アイロンをするメリット」、「アイロンをするタイミングとそのやり方」、
の3つの項目に分けて、
スノボ歴10年以上のボーダーが自身の経験をもとにアイロンの必要性を解説します。
●アイロンをしないと起こる弊害
アイロンをしないと起こる弊害は主に以下の4つが挙げられます。
1.滑走性の低下
アイロンを使わずにワックス処理を怠ると、
ボードのベース(底面)が不均一なままになります。
また、ワックスを塗っていないベースは静電気を起こしやすく、
雪面の汚れがつきやすい状態になります。
特に春シーズンの雪は汚れが多く、また水分を多く含んで重くなるため、
滑走性能に大きく影響します。
アイロンがけをせずにワックスが取れている状態では、
ボードが雪に掴まれているような感覚があり、なかなか思うように滑ってくれません。
2.エッジ(板の縁の部分)の劣化
ワックス処理を怠ると、雪との摩擦が増加し、
スノーボードのエッジの劣化を早めてしまう可能性があります。
いわゆるコーティングが取れている状態になるため、
凍った雪や折れた枝の上を滑ったときに削れやすくなってしまいます。
3.グラフィック(板のデザイン)の損傷
定期的なアイロン処理がないと、雪や氷の影響でボードのグラフィックが損傷しやすくなります。
2番のエッジの削れと同様に、底面全体のコーティングが剥がれた状態となり、傷がつきやすくなります。
4.スノーボードの寿命短縮
ベースの保護が不十分なまま使用すると、スノーボード全体の寿命が短くなり、
修理や交換が早まる可能性があります。
エッジの削れやグラフィックの損傷のほかに、板が水を含みやすくなり、
全体的な劣化につながる恐れがあります。
●アイロンのメリット
ではアイロンはどのようなメリットがあるのでしょうか。主に以下の4つが挙げられます。
1.摩擦軽減
アイロンを使ったワックス処理により、
雪との摩擦が軽減され、スノーボードの滑走性能が向上します。
2.グラフィックの保護
アイロンでワックスを溶かしてボードに塗布することで、ベース(底面)のグラフィックを保護し、
傷がつきにくくなるとともに、耐久性を向上させます。
3.様々な雪質への適応
アイロンでワックスを塗布することで、様々な雪質に合わせて、
スノーボードの性能を最適化することができます。
先述の通り、特に春シーズンの雪質では滑走性能が落ちるため、アイロンの使用をおすすめします。
4.長寿命化
定期的なアイロンワックス処理は、ベースやエッジの保護だけでなく、
スノーボード全体の寿命を延ばし、良いコンディションを長く維持することができます。
水が浸透するのを防いだり、雨風から板を守ってくれる効果も期待できます。
●アイロンをするタイミングとそのやり方
✳︎アイロンがけをするタイミング
1.シーズン前の準備段階
スノーシーズンが始まる前に、ボードに対して初めてのアイロンワックス処理を行います。
これによりベースが保護され、シーズン全体での滑走性能が向上します。
2.シーズン中の定期的なメンテナンス
スノーボードを数回使用した後や、特に吹雪や湿雪の影響を受けた場合、
定期的なアイロンワックス処理をすると良いでしょう。
これによりシーズン中もボードの性能を維持することができます。
人によって1日の滑走回数や時間などは異なるため、
実際にベース(底面)を手で触ってみて、ワックスが残っているか確認すると良いでしょう。
✳︎アイロンのやり方
1 クリーニング
汚れ落としオイルやスクレーパー(ワックスを削り取る定規のような道具)を使用して
ボードのベースをきれいにし、古いワックスや汚れを取り除きます。
2 ワックスの選択
適切な気温や雪質に合ったワックスを選びます。
冷たい条件では硬いワックスが、温かい条件では柔らかいワックスが適しています。
自身の行くスキー場の気温に合わせたアイロンを選ぶことがベストですが、
難しい場合は中間のもの(0℃〜5℃程度)を選ぶと良いでしょう。
3 アイロンの準備
アイロンを適切な温度に設定し、ワックスを溶かす準備をします。
4 ワックスの塗布
アイロンでワックスをボードに塗布します。
アイロンでワックスを溶かしながら均等に広げるよう心掛け、余分なワックスは拭き取ります。
5 冷却と硬化
ボードをしばらく冷ますことで、ワックスがベースにしっかりと浸透し、硬化します。
アイロン直後に滑走してしまうと、ワックスが十分に浸透していないため、すぐに取れてしまう可能性があります。
6 スクレーピング
十分に冷ましたあとは余分なワックスをスクレーパーで削り取り、ベースを滑らかに仕上げます。
ただ塗るだけではワックスの凹凸が残るため、それを平らにしていくことでより滑走性能が向上します。
7 ブラッシング
ブラシを使ってベースを磨き、仕上げの手入れを行います。
ベース全体をまんべんなくブラッシングしてください。
まとめ
今回の記事では、スノボのアイロンの必要性について解説しました。
アイロンをしないと起こる弊害とアイロンのメリット、またアイロンがけをするタイミングとそのやり方を以下に改めてまとめます。
アイロンをしないと起こる弊害
・滑走性能の低下(特に春シーズンはかなり滑りが悪くなる)
・エッジやベース(底面)に傷が入り劣化を早めてしまう
アイロンのメリット
・滑走性能が向上する
・エッジやベースが傷つきにくくなる
・板の寿命が長くなる
アイロンをするタイミング
・シーズンインする前
・シーズン中に数回(頻度は個人で異なるため、手で触って確かめると良い)
アイロンのやり方
クリーニング→アイロンの選択・塗布をする準備→ワックスを溶かしてアイロンがけ→冷ましてワックスを固める→スクレーパーとブラシでワックスを均一にならす
また、最近ではアイロンを不要とする簡易的なワックスも販売されています。スノーボードのお手入れはもちろんアイロンを使用したほうが良いですが、応急処置としてはそのようなワックスも効果的なので、合わせて覚えておくと良いでしょう。