『妖精作戦』は有川浩を語るには欠かせない!?その関係とは?
『妖精作戦』は有川浩の作品ではありません。
1984年に出版された、笹本祐一の作品です。
当時、多くの作家たちに多大な影響を与えた作家で、
ライトノベルの起源とも言われています。
有川浩のことを調べると、高確率で『妖精作戦』が登場します。
有川浩もライトノベルを書いていますが、
いったいどのようなつながりがあるのでしょうか?
この記事を読んでくれているあなたも、
きっとその関係性が気になっていますよね。
『妖精作戦』は有川浩の青春時代にとって、
共にあったと言っても過言ではないくらい、欠かせない作品であったようです。
今回はその関係性を解き明かし、
彼女の青春への思いを体感して頂けたらと思いますので、
どうか最後までお付き合いください。
●『妖精作戦』が有川浩に与えた影響とは?
有川浩が書く作品には、幅広い年代の登場人物が存在し、
納得できないことを抱えているけれど、
時間の経過とともに成長し受け入れる姿が描かれていることが多いように感じます。
その背景には、当時『妖精作戦』の結末にショックを受け、
納得できなかったこと、10年かかったけれどそれを受け入れられるように
なったことが影響しているのではと感じます。
『妖精作戦』があこがれの青春そのもので、
大好きだった当時の読者たちにとって、物語のバッドエンドはショックが
大きかったようです。
しかし、歳を重ねて読み返した時、また違った方面からとらえ、
納得できることがあります。
歳を重ねる中で、学生としての青春時代よりも多くの経験をし、
考えを取り入れるからです。
彼女もそうやって受け入れるに至ったのだと思います。
『妖精作戦』は有川浩にとって、
「すごく好きだったのに最後の最後に落胆させられた」ショックだけでなく、
「当時はショックだったけれど、
今となればあの判断をした登場人物たちの気持ちもわかる」。
学びの一冊となったのかもしれません。
●『妖精作戦』と有川浩の『レインツリーの国』
実は有川浩の作品には、『妖精作戦』への熱い思いを感じ取れるものがあります。
『レインツリーの国』です。『レインツリーの国』に登場する、
『フェアリーゲーム』という物語は『妖精作戦』そのものなのだとか。
青春真っ盛りである主人公の高校生が仲間たちと繰り広げる、
アクションと恋の物語。『レインツリーの国』ではその「青春」について
登場人物二人が熱く語り合うシーンがあります。
自分の意見が相手の意見と相違する点さえも面白い、
新たな発見として語ることを喜び合っている様子は、まさに青春そのものでした。
文章を読んでいるだけなのに、同じような青春を経験したり、
感じたりした人でないと書けないような熱さが溢れているのです。
これこそが、『妖精作戦』を読んだ有川浩オリジナルの思いです。
「文章からあふれる熱さって何!?」と思った方は、
是非、読んでみてください。読めばすぐに「なるほど」と思って頂けるはずです。
●まとめ
いかがでしたか?幅広い世代、多くの方から愛される有川浩の作品に、
なぜあんなにもワクワクするような青春らしさの面影があるのかということを
感じ取って頂けたでしょうか。
青春とは、面白おかしくふざけあったり、何気ないことで笑いあったりするような
学生らしさを真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろんそうだけれど、いくつになっても遊び心を忘れないだとか、
何かを好きと思うことに正直でいる、
自分の思うことをとことん突き詰めるといったこともまた、
大人になっていく過程において大切にしたい青春なのではないかと思います。
有川浩はかけがえのない一冊によって得た青春の学びを、
自分自身の作品として形にし、多くの人々の青春となっていることでしょう。
この機会に是非、あなたも青春の一ページをめくってみませんか?