「LGBTは、温泉にどう入る?」LGBTの基本的な内容から現状まで、詳しく解説!
昨今よく耳に入るようになった言葉「LGBT」。
性的少数者の略語として用いられていますが、
その中の「T」は、心と身体の性が一致しない人(トランスジェンダー)を指します。
つまり身体が男性で心が女性、または身体が女性で心は男性ということです。
そのような方々が、男女で利用場所が区別されている施設(トイレ、更衣室など)を
利用する場合、どのような形が目指されるべきなのでしょうか?
今回は、今の寒い季節にみんなが大好きな「温泉」と、
性的少数者である「LGBT」との関わり、その現状をまとめていきます。
是非最後までお付き合いください。
●そもそも「LGBT」とは?
L:レズビアン(女性同性愛者)、G:ゲイ(男性同性愛者)、
B:バイセクシャル(両性愛者)、T:トランスジェンダー
(性同一性障がいを含む、心と身体の性が一致しない人)の
アルファベットの頭文字を合わせた言葉です。
2023年6月には、国会で「LGBT理解増進法」が成立しました。
この法律の目的は、LGBTへの理解を深めつつ、不当な差別を抑止することです。
しかしながら現在、社会的には、
「人は出生時に生物学的根拠によって割り当てられた性を、
その性のあるべき姿として生き、男性は女性を、
女性は男性を愛す異性愛者として生きることが普通である。それ以外はおかしい。」
という考え方が根強く浸透しています。
そんな中でLGBTとして生きる人々は、
社会の3~10%と推定され、およそ左利きの人の割合と同一とも言われています。
またLGBTの方々の多くは、異性愛者が当たり前のように
獲得している結婚や居住の権利を持てずにいます。
また近年では、トイレや入浴施設といった、
私たちの暮らしに身近な施設の利用方法について、
法整備や意見交換の場が持たれるようになってきました。
●「温泉」に関わるLGBTの話題①【大分県別府市の例】
2023年7月、大分県別府市で、誰もが安心して楽しめる温泉入浴のあり方を
話しあうことを目的に、市や観光協会、温泉組合の代表者14名が
出席する会議が行われました。
国内有数の温泉地である別府では、地元の人から海外からの観光客まで、
多くの人々が温泉を利用しますが、トランスジェンダーの方の為のルールなどは
設けられていません。
これまで具体的なトラブルは発生していませんが、
「心は女性でも男性の身体の人が入ってくるのは怖い」と言った声が挙げられています。
将来的に、何かしらの形でトランスジェンダーの方が
入りたい方の温泉に自由に入浴できるようになった場合、
トランスジェンダーでは無いのにそのふりをして入浴する人がいることで、
性犯罪が起こってしまう可能性もあります。
本当の意味での、全ての人が楽しめる温泉の在り方を、
今後模索する必要があることがわかりますね。
●「温泉」に関わるLGBTの話題②【日本旅館協会(東京都千代田区)の例】
2023年8月、日本旅館協会が、
共同浴場での男女の取り扱いについて独自の指針を策定することがわかりました。
指針の内容については、トランスジェンダーの方であっても、
あくまでも身体の性を優先して選択することを、事業者や利用者に求める方針です。
もし利用者が個人の心の性を優先した利用を求める場合には、
予約のタイミングなど事前に事業者にその旨を連絡することを求めています。
今後も、共同浴場を利用するルールの基本としては、
厚生省(当時)が平成12年に定めた「旅館業における衛生等管理要領」で設けられた
「おおむね7歳以上の男女は混浴させない」に則る方針となります。
またこの場合の「男女」については、
身体的特徴の上で定められる男女の意味となります。
●まとめ
ここまで「温泉」と「LGBT」にまつわる話題、2つに触れてきました。
本話題について、検討し始めの段階にある①と、
従来通りの慣習を継続する方針の②というように、
非常に判断が難しくデリケートな話題であることがわかりますね。
この問題を出来るだけ良い結論に持っていく為には、
LGBTの当事者のみでなく、それ以外の多くの方が自分事として考えていく必要が
あるのではないでしょうか。
この記事がLGBT当事者の皆様はもちろん、
そうではない皆様が本話題について考えていただくきっかけになれば幸いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました