「緊急取調室2015~女ともだち~」はゲストに松下由樹を迎えたドラマスペシャル。どんでん返しありで目が離せない!
「緊急取調室」は2014年からテレビ朝日で放映されている人気ドラマです。
天海祐希が演じる真壁有希子刑事の、迫力ある取り調べシーンが見どころです。
今回お伝えする「緊急取調室2015~女ともだち~」は、
130分の拡大版なので、たっぷり真壁刑事の活躍をみることができます。
テーマは女ともだち。女性ならだれでも、悩んだことのあるテーマだと思います。
男性は、女性への理解が一層深まるドラマです。
Contents
●「緊急取調室」は、警視庁捜査一課緊急事案、対応取調班通称「キントリ」と呼ばれています。
取り調べ中の被告に対する自白の強要や冤罪を防止するため、
キントリでは全ての取り調べの様子をビデオに録画し、可視化するという設定です。
その割には、激しい言葉や態度で取り調べをする男性刑事がいます。
一方、真壁刑事は迫力があるものの、正論に正論を重ねて追及するので、見ていてすっきりします。
2014年版は9話まで放映されました。
今回の「緊急取調室2015~女ともだち~」は2014年版の続編です。
そして、2017年版に続きます。
名セリフは真壁刑事の「おもしろくなってきたじゃない?」
事件が謎に包まれたころ、このセリフが飛び出します。
これを聞くと、「いよいよクライマックス、目が離せないぞ。
スマホいじってる場合じゃないぞ」と思ってしまいます。
●女ともだち
「女ともだち」というのは、女性にとって究極の課題です。
元気になれるのも、気分が沈むのも、女ともだちが影響していることがあります。
女性の人生にとって、女ともだちは大きな存在です。
ニュースキャスター三沢早苗(斉藤由貴)は、不幸な生い立ちで地味な矢島聖美(松下由樹)と、
名門の聖堂女子学院高等学校で、演芸部部員として一緒に活動していました。
目立ちたがり屋の早苗と、地味で雑用を進んで引き受ける聖美は、よい女ともだちでした。
やがて大人になった早苗はニュースキャスターとして華やかな世界で過ごし、
素敵な婚約者と豪華な結婚式を挙げます。
しかし実は、早苗には婚約者以外の恋人がいたのです。
結婚式当日に、その恋人は早苗に復縁を迫ります。
そんな恋人は早苗にとって邪魔な存在でした。
その恋人がホテルのベランダから落下して死亡するという事件が起こります。
それなのに、地味な聖美が殺人を自供し、刑務所に入ります。
早苗をかばっての自供なのでしょう。
早苗はニュースキャスターとして不幸な生い立ちの聖美をかばう報道をするのです。
殺人の容疑で刑務所に入った聖美は、若くて不幸な環境の受刑者たちの話を聞き、親身になります。
そして、出所した彼女たちの殺人の罪を全て自白します。
しかし、それは聖美が刑務所にいたときに起きた殺人事件で、立派なアリバイがあります。
自白とアリバイのずれに困ったキントリに、聖美が提案します。
「取り調べの様子をネットニュースで配信してほしい」
そんな日本国内初めての試みを実行したものの、
事件は一層謎に包まれます。
「もつなべ」たち捜査員の努力の成果で、謎は少しずつほぐれていき、
事件は真相に迫っていきます。
そこで、とんでもない女ともだちの復讐の気持ちがあらわになってくるのです。
●事件のカギは復讐
ここでのカギは復讐。仲がよさそうに見える女ともだちでも、
実際の気持ちは本人たちにしかわかりません。
松下由樹演じる矢島聖美(きよみ)は不幸な生い立ちであるものの、
聖堂女子学院高等学校というお嬢様学校の演劇部で三沢早苗(斉藤由貴)と友だちになりました。
その設定だけでいびつな関係が想像されます。
実際の関係は服従を強いられ見下される辛いものでした。
これ以上はネタバレになるので控えます。ぜひ、ドラマをご覧ください。
●真壁刑事の娘、奈央ちゃんも女ともだちで悩む
真壁刑事の娘、奈央ちゃん(17歳)も女ともだちとの関係で悩んでいます。
真壁刑事の娘が学校でけんかして、登校したくないと言い出します。
奈央ちゃんは、あの杉咲花さんが子役として演じています。
娘のけんかのタイミングで、真壁刑事は「女ともだち」をめぐる事件に取り組むので、
視聴者も、少年少女時代の友だち関係のことを思い出してしまいます。
17歳くらいなら、誰でも考えたことでしょう。
友だちと過ごす嬉しさ・難しさ・煩わしさ・嫉妬の気持ち・うざい気持ちなどです。
ひりひりする気持ちのことをついつい思い出してしまいます。
奈央ちゃんが母に言います。
「みんなさみしいからつるんでいる」
上辺だけの友だち関係に悩む娘に、真壁刑事は母親として戸惑います。
後ろから抱きしめてつぶやきます。
「お母さん、何にもできないんだなあって思って。
でも、奈央のこと信じている。何があってもお母さんは奈央の味方だから」
これは、なかなか言えない名言です。
こんな素敵な親子関係、憧れます。
緊急取調室で犯人に正論を突き付ける真壁刑事なのに、
家庭では「何にもできないんだなあ」と娘に言ってしまうんです。
強さと弱さを兼ね備えた人間らしさがうかがえます。
だから、みんな真壁刑事を好きになってしまうのでしょうね。
●ラストの見どころ
事件が解決したかのように思えて、
どんでん返しがあるという目の離せない展開。
また、最後に真壁刑事が危険にさらされるので、ファンとしてはどきどきしてしまいます。
そして、「学校に行かない」と言っていた奈央ちゃんが
「学校に行く」と言うか言わないか。ぜひ、ご自分でご確認ください。
●まとめ
大好きだった友だち、一緒にいるだけで、
嬉しくて安心できた大事な友だちのことをふっと思い出し、豊かな気持ちになれる作品です。
「一緒の時間を過ごして、夢を語り合った友だち」
ラストシーンにこのフレーズが出てきて、
悲惨な事件の終わりにほっこりしたぬくもりを感じることができます。