「北斗の拳」といえば199x年。今さら第一話を掘り下げてみる
199x年、世界は核の炎につつまれた
北斗の拳の伝説は、この一説から始まりました。
連載開始は1983年。
当時はアメリカとソ連(旧ロシア)の冷戦真っただ中であり、
その2強の間にある日本はいつ核の炎につつまれてもおかしくありませんでした。
まさに、北斗の拳はあったかもしれない日本の姿なのです。
今回は、そんな伝説の始まりである第一話を掘り下げてみようと思います。
Contents
●悪党はびこる世紀末、北斗の拳はあったかもしれない日本!?
冒頭でもお伝えしましたが、
199x年、世界は核の炎につつまれた
これは今でこそ「そんなことはありえない」といえますが、
北斗の拳が連載していた当初は可能性がゼロではありませんでした。
当時、アメリカとソ連は冷戦状態にあり、
核による第三次世界大戦が起きてもおかしくないといわれていました。
アメリカとソ連の間にある国、日本…。
もし冷戦に巻き込まれ、核の飛距離が敵国に届かず日本に落とされていれば、
北斗の拳のような世紀末が始まっていたかもしれません。
ですが、現実世界と北斗の拳の世界では、
決定的な差があると私は感じています。
それは…
シェルターの豊富さです!!
北斗の拳の世界では作物は枯れ、ガソリンだけが大量にあります。
そして、善と悪が二分された人格のみが生き残っています。
199x年ではシェルターは家庭のステータスだったのでは?と思うほど…
シンプル・イズ・ベスト
現実世界ではこんなにわかりやすい世紀末はありえないでしょう。
●第一話、弱き人間バットの強さを見てみる
北斗の拳といえば「ひでぶ」「あべし」などの個性的な叫びですが、
第一話ではそれほど目立った叫びはありません。
最初の叫び声は「イヤッホー、ホホホー」ですが、
後の叫び声を思うと薄く感じます。
ですが、第一話はケンシロウと旅を共にするバット・リンの名場面が
ふんだんに盛り込まれていると私は思っています。
バットといえば、名言こそ少ないものの、
喜怒哀楽がはっきりとした場面を多く残しています。
第一話では水を求め彷徨うケンシロウが行き着いた村にてバットが
盗人として地下牢に放り込まれています。
バットはジード軍団が迫る前に協力して逃げようとケンシロウに提案します。
しか、そんな姑息な提案には乗らないのが我らがケンシロウ。
この一連でバットは喜怒哀楽を惜しみなく出します。
その表情はまさに世紀末に生きる弱き人間を描いたもの。
199x年という世界、力なきものは知恵や小賢しさを武器に生きていかねばなりません。
見事ジード軍団を倒したケンシロウの強さを目の当たりにしたバットは、
ケンシロウと旅を共にすることになります。
●最初のヒロイン、その名はリン。ケンシロウへの恋心を幼き心に秘める
第一話では幼きヒロイン、リンも登場します。
ケンシロウが行き着いた村で捨て駒のような扱いを受けるリン。
両親を失ったリンは心の病で声が出せなくなります。
バットからの嫌味な発言に涙を流しますが、
それでも気丈にふるまう彼女に、ケンシロウは声が出るようリンの体に秘孔を打ちます。
その時、ジード軍団が村を襲います。
村人として戦いに参加することになったリンは、
ケンシロウとバットが捕まっている牢屋のカギを置いていきます。
牢屋をでたケンシロウとバットが目にしたのは、ジード軍団に捕まるリンの姿。
ケンシロウの姿を見たリンは、初めて声を発します。
「ケーーーーン!!来ちゃだめーーー!!」
それは彼女の心からの叫びでした。
心打たれたケンシロウは、リンを助けるため闘いに身を投じます。
そして、見事ジード軍団に勝利したケンシロウはバットともに村を去ります。
リンは去っていくケンシロウの背中にまた涙を流します。
まとめ
いかがだったでしょうか。
北斗の拳第一話、それは199x年を彩るキャラクターたちで満ち溢れています。
最初の悪、ジード軍団。
やけに詳しい長老。
これを機に今一度ふれてみてはいかがでしょうか?